横着。
2018/01/12
「枯れ葉散~る白~い~、テラスの午後三時~。」この出だしは言わずと知れた
天才バカボンのエンディングテーマなのですが、その歌を朝からお風呂に入って
口ずさんでいると、
「41歳の春だから~元祖天才バカボンのパ~パ~だか~ら。」
とこの一文で僕は凍りつくのです。
(え!?バカボンのパパを僕はとっくに年齢で追い越し取るやん!
もっともっとパパはおっさんかと思ってたわ~。)
と衝撃を覚えた新春の朝を迎えた次郎さんですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今日のタイトルは、執着、愛着、と来て三部作かどうかは分かりませんが、
僕のボキャブラリーから考えれば、多分とりを飾りそうな、「横着」です。
メガネは現在はファッションアイテムとしても広く認知され、皆さんは思い思いの
メガネと髪や、メガネと帽子、若しくはトータルコーディネートを楽しんでらっしゃるかもしれません。
でも、いかにカジュアルに買える金額になったからと言って、メガネはやはり視力矯正器具なのだから、
しっかりとした人に相談したいし、見て貰いたいなんてニーズも勿論あります。
グラシアスはどちらかと言えば、後者の方に支持されているのでは?と僕は思っていますが、
創業の時の僕の思いは少しだけ違います。僕は、ファッションアイテムとしての楽しさと
道具としての機能性の両立であり、両立は出来ないとしてもせめて両者の中道を行きたいと
考えお店作りをしました。ファッションアイテムだから、手を抜いて良いとは思えないし、
道具なのだから、お洒落とかそんなのどうでも良いんだ。
そのどちらも僕の本意ではないという事です。
そんな良く言えばこだわりのある、悪く言えば頑固な僕が思う横着とは?
っというお話が今日の本題なのですが、皆さん眼鏡は片手で取り外しますか?
それとも両手で取り外しますか?そのどちらもいらっしゃるのは僕だって承知しています。
では本来眼鏡は片手で取るのが正しいの?
それとも両手が正しいの?
って若しもそんな質問を投げかけられたら?皆さんは何て答えます。
片手、両手。そのどちらと答えた方も、次はその理由を述べてください。
はい、シンキングタイム。
…
…
…
こっから先は僕の妄想タイムの始まりです。妄想よ。
少年A「え、片手に決まってるじゃん、いちいち両手で何て面倒くさいもん、
そもそも、カバンを手にもっていて片手が塞がっていたら両手で取りようねぇし。」
こんな風に答えるかもしれません。
でも本当にそうですか?手が塞がっているのなら、手を開ける方法がありませんか?
そうです。かばんは置けば良いのですよね。そうすれば、両手で着け外しが出来ます
少年A「え、そんなの面倒くさいよ。別にいいじゃん。片手で。特に困ってねえし。」
そうですね。困ってないかもしれません。でも確実に眼鏡の道具としての機能性は
落ちていますし、更に言えばメガネの寿命も縮まるのです。
少年A「え?機能性って何?だって片手で取ったからって言って、別に遠く見えてるし。
壊れるったってこの眼鏡買ってから1年も使えてるよ。問題ないじゃん。」
そうですね、お兄さんの度数をちょっと見せてくれる?あ~弱い近視だね。
これくらいなら、確かに多少形が歪んでも見え心地に大きな変化は無いよね。
でも実は、眼鏡の寿命は縮まっているし、更に言えば、他にもデメリットがある事を
自らすすんでしているんですよ。
少年A「え!?本当?今少し時間あるから、おじさん教えて。」
仕方ないな~、んじゃblogに書いておくから良く読むように。「吉祥寺 メガネ」で検索すると
すぐに僕のお店出てくるから、と言って僕はショップカードを渡し颯爽と彼の前から姿を消すのです。
そんなこんなで僕の妄想の世界で膨らました話を僕は今ここで書いているのです。
では眼鏡を片手で外す、僕からすれば横着とも言える行為にはどんな影響があるのでしょう?
分かりにくいと思うから箇条書きにしますね。
1~形が歪む
1)歪む時には横幅が広がってしまって、適度な締め付け感が無くなり、ずり落ちやすくなる。
2)右手で取る癖があれば、左の耳に掛ける部分(以下テンプル)の開き角が変わります。
もう少し具体的に言うと更に開きます。左手で取る癖があれば、右テンプルの開き角が変化します。
これにより、角膜頂点間距離(角膜頂点から「レンズ内面※1」までの距離)という物に左右差が生じます。
この変化により、矯正具合が変わります。近視であれば、角膜からレンズが離れれば、度は弱めに変化し、
遠視は強く変化します。※1~メーカーによっては中心部のレンズの表面と裏面の中間と主張している
メーカーもあります。)これにより本来は視力に左右差が無くとも、歪んだ眼鏡では左右の視力差が
生じるリスクがあります。
3)上記の2)で説明したように例えば右テンプルが開けばテンプルが開いた側のレンズは角膜に近づきます。
鼻を支点としてこれはフレーム全体が円運動する事を示しています。すると右テンプルは当然右耳に掛かっていますが、
その右耳の曲げ位置には角膜に2mm近づいたとしたら、その2mm分耳の後ろに隙間が出来ると理解してください。
一方この事例では、左目のレンズは眼から離れます。若しも2mm眼から離れたらその分、耳の後ろのテンプルは
前方に2mm引っ張られます。左右のずれがこの事例では、左耳に痛みを伴うフィッティングのずれが生じるのです。
4)この歪みによってレンズの角膜頂点間距離に左右差が出来て、若しも近づいた眼の睫毛が当たる様になってしまうと
レンズの内面に睫毛の擦り傷が出来ます。それはレンズの寿命を大きく縮めます。
2~故障のリスクが増える。
1)大概、片手で取る癖がある人はいつも決まった手で眼鏡の掛け外しをします。するといつも同じ方向のテンプルが
開いていくのです。そしてそれは開くだけでなく、丁番の部分に大きな負荷を掛けます。それが樹脂の丁番であれば、
割れやすくなりますし、金属の丁番であれば、多くのケースはその部位に溶接されていますので、溶接剥がれの
故障のリスクが著しく高まります。
この様に大きな問題が発生する事が理解出来ると思います。
映画なんかで、格好良い俳優さんが、眼鏡屋サングラスを片手で外すと我が家では夫婦揃って
舌打ちします。ちぇ、メガネを大切に扱って欲しいな。テレビや映画の影響力って強いんだぜ。
と思うし、到底、「これでいいのだ。」とは思えないのです。
ね、皆さんもどうか横着せず、ひと手間メガネに掛けて欲しいのです。
メガネのコンディションを維持する事に執着し、メガネの扱いは横着せず、
更にひと手間かけて眼鏡を長く使っていると今度はその眼鏡は相棒になり、
使っている人も、愛着が湧いてきます。
それは地球という環境にも優しいなんて幸せな話ではありませんか?
文中の少年Aはきっとそこかしこに居る事でしょう。僕はそれをオセロの様に
一枚一枚ひっくり返していきたいし、それが僕の仕事だと思っています。
眼鏡を取り巻く環境を変える事で、いつかそれはきっと国の形すら変えるでしょう。
少し飛躍し過ぎるかもしれませんが、僕は眼鏡にそれだけの可能性があると信じているのです。
ではまた明日。
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