決められない国、NIPPON。

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眼石祝応のBLOG

決められない国、NIPPON。

2017/05/26

いつか、家にホームシアター環境を作って、ウォーキングデッドを80㌅くらいの大画面と大音響で見て、

失禁して、失神するという夢とも思えぬ夢を持つ僕としては、薄く壁掛けに適していると言われる

有機ELディスプレイなんてのは、僕の夢そのものかもしれません。

 

その有機ELの大画面TVを

 

「これください。」

 

と言うにはかなりの有機、いや勇気が要りますがそれでも先日発売された65㌅の有機ELディスプレイ

には夢の実現に向けてビジョンがかなり鮮明に見えてくる僕の中では大事件でした。

 

ところが、そのパネルは韓国のLGさんから供与され、OEMで作っている。

それはPanasonicやSONYさんでも変わらぬ状況だとネットの記事は伝えていました。

 

え!?有機ELディスプレイってSONYさんが世界初で開発したんじゃないの?

 

って僕は過去の記憶をほじくり返しましたが、確かにググってみるとそのようです。

確かに今、テレビモニターというビジネスが日本のメーカーが、一から開発して、

そして完成品を作るという企業としての選択は非常に難しく。

 

いくら良い物を作っても、人件費の安い第三国の品と競合し、あっという間に

1インチあたりの単価は下がり、掛けた投資額が回収にしにくい。だから日本が

一から開発するの止~めた。と考えるのかもしれないし、それをあながち間違いとも

言いにくいですよね。でも、なんか一抹の寂しさを覚えるのは僕だけでしょうか?

 

日本の家電メーカーが下請け企業になるという事は今の日本を象徴しているようで…。

 

そんな僕は日本の眼鏡業界を根本から改革しなくちゃ、そんな焦りにも似た

感情に衝き動かされ、先日は、鯖江にてカケル2017というシンポジウムを主催し、

その場で眼鏡屋版の本屋大賞とも言える

 

Most Emotional Eyewear(略称 M.E.E.(ミーと読みます。))

 

という賞を参加者やネット投票により、グランプリ商品を決定し

表彰してきました。僕はこの取り組みの継続が業界全体が、

消費者に向いて力を注ぐことが出来る一つの方策だと考えています。

 

え!?現状だって、消費者向いて作っていたんじゃないの?

 

って思います?きっとそう思う方が大多数だと思います。

でも、産地と消費者って、産地に年に何回も行く事を10年近く繰り返した僕からすると

 

消費者って、すんごく遠い存在なのよね。

 

だから消費者が何で困っているかなんて情報なかなか集まって来ないし、

従って、何を創ったら喜ばれるかも産地の人の多くは分からないんだよね。

そこでおいらは「こりゃいかん。」産地と消費者、そしてその間に

入る、小売店や問屋、そして企画会社等。これらを一本の線で結び、

情報を共有しようと考えたのです。これを仮に縦糸とします。

 

一本の線だけでは、非常に情報はシンプルで、今多様なニーズが急速に生まれては消える

この現代社会では、情報は集約されシンプルになり過ぎます。

そして消費者のある一点のニーズだけにフォーカスして商品を開発してしまいます。

そして三本の矢の例えではありませんが、一本の糸は容易に切れてしまいます。

 

そこで僕は、縦糸は数多く、そしてその縦糸に横に絡まる横糸も必要だと思ったのです。

 

縦が生産者から、消費者につながる一連の物流ラインを比喩しているとするのなら、

 

横糸は、同業他社とのつながりです。

 

一例を挙げれば、基本は小売店にとっての同業他社とは、競争相手であり、

その競争相手が廃業してくれれば、それは自社にとっての利益である。

こう考える方が多いかもしれません。ですが僕は少なくとも競合相手である事は

認めますが、他社が無くなっては困ると考えています。

 

それは僕の様な零細企業には大手に比べて圧倒的に情報が少なく、その情報量の

不足が今の小売店業にとっては致命的だと言えるからです。

 

大手では容易に集まる、売れ筋の形・色・サイズ感等。

 

これらの情報の不足がもたらすデメリットが会社のかじ取りに非常に悪い影響を与える

と僕は思っています。更に、眼鏡屋という業種に関していえば、半医半商という業種としての

特徴があり、もしも半分お医者様になったつもりでこの眼鏡屋という仕事を見れば、

対象となるお客様の眼が千差万別であるという事実にぶち当たります。

 

通常よく見るパターンもあれば、え!こんな眼の人初めて見たという人が

年に数例必ず現れます。もしもそれが無いよという方がいらしたら、

それはその方の意識がそちらに向いていないだけの事です。

 

こういったレアケースに対してどう対応したらよいか。この情報の共有こそが

今の小売店同志で情報共有する意義と言っても良いでしょう。

例えば、1万人に一人の人のレアケースに対応しました。

 

一人目、どうしたら良いのか、分からずに、手探りで度数決定しました。

ただし顧客の満足度としては決して高くなく、改善の余地はありました。

 

二人目、前回の反省を踏まえ、多少改善しましたが、まだまだ、ただ一つの

きっかけとも言える改善策を見出しました。

 

三人目、二回の成功と反省を踏まえ、何とか一発でお客様の満足を頂きました。

 

もしも一万人に一人のレアケースなのであれば、三人目では三万人目になります。

こうなってしまうとその眼鏡士は、成功した頃には眼鏡士人生に終わりを告げる

お年頃になります。これでは、いつまで経っても、何代続いても進歩がなく、

三人目の技術や知識で検査理論はその歩を止めてしまいます。

 

でも、もしも仲間がいて、皆でそのお客様の眼に関して議論出来る場を設けてみると

どうなるでしょう?10人集まれば、きっと、同じ様な処方例が挙がってきます。

すると、そこから侃々諤々の議論が始まるのです。

 

こうして仲間がいれば、四人目のステップに行けるかもしれませんし、

もしかしたらその先もあるかもしれませんよね。

 

こうして横のつながりと縦のつながりを複雑に編んでいけば、大きさはともかく

生地が出来上がります。僕のカケルであり、M.E.E.はこの生地を作る為の布石とも

言えます。そして先ほど大きさはともかくと申し上げましたが、

 

現状出来ているこの生地は小さな小さな、公的という言葉のイメージからは

程遠い物です。ですから僕はこれを少しずつでも良いので、大きな大きな生地に

したいと思って、業界内団体に陳情に行っています。

 

ですが、そこではなかなか話が始まらないのです。

 

どちらかというと責任のなすりあいみたいな話になります。

 

「う~ん、君の言う話は面白いと思うよ。でもうちはあちらの団体が

後援してくれたらうちも後援するよ。頑張ってね。」

 

なんて気持ちの良い言葉を掛けてくださいます。でもそのあちらの団体にいくと

 

「う~ん、…。」

 

と始まるのです。これではニッチもサッチーも行かないではあ~りませんか、

ここに今の日本の縮図を見た気がします。日本が高度成長の時代、ある意味いけいけどんどん

の時は、皆の合議で決めて、そして結論を先送りしていても、ある意味勝手に

売上が上がる時代かもしれません。でも今はそんな時代ではない事は誰もが気がついていると

思います。今は多様化し、そして常に動き続ける時代なのです。

 

そこでの躊躇はある意味命取りかもしれません。僕の感じているこの危機感が正しい

かどうかはともかく、僕は、今この業界のトップにいらっしゃる方々の決裁権が無いのか、

それとも勇気の問題なのか?いや男気か?よく分かりませんが

 

「お、それおもろいやん、あんちゃん(僕です。)やってみな、尻はふいてあげるよ。」

 

と言える方が、育たなかった、若しくは稀なのかもしれません。これがこの業界の不幸と

言えるかもしれないと考えさせられました。

 

有機ELの話から随分話が飛びましたが、これからは日本を除くアジアが高度成長を迎え、

雨後の筍の様にわんさかと新しい購買力とそして生産力のある市場が湧いて出てきます。

そんな時代に足踏みこそがリスク。こう思える同志との出会いを僕は待ち望んでいるのです。

 

今日は長かったですね。

 

ではまた明日。

 

$RW3SYVS

 

 

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