レンズの取り扱い。~熱編~
2016/11/07
今日は朝からかかりつけの病院に行って、最近左胸が痛いんだけど、心臓の精密検査が必用ですか?
と恐る恐るお尋ねすると、
「あ、心臓じゃないから大丈夫、肋間神経痛だね。」
と診断されて一安心。ここ1か月程度はその左胸の刺す様な痛みと戦っていた僕ちんとしては
心のつっかえが取れたようで、これからも、んだば頑張ろうって思えた次第であります。
前置きはそれくらいにして、今日の本題は、先日のティッシュは紙やすりという記事の反響が大きかったので
気をよくして、それに加えて解説していきたいと思います。
まず、レンズは専用のクロスで拭いて下さいまでは、その記事をご覧になった方はご理解いただけると思うのですが、
今日はそこ以外のレンズの取り扱いですね。
まずレンズに関して、知られていない事がレンズが熱いところが苦手っていう僕らからすると常識です。
ただこの常識も実は的を射ておりませんでして、実は、正解はレンズは急激な温度変化に弱いってのが正解だったりするのです。
少し難しいですね。実際にお店の現場ではこんな説明をしています。真夏の炎天下の車内に放置するのは止めてください。
あの車内では70~80度の温度になるのですが、その状況下ではレンズにクラックといって皺の様な物がレンズ表面に
入ります。これが見え心地に決定的に悪い影響を与えてしまうのです。ですからそういった使用は避けてください。
と案内しています。
でも僕はこれだけでレンズのクラック発生理由の全てを説明しておりません。
僕は熱いのも駄目だけど、本当にダメなのは急激な温度変化だと申し上げました。
例えばこんなシーンです。
スキーやスノボに行きました、真冬の北海道でパウダースノーを楽しむとしましょう。
当日のゲレンデは⁻20度でした。一滑りして休憩しようとロッジに入ります。そこでは
多少利かせ過ぎな程にストーブが利いていて30度だったとします。気温差50度ですね。
これでアウトになります。
炎天下の車内は例えば気温が30度の時に車内が80度、これもその差は50度になりますね。
これくらいの温度差でクラックが入ってしまうと言っても良いでしょう。また、条件次第では
更に少ない温度差でもクラックが生じると言われています。
ではこの温度差が発生した時にレンズ表面では何が起こっているのでしょう?
それは伸縮です。
つまりレンズの基本となる素材(以下 基材)も、コーティングも熱が入れば膨張し、
温度が下がれば収縮します。この時に膨張したり収縮する比率が基材とコートで差異があり、
基材の方がよりコートより熱膨張率が高いと思ってください。
ではその膨張率が基材とコートで同一な物を使えばクラックは生じにくくなりますね。
それはその通りですし、実際数年前にオーガニックコートといってその膨張率を揃えた品がSEIKOさん等から
発売されましたが、そのコートは耐擦傷性に難があり、すぐに傷が入ってしまう耐久性の低いコートに
なってしまい、これはその後普及は進んでいない状態です。
では今の最新コートの耐熱性はどうなっているのでしょう?
膨張率の問題はクリアーしていませんが、それを補うように
コートそのものを硬い物にしてひびが入りにくい様にされています。
いかがですか?
せっかく高いお店で高級レンズを選らんだのに、ものの一年も経たずにボロボロ、その多くは
レンズに原因があるというよりは、実は消費者のレンズに対する理解が不足しているケースが
お店を日々やっていると多いのです。
正しい知識をもって是非一日でも長く快適に装用できますようにとお祈り申し上げるのです。
opteria Glassias
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