遠近両用って高いよね。
2017/05/05
何か庶民派という言葉から、上から目線の選民思想が見え隠れするなと思う今日この頃、
皆さんいかがお過ごしですか?昨日の記事では遠近両用がどのように設計されているかを
高度な(?)グラフィックで解説し、そして遠近はグレードを上げた方が視野は広がるし、
装用感も向上し、お勧めですよ~。とお話ししました。
ですが、庶民派ではなく、立派な庶民代表として僕は、
「伊藤君、遠近が高い事はよく分かった。でも私には眼鏡にお金を掛ける予算が
それ程ないのだよ。何とかならんかね?」
と言ったご要望にお応えしたいと思います。
そこで昨日登場した解説図に再登場願いましょう。
図面カモン!!
昨日の図から更にトリミングして、(ちなみにトリミングって高度な技を覚えたのも
つい最近だぜ。)拡大してあります。そして昨日にも増して極採色の色彩豊かな
図が出来上がりましたが、昨日は明視域と収差領域を分ける境界線は赤しかありませんでしたが、
今日はそこに新たに緑の線と紫の線が昨日書いた文字の上を堂々と横切っております。
これが新しい境界線だと思って下さい。
ではこの様に境界線を外に追いやる事が出来るのは、それはレンズのグレードを上げる事だと
お話ししました。でも、実はそれ以外にも方法はあります。それは遠くか近くの見え心地を
捨てるという選択です。
例えば、運転用の遠近とすれば、近くはたまにちょっとナビやメーターを見たり、駐車中に
ちょっと携帯を見たりするという程度でしょうか?
だとすると手元作業のプライオリティーはそれ程高くないと言えるでしょう。
だからそんな時は、手元の度数を弱めにしちゃうんです。
昨日は、
遠くの度数=S-1.00
近くの度数=S+0.50
その差を加入度と言います。この場合の加入度は+1.50ですね。
この加入度の度数を小さくすればする程に、先ほどの境界線は赤い線から、
紫の線の方向にグレードが一緒でも移動すると思って下さい。
ですから視野は広がり歪みは少なくなります。従って運転用の遠近としては快適でしょうね。
例を挙げれば
遠くの度数=S-1.00
近くの度数=S±0.00
この場合の加入度は+1.00になります。こうすれば視野は広がります。
ご年齢にもよるのですが、近くは長時間でなく短時間であれば問題なくこなせるでしょう。
でも、ちょっと待った!あたしゃ~運転何かしないよ。むしろ会社に行ったらずっとPC見てんだよ。
遠く何かどうでもいいから、近くの作業を快適にしておくれよ。
もしもこんな風に言われたら、それも簡単な事です。
例えば、
遠くの度数=±0.00
近くの度数=+1.00
加入度=+1.00
これもまた、遠くはぼんやりですが、近くは快適に使えると予想します。
この様に妥協出来る方は出来る限り、見える範囲を限定して頂ければ、グレードを上げた事と
同様な見え心地を提案出来ますので、是非検討してみてください。
ここから先は内緒だよ。実はこれ以上は打つ手がないと思ったでしょ?
実はもう一つあります。
それはレンズの形状とサイズを考慮するという事です。
例えばこんな形。白い線で囲っているのがフレームの形状だと理解して下さい。
楕円よりは丸に近い形や、ボストンと言われるおにぎりをひっくり返した様なシェイプ。
これも非常に効率よく収差領域をカットしますね。つまり、視野を広げる効果はなくとも
歪む領域が少なくなるのでクランと揺れる感じが軽減するのです。
え?ボストンが分からない?
んだばペイントの図で書けなかったから、写真で勘弁してけろ。
このボストンというシェイプが収差領域を効率的にカット出来ている事が一目で
分かるでしょう?
ね。皆さん、フレーム選びから、レンズが高くなるかも?何て想像もしないでしょ?
実際に僕らはそこを考慮しながら、フレーム選びのお手伝いをさせて頂いているのです。
上手なお買物をしてくださいね。遠近は確かに高いけど、やり方次第ではコストを
下げられる可能性があるよ~ってなお話でした。
ではまた明日。
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