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眼石祝応のBLOG

視力を改善したい?拡大したい?

2019/06/30

本日のblogの難易度【★★★★★】

 

今朝の体重は81.1キロ。連日の梅雨らしい天気で最近僕の密かな楽しみになっている

ウォーキングが出来なくなっています。従って体重もそれ程変化ない状態で落ち着いています。

 

今朝は朝一番からまつ毛をつけるエクステという作業をされるお客様にご来店頂きました。

数年ぶりのご来店ですが、冒頭仰った言葉が凄く印象的だったので、ご紹介し解説したいと思います。

 

それはこんなお言葉でした。

 

「私は遠くが良く見えて視力に問題がないので、手元を見る時も視力を上げたいのではなく、

拡大したい。」と仰っているのです。

 

色々な間違った知識がこういった言葉を導き出します。

いわゆる突っ込みどころ満載なので、一つ一つ解説していきます。

 

①先ず遠くの視力に問題ないから、近くも問題ない。

A=遠くの視力に問題がなくとも近くの視力に問題がある場合があります。それの多くは老眼です。

老眼になって近くの見たいと思ったもの、それは新聞であったり、本であったり人それぞれです。

今回の場合は瞼についているまつ毛が見たいというご要望で、およそ20㎝だと仰っています。

人は本来オートフォーカスで遠くから近くに目線を移動すれば無意識にピントを合わせ、そして寄り眼をして

近くの対象物を捉えます。ピント調節と寄り眼、二つの運動をしていることになります。

 

このうちピント調節の力が衰え、ピントが合わせられなくなる状態を老眼と言います。

 

老眼になるとピントを合わせられなくなります。ピントを合わせられなくなるとどうなるのでしょう?

 

それは手元の細かい物が見えなくなります。もっと言えば手元の視力が下がるのです。

ですから冒頭のお言葉は間違っています。遠くと近くの視力は必ずしも近似値になる訳ではないという事です。

 

二つ目の誤解はこれです。

 

②視力は問題ないので、拡大したい。

A=老眼の場合に近くの視力が問題あるのはお伝えした通りです。では対象物を大きくすれば視力は改善するのでしょうか?

答えはイエスです。ただし100%の答えではありません。皆さまも老眼になった時に近くの細かい物を見ようとした時に

見え難いなと思うと無意識に対象物を近づけるでしょう。若いころはそれで対象物は見えるようになります。

 

ところが老眼世代(嫌な言葉ですね。)になると近づけると逆にぼやけるのです。若いころの成功体験が染みついているので、

無意識に近づけてしまうのですが、少なくともピントの調節に問題が無ければ近づければ細かい文字等は大きくなり拡大したかの様に見えますから、

見えない物も見えるようになります。だからハ〇キルーペが大ヒットしたのです。

 

では答えはイエス、でも100%じゃないよと意味深な書き方をしましたが、

それは拡大しても見えない物は見えないし、眼の機能を100%使える訳じゃないよという事実です。

 

先ず原則論として人は片目で見た時より両目で見た時の方が視力が上がり、更に視野は広がります。

それは遠くも、更に近くも両目で見ることにはプラスの効果があるのです。

ですから僕は両眼視機能検査というものを全てのお客様にサービスしているのです。

 

余談ですが、メガネ作りの一つのテクニックで「モノビジョン」というやり方があります。

 

一例を挙げれば

 

遠くは右目で見る様に焦点距離を合わせ、

 

近くは左目で見える様に焦点距離を合わせます。

 

この場合には遠くも近くも片目で見ますが、遠近両用等を使わずとも

まるで遠近両用レンズを掛けているかの様に使えます。

 

これだけ書くと便利なレンズと思われそうですが、

 

僕はモノビジョンを全否定はしませんが、出来る限りそれを避けて両眼視出来る方向にもっていこうとします。

 

それは先ほど説明した通り

 

片目よりも両目で見た時の方が視覚としての機能が高まるからです。

 

んでは、元々、遠くの視力に問題が無い(と自分で思い込んでいる人も含む)人は

ちゃんと両目を使えているのでしょうか?言い換えると両目はまるで一緒の状態なのでしょうか?

 

例えば右目だけ弱い遠視がある、左目だけ弱い乱視がある。

これらは程度問題ではありますが、大きな度数としての左右差があれば、

それはいくら対象物を拡大してもモノビジョンになってしまう恐れがあります。

 

つまり眼の機能をフルに使えていないという事です。

 

ただのルーペの問題点はそこにあります。

ただのルーペで良い人は完全に度数としての左右差が無い人とも言い換えられます。

 

では度数差が皆無な人ってどれくらいの確率でいらっしゃるのでしょう?

うちの眼鏡屋に来るお客様であればその比率は100人に1人も居ないと思います。

 

ただしこのデータはあまり参考になりません。

うちのお客様は皆さん何かしらお困りだからうちのお店に来るのですから、

当然、度数としても問題がある方が多いとも言えます。

 

一般の道を歩いている人をランダムにピックアップして

その比率を出してみたい気もします。

 

ただし過半数が度数に問題がないなんてことはきっとないでしょう。

日本人の多くは近視で、コンタクトや眼鏡で矯正をすでにしているからです。

 

ではルーペとはどうやって付き合うのが正しいのでしょう?

 

それは先ずは両目の屈折異常をしっかり矯正し、

かつ焦点距離を目的距離に合わせた眼鏡を装用して、

その上からルーペを掛ければ良いのです。

 

②のまとめに入りますが、②の拡大したいというご要望は間違いじゃない。

でもそれだけでは片手間だよと僕は言いたいのです。

 

このご報告がどこかのお店の

どなたかのお役に立ちますように。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

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