レンズの美味いとこ、不味いとこ。
2017/02/18
ぐへへ~、←気持ち悪いでしょ~。最近は体重が86㌔代に戻ってきて
ご機嫌な、プリズム次郎さんでした。
さてこの写真には、何だか変てこなオレンジの〇が両の眼についています。
これは何でしょう?
これは僕の作った眼鏡の光学中心の位置を表しています。
光学中心って何でしょう?
難しい事を難しく言うのは辞書に任せて、僕は難しい事を極力優しく
説明したいと思います。
ここでまずは難しい方が好みの方向けにネットでググってみると
あれ?当然ウイキペディアで解説されているかと思ったら、
ヒットしなかった。以下はNIDEKさんのHPからの借用です。
(NIDEK HP より引用始め)
*2 光学中心:レンズ上で光学的な中心となるところ。メガネを作成するときには、瞳孔と光学中心をあわせる必要があります。(引用終わり)
とこの表現でもかなり親切な説明ですね。
でお瞳孔のどこに合わせるとか、もう少し解説が必用かな?
更に言えば、僕は瞳孔のどこ?ではなく、頻用目線(難しく言えば視軸と言います。)にその光学中心を合わせるのです。
これはプリズムという度が入っていない場合の話なのですが、
プリズムが入っているとこの視軸という観点が入ってこないと、目線をどこに置いて歩いているの?若しくはPC作業しているのって、話になるのですが、
この頻用目線と光学中心が合っていないと不要なプリズムという度数が発生したり、必用以上にプリズムという度数が入ってしまったり、逆に不足したり。
眼鏡を仕立てる立場としては、このアイポイントというのですが、その設定には
いつも頭を悩ませます。それは僕が頻用目線に合わせると言っているからです。
例えば、人はいくら歩いている時に数m先の地面を見て歩いていたとしても、時に、商店街を歩いていれば、両サイドの看板を見たり、メニューを見たりするでしょう?つまり一点に固定して生活している訳では決してないという事を言いたいのです。
また、顎を上げて歩く人もいれば、顎を引いて上目使いで見る方もいらっしゃいます。
ともかく、そんな千差万別の人の視生活を予測して、一点に決めるということが、人の数だけ生活様式の個人差がある事を考慮すれば、難解である事が
ご理解頂けると思うのです。
それでも最大公約数的にどこかを決めたのがこのオレンジの〇なのです。
もう一つ肝心な事は、必ず、度を入れる前にある程度までのフィッティングをしておく必要があるという事です。例えば、フィッティングをして眼鏡を掛ける
位置を上下であったり、例えば水平に平行移動したりすることが可能なのですが、それをレンズをフレームに入れた後にやってしまうとオレンジの〇がどこかに動いてしまう事を意味しています。
つまり
レンズの不味いところを通して物を捉える事になってしまうという
ことです。今日のお話しは難解ですね。
でもグラシアスではアイポイントの測定は度が入る限り全てのフレーム
作成時に実施しますが、それをするだけでお客様に不思議な顔をされる
事があります。
つまり、あまりこのアイポイントの測定の大切さが
世間では認知されていないという事です。
これは時間にして10秒程度のひと手間ですが、一日に何十本も売らないと
利益が出せない単価の低いお店だと、その手間すら掛けられずにおよその
眼の位置でこのオレンジの〇の位置が決定されるのです。
そして
これが違和感の原因になったりしますし、場合によっては眼が疲れる
なんて仰るかたもいるでしょう。
お客様は、違和感を感じたり、疲労を感じるとすぐに
「度が合ってないんじゃないかな?」
と辛さを訴えますが、実は、単純にアイポイントの設定があっていない
だけかもしれません。
僕は激安店は食べ物屋さんで例えるとファーストフードだと説明してきました。
激安店だって、その立場で懸命に良い物を作ろうと頑張ってらっしゃいますが、
それでも、業態としての限界がある事を誰より消費者の方々が知る必要が
あると思うのです。
一方、僕らはレンズを仕立てる手間を大切に、
そして誇りに思っているのです。
今日は、そんな眼鏡屋さんの、一般の方はご存じなくとも、実は大切な
レンズを仕立てる手間に関してのお話しでした。
ではまた明日。
opteria Glassias
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