皆さんは自分でレンズの設計を選べますか?~その3~
2016/11/19
すみません、blogに穴があいちゃいました。北海道では燃え尽き、ホテルでblogを書こうと思って
いたのですが、気絶してしまいました。( ゚Д゚)
では設計について、簡易にあくまでも簡単に書きますね。
まずここでは単焦点レンズについて書きます。
っとその前に単焦点レンズって何でしょう?
それは一つのレンズに一つの度数のみ組み込まれているレンズの事です。
例えば近視ならS-1.00 何てレンズの袋に書いてあります。これが複数個存在しその度数が境目から
無段階に変化しているのが、最近主流の累進レンズといいます。例えば近視の方が
S-1.00の眼鏡を掛けていたけど、老眼になってきたから、遠近両用作ってみようと思うと
まずお店で進められるのがこの累進レンズだと思います。
例えばS-1.00から+1.50の変化をレンズの中で組み込むと
眼の中心にほぼ、S-1.00 の度数が来て、それから下に2mm~4mm下がったところから
度数が変化するのが一般的です。S-0.99 S-0.98 S-0.97 …この様に実際には無段階に変化して
フレームの下の端でS+0.50になるレンズ。これが遠近両用レンズですね。
でも今日の本題は単焦点レンズだから、累進レンズについてはすっ飛ばします。
単焦点レンズの中で今マーケットに出回っているタイプは大別すると以下の通りです。
①球面設計レンズ
②外面非球面レンズ
③内面非球面レンズ
④両面非球面レンズ
⑤軸補正付き両面非球面と内面非球面
こんな感じになっています。今の主流で値ごろ感のあるのが②のレンズ、①は比較的安価なレンズと
いう位置づけです。でも弱度の方は②のフラットなレンズより①の方が中心部がシャープに見えるとも
言われていますので、一概に①はダメなレンズとも言えません。弱度の方であれば、①の方が好みと
答える方もいるかもしれませんね。
③は特許絡みで全てのメーカーが採用できないレンズの設計ですが、弊店で取扱しているメーカーでは
カールツァイアスとSEIKO、そして最近HOYAさんがこの設計を単焦点レンズで採用しました。
レンズメーカーさんのセールストークを鵜呑みにすれば、②より③の方が外面のカーブが一定な為、
見え心地が良いなんて事も言っています。
一方、薄型化という意味では、②や③よりも④のレンズの方が薄型化できます。度が強い方は
この④を検討してみても良いかもしれませんね。
では⑤とはこれは乱視の強い方にとって威力を発揮するレンズとなっています。
乱視が強くても、しっかり乱視を矯正すると歩けない、中にはこんな方もいらっしゃるのですが、
そんな見え心地にお悩みで乱視が強い人には⑤が良いかもしれませんね。
では球面設計と非球面設計、大雑把に言うと何が違うのでしょう?
それはレンズ表面や裏面のカーブが一定か、あるエリアから曲率を変えて補正を入れるか、の違いです。
昔は球面設計と言えばカーブがきつい、非球面はフラットに近い平らなレンズ。
こんな位置づけでしたが、近年はカーブ指定出来る③や④のレンズが出てきていますから、
今ではカーブで、①か②の設計を判別する事は難しくなっています。
ちなみにうちのお店でベーシックなレンズでもプリズムを入れて発注する時は
このベースカーブを目的距離別に計算して発注していますから、ハイカーブで
無ければ特段高いレンズにしなくとも見え心地が良いように一組一組専用設計して
レンズメーカーに発注しています。
簡単に言えば、近業作業用のレンズではベースカーブは浅めに、
遠用作業のレンズではベースカーブを深めに発注します。これにより
それぞれの目的距離では収差が軽減します。意外とこれやっているお店って
少ないんですよ~。
あくまでも設計についてさらっと書きましたが、分かって頂けました?
レンズメーカーと小売店の共同作業でお客様に最良のビジョンを提供できるのです。
ですから僕らがもっともっと勉強しなくてはいけませんね。
ではまた明日。
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