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眼石祝応のBLOG

伝統工芸に近づき生き残る。

2019/06/01

本日のblogの難易度【★★★】

 

僕は今年で四回目となるシンポジウム、カケルを

東京眼鏡販売店協同組合の青年部の力を借りながら主催しています。

 

カケルって何ってよく聞かれますが、僕はメイドインジャパンの眼鏡を

作るモノづくり文化を存続させる為のシンポジウムって答えてます。

 

以前に、ハウスブランドの営業の人とこんな話をしました。

 

「眼鏡が産業として成り立っていたのに、

このままでは伝統工芸になってしまうよ。」

 

とその方は嘆いていらっしゃいました。

 

僕はその場で反論も出来ずに

 

(ふ~ん、そんなもんかな?)

 

と大きなリアクションが出来なかったのです。

 

でもそれから平成は令和に移り変わり、少しずつ僕の頭の中も整理されてきました。

 

ほんでもって今の僕は

 

「伝統工芸でもいいんじゃない?」

 

でした。それは全てが伝統工芸化するという未来ではなく、

一部伝統工芸の良いところは取り入れ、職人の手仕事の部分は残す。

 

そしてそれを異業種では既にやっていました。日本で一番の知名度かしら?

 

トヨタ様です。トヨタがフラッグシップ、センチュリーを昨年モデルチェンジ

しました。そしてその作り上げる工程の一部に

伝統工芸の手法を取り入れているというのです。

 

参考記事

 

https://motor-fan.jp/article/10004641

 

その職人がいるから作れる物があることを天下のトヨタ様が証明してくださいました。

鯖江にも職人はいます。ですが、その職人にはなかなかスポットライトが当たらないばかりか、

職人が満足できるだけの報酬を手に出来ずに、廃業の憂き目にあう。若しくは事業継承出来ずに

会社をたたむ、そんなケースが今現在も進行していますし、今後も福井の産地の眼鏡工場の数は

控えめに言って尻すぼみと言えます。

 

そんな局面を打開するために僕はカケルを立ち上げ、

 

そしてそこで

 

The Most Emotional Eyewear(以下略称M.E.E.ミー)

 

という賞を新設しました。

 

そうなのです。カケルは産地と生活者をつなぐ役目を担い、

僕らは小売業者はハブとしてその両者をつなぐ役目があるのです。

何故なら産地は、分業制であるが故の弱点と僕は思いますが、

生活者のニーズが届きにくいという地理的弱点があると思うからです。

実際に完成品を見た事もない眼鏡職人は福井に沢山いらっしゃいます。

 

M.E.E.は、

 

良い品を作った会社がより好調なセールスを生み出し、

更に良い品が造れる好循環を創出します。

 

要は、広報を皆で力を合わせてやりましょうというのが、

 

カケルでありM.E.E.なのです。

 

では伝統工芸の話に戻りますが、今日本は韓国や中国の産地と

競争しています。韓国は、ウルテムという樹脂の加工に活路を見出し、

一つのマーケットを作りましたし、マグネシムの加工技術には元々定評がありました。

 

一方、中国は世界の工場として大量の注文をさばける一括生産のラインを組み、

日本よりも早くドイツ製や日本製の最先端の工作機械を導入し、年々その加工技術は改善し、

今となっては、日本でなければできない事を探すことの方が難しかったりします。

 

翻り日本の産地を見てみると分業制という兼業農家時代の名残があり、

未だに、ある工程は、A社、ある工程はB社という具合に仕事を皆で回して

皆で利益を得ようとしています。競合が無い時代にはそれでも元がとれました。

 

ですが、東アジアの競合が出来始めると、しまいに僕ら眼鏡業界は

人件費の安い中国や韓国と相見積りをし始めました。

 

すると福井の産地の人件費もそれに引きずられ下がっていきます。

馬鹿馬鹿しいと腕の良い職人程、異業種に転職します。

 

これは事件だ。僕はそう思ったのです。

 

良い品を作れる職人が次々と廃業したり転職したりしているのです。

これでは、日本の物づくり文化を守り育てるなんて僕の夢は霧散してしまいます。

 

僕と同じ危機意識を持ち、違うアプローチでは

福岡の仲西眼鏡店さんが、クラウドファンディングで

職人を育成する仕組みを構築しようとご努力されています。

 

僕はその職人育成は仲西様にお任せして良いと思いますし、

その取り組みは本当に素晴らしいと思います。

 

でもあのプロジェクトでは職人は育成出来ても産地は守れません。

そこでカケルであり、M.E.E.がでてきた訳です。

 

ここで産地としては選択肢があります。

 

中国の様に一貫生産のラインを組み、スケールメリットを活かし、

グローバルな競争力をつける。これも一つでしょう。何故なら当初は人件費の安さで

飛ぶ鳥を落とす勢いだった中国、韓国勢も人件費の高騰は避けられず、

更に言えば、その大差ない人件費に加えて物流コストを考慮すれば、

 

日本で作っても、韓国中国で作っても、コストに大差がなくなる時代が

もう目と鼻の先に迫っているからです。一時期は一貫生産のラインを持つ工場から、

その規模があるがゆえに廃業していく時代がありました。

 

その当時はまだ中国の人件費は今よりもずっと安価で

価格競争力があったのです。

 

話を戻します、今日のblogタイトルの様に、そんな中でも、職人を守り育てながら、

その職人にしかできない、伝統工芸の様な付加価値で競争力をつける。

 

こんな方法だってきっとあるとおもうのです。

 

この伝統工芸に近づけば近づく程に、価格は当然高くなり、

競合する相手はどんどん減っていきます。売れる本数は激減するでしょう。

それでも利益の出る売価に設定すれば良いだけで、

それを高いと言わずに買う小売店も必要でしょう。

 

もしかしたら、トヨタのやっている様にベストミックスは

 

機械による一貫生産と伝統工芸の間にあるのかもしれません。

 

さて、今年のカケルではフレームで言えば6点ノミネートされています。

 

一体、どんな個性溢れる商品がグランプリの座を射止めるのでしょう。

一貫生産の工場でしょうか?それとも伝統工芸に近い物でしょうか?

それともあっと驚かすアイディア商品なのでしょうか?

 

6/12のカケルにインフルエンサーとしての一般参加枠も多少ご用意いたしました。

是非そちらも前向きにご検討くださいませ。

 

また、6/17を目途にプレスリリースも発信する予定です。

どこかのメディアで今年のグランプリ商品が掲載されるかもしれませんね。

 

乞うご期待。

 

カケルHP

 

https://kakeru-symposium.jimdofree.com/

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

カケルロゴ画像データー

 

 

 

 

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