弱視は矯正しなくても良い?
2018/09/18
皆さんは弱視っていう言葉をご存知ですか?
僕は僕なりに弱視とは?という問いに対する答えを持っていました。
ところが、弱視と言ってもお医者様の立場からみた弱視と
僕ら眼鏡士からみた弱視とは、見解の相違があるようです。
ただし、一つ言える事は、
「私は相当近視が強くて
裸眼視力は0.01しかないから弱視なんです。」
このお言葉には明らかな勘違いがあります。
裸眼視力云々は弱視の定義とは関係ないのだということを
是非皆様には知って頂きたいと思います。
弱視とは、コンタクトや、眼鏡レンズで矯正しても
視力の出ない状態を弱視と言います。
ここでは矯正視力0.3以下で弱視と定義しましょう。
例えば、
裸眼視力は
R=0.1
L=1.0 両眼視力は1.0
の人がいたとします。
このお方が眼鏡で矯正すると
R=1.2
L=1.2 両眼視力は1.5
この状態になればこれは弱視とは言いません。
先ほどの事例で
眼鏡で矯正しても
R=0.3
L=1.2 両眼視力は1.2
こうなって初めて右目だけ弱視と言えるのです。
昨日いらした方も右目が弱視のお方で、
矯正しても0.2までしか出ませんでした。
すると必然的左目の矯正メインになります。
参考までにと今まで使っていた眼鏡を見ると
視力の出にくい右目には左目と同じ度数が入っていました。
因みに左目は近視と強い乱視、
それと全く同じ度数が右目にも入っていたのです。
きっとこれを作った眼鏡屋さんは、例えば右目に度無で作ると
明らかに右目は眼が大きく見えて、左目が小さく見えてしまうので、
それを嫌って、善意でこの右目にも左と同じ度数を入れるという
選択肢をチョイスしたのでしょう。
ただし、それでは右眼に近視のレンズを入れたことで
両目で遠くを見ると右目は遊びが酷く、眼が外に大きく開き、外斜視になっていました。
またその状態で近方を見させるとぐっと力を入れていかにも目一杯の
状況で、目から悲鳴が聞こえてきそうな表情でした。
では実際にこのお方はどんな目をしていたのでしょう?
何故こんなに辛そうに右目を使っていたのでしょう?
な、ななんと、僕の検査が正しければと
前提条件はつきますが、右目は遠視でした。
遠視の眼に中度の近視の眼鏡を掛けさせていたのですから、
それはそれは右目には酷なことをさせていましたし、
使えないと諦めてしまっていたとしても当然だと思いました。
視力が出にくいと言ったって、矯正視力と裸眼視力を比較すれば
右目の裸眼視力=0.02
右目の矯正視力=0.20
と改善されていますし、右目は使えず遊んでいる訳でもないのですから、
使える目はしっかり使ってあげられる環境を整備することで、
多少でも前よりも使いだしますし、もしも右目がもっと働いてくれれば、
左目だってもっと楽になれると思うのです。
今回は
フレームはコンセプトY
レンズは東海光学ベルーナ1.76SD(内面非球面)
で作成できました。
トータルで8万弱のお買い物ですが、
それはこのお客様にとって割高と感じるでしょうか?
僕にはそれは判断できません。
でも、僕の暮らし、そして僕の後ろにいるフレーム屋さん、
問屋さん、レンズメーカーさん、それぞれの暮らしを
支えて皆の暮らしを維持しようと思えば
最低限の利幅は必用です。その利幅を考慮して
事業をが持続可能な状態にしようと思えば、
上記の金額になります。
少なくとも僕はこのお客様から、これなら安いと
言わせるよう日々眼鏡作りを上達させねばと思い、
勉強しているのです。お客様との真剣勝負とも言えますね。
喜んでくれると良いな~。
そして勝負に勝てる(お客様がこれなら安いと感じる)と良いな~
それではまたこのblogでお会いしましょう。
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