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眼石祝応のBLOG

目利きという文化。

2017/03/04

どの道にも達人はいらっしゃいます。例えばお買物の達人なんて方もいらっしゃるかもしれません。

でも、そんな昔は比較的身近にいらしたスペシャリストが最近はお見掛けする事がぐっと減った

ように思います。勿論眼鏡屋さんでお買物をするにしてもそうです。

 

レンズがメーカーご指名なんて方もいらっしゃる事はあるのですが、明らかに少数派です。

 

昨日の記事のように自分の使っているレンズメーカーを知っている人でさえ極わずかと

言って差支えないと思うのです。

 

時に、私の友人が眼鏡の専門家以上に詳しいからなんて、眼鏡選びで困った方が

援軍要請する方もいて、そんでもって一緒に来られた方は確かに眼鏡選びのアドヴァイスは

的確でしたが、でも自分のレンズのスペックを答えられる知識をお持ちの方は皆無に等しい

状態でした。それが現状です。

 

誰もが全ての商材に精通する必要があるとまでは言いませんが、

それでも自分の求める機能を自分の言葉で言う必用はあります。

 

その為には、どんなレンズが市場に存在しているのかを自分で調べる必要があるのです。

 

え?どうやって?

 

そんなん簡単です。メーカーのHPに行けば懇切丁寧に情報発信をしています。

試しに大手四社のリンクを貼っておきますので、そのHPをご覧になってみてください。

メーカーそれぞれにこだわって設計されている事がそれを見れば一目瞭然のなのです。

 

HOYA

https://www.vc.hoya.co.jp/

 

NIKONエシロール

http://www.nikon-essilor.co.jp/

 

SEIKO

http://www.seiko-opt.co.jp/lens/

 

東海光学

http://www.tokaiopt.jp/

 

こんな感じです。大手の四社のHPを見比べて、私はここに興味があると思えたとしたら

目利きの達人に向けて一歩前進した証です。実際に弊店でもこの四社とは取引がありますが、

遠近両用で比較すれば、メーカーを変えたり、設計を変えたら見え心地は別物。

 

そういっても過言ではありません。にもかかわらず、一般的な消費者は、

店員さんの言う通りにお任せでレンズを買っている方々大多数です。

でも本当にそれで良いのでしょうか?

 

そもそも論で言えば、何故こんな状況かと言えば、圧倒的に僕ら業界人からの

情報の発信量が少ない事が根本的な要因だと言えるでしょう。

 

また、日本国内の市場規模がこの眼鏡という商材はあまりにも小さすぎる。

これも一因と言えます。家電量販店では一社で1兆円を超えるマーケットシェアを

誇っている会社が電化製品ではありますが、

 

一方業界全体の市場規模は4000億円程度で前後しています。

それでも小売店の勝ち組三社と言われているお店は

 

テレビコマーシャルをうってくれていますが、

 

フレームにしろ、レンズにしろ単独のメーカーでテレビコマーシャルをうてたのは

フレームメーカーの999.9(フォーナインズ)くらいしか僕は思い浮かびません。

 

本来は、レンズメーカー各社が、大型新製品を出す度に、それをテレビを用いて

告知するくらいの事がもしも出来たら、それはレンズの指名買いというニーズが

生まれる素地が出来るでしょう。

 

ですが、現実は、どこのメーカーもそこまでの余力がないのです。

頑張っても新聞一面の広告が限界の様です。

 

ではネット広告ならどうでしょう?

 

僕は相場は知りませんが、例えばYahoo!のトップページの広告料はいか程でしょう?

 

言ってしまったのでちょっと調べてきますね。

 

 

 

便利な時代ですね。少しググったら850万円、で一週間と出てきました。

 

新聞の一面より明らかに高いですが、大手のレンズメーカーの規模なら

無理すりゃ捻出できるかもしれません。

 

この金額で850万回、一週間の間に告知されるそうです。そして

このバナー広告から、自社のHPまで誘導したとして、そこで終わっては何も

意味も効果もありません、興味を持った消費者を取扱店に案内する必要があるのです。

 

では大手4社でこの取り扱いの有無を自社のHPで告知しているのでしょうか?

また言ってしまったので、調べてきます。

 

 

 

HOYA⇒有り、しっかり整備されたHPを作ってらっしゃいます。

 

NIKONエシロール⇒無し

 

SEIKO⇒無し

 

東海光学⇒有り、これもしっかりしていますが、HOYAの方が見やすいと感じました。

 

と真っ二つに分かれました。これは有りの二社は小売店と直接取引している会社です。

無しの二社は小売店との間に問屋をかませている会社です。

 

この良し悪しはあって、一長一短とも言えます。

 

直接取引していれば、どこに卸しているかは一目瞭然ですが、一方膨大な数の

取引店とのパイプを維持する為の営業マンの営業経費が掛かります。

 

問屋をかませれば、このパイプの維持と開拓は、問屋の営業マンが行いますが、

実際にどこに卸しているのかをメーカーが把握しにくいという弱点があります。

一方営業マンの数は少なくて済むのです。

 

ただ、こうして広告戦略的な目線から、捉えるとこのどこの小売店に卸しているか

どうかをメーカーが把握せずに、消費者にガイダンス出来ない状態は致命傷と

言えます。

 

更に言えば、レンズメーカーは小売店に対して、物が言えない状態が過去は

ずっとありました。小売店がこんなレンズが欲しいと言えば、はいそうですか、

と小売店のニーズに従ってきた過去があります。

 

例えば

 

単価アップしやすいレンズ。

 

単価の安いレンズ。

 

代表的な事例としてはこの二つのニーズに忠実に従ってきました。

でも、それが僕は大きな間違いだったと思っています。

 

メーカーが従わなくてはいけないのは消費者の声であり、ニーズであるべきだと

思うからです。レンズを簡単に売れる、簡単に言葉巧みに高額商品へ誘導できる。

こんな小売店の下心にメーカーはついて行ってはいけないと思うのです。

 

これからの時代は、ですからメーカーはもっともっと消費者の声を集める事に

注力しなくてはいけません。そしてダイレクトにそれを反映した商品を開発する

必用があるのです。

 

この業界を傾けさせたのは一部の専門店の下心、先ほど申し上げたように

そこに大きな問題や矛盾をはらんでいた事を、僕も含めて自戒の念をこめて

この文章を書かせてもらっています。

 

どの業界もそうですが、強くなり過ぎた小売が業界をおかしくしている

と僕は思っています。そう考えると問屋さんの存在は、

そのクッション代わりになっているのかもしれませんね。

 

やはりどちらが正しいとは言い切れない側面があると言えそうです。

 

消費者の目利きの話から、メーカーの広告戦略になってしまいましたが、

斜陽と言われた業界になってしまった根本的な原因は、僕は情報の発信不足。

そこにもあると思うのです。ですから、小売店を自社HPから案内出来ないメーカーは

少し戦略的にHPを見直す部分がある、僕はそう思えます。

 

今の時代はとかく、どこの畑でだれそれさんが作ったという

情報に消費者は安心を感じるからです。

 

そしてその継続的に情報発信を続けることによって、メーカーのファンが出来るでしょう。

それが目利きの達人を生み出す源泉となると生意気ながらも思ってしまいました。

 

今日は二日分のボリュームです。長すぎて申し訳ありません。

最後まで読んで下さって本当に有難うございます。

 

ではまた明日。

 

$RW3SYVS

 

 

 

 

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