パーキンソン病と斜視
2020/10/05
本日のblogの難易度【★★★】
今朝の体重は75.0キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は323人。
やったYouTubeチャンネル登録者数が動きがありますね。
さて昨日はパーキンソン病を6年前に患い、
二年前から物だダブって見える(複視)を自覚し、
半年前から、午前よりも午後に複視が強く出る。
物がダブって見えるのが辛いが何とかならんか?
っというご相談内容でした。
さて実際に見てみると強度の近視をお持ちで
今の眼鏡は過矯正でした。
第二次変動期の特徴で、近視量そのものが減少しているのですね。
その度合いはこんな感じでした。
先ずは
【今までの眼鏡の度数】
旧度 | R | -9.18 | -1.07 | 180 | 1.00 | 33.00 | 1.20 | 1.00 |
L | -9.49 | -1.23 | 179 | 1.00 | 33.00 | 0.80 |
【レフケラの数値】
屈折 | SPH | CYL | AX | ADD | PD | 片眼視力 | 両眼視力 | |
他覚 | R | -8.75 | -1.25 | 176 | 33.50 | 0.03 | 0.04 | |
L | -9.75 | -1.00 | 157 | 33.50 | 0.03 | |||
角膜乱視 | R | -1.75 | 175 | 色覚特性 | 8 9 | |||
L | -1.25 | 9 | 5 2 |
【完全矯正値】
両眼解放 | R | -8.75 | -1.50 | 175 | 67.0 | 1.2 | ||
L | -9.00 | -1.25 | 180 |
【処方度数】
処方値 | R | -7.75 | -1.50 | 175 | 1.25 | 35.0 | 0.7 | |
L | -8.00 | -1.25 | 180 | 1.25 | 32.0 |
【眼位】
眼位 | 測定 | 処方 | 測定 | 処方 | |||
R | BI | ~5~2~2~2 | 2 | R | UP | ~R0.5~0 | 1 |
L | BO | 2 | L | 3 |
左目が大きく近視量が減少し、完全矯正値では度を弱くしても
視力は1.0から1.2へ改善しています。
ここで一つ解説するならば、近視を強くすればする程に視力が出ると勘違いをしている方が
いらっしゃいます。知らないのは罪でも何でもありませんが、間違った知識で
それを僕らに訴え、ともかく強くして遠くが見たいんだ。と主張される事があります。
これは明らかに事実誤認で、現実は近視は完全矯正値をピークにして、
その後はいくら強くしても視力は改善せず、ある度数を超えてからは、
視力は低下します。つまり過矯正は場合によっては視力低下の一因となるという事を
どうか知って頂きたいと願います。
今回は乱視も絡んでいるので、一概には言えませんが、
何しろ過矯正も視力が出ない一因であったと推察されます。
今回はデスクトップPCのモニターを長時間見ると仰られたので、
そこに合わせて遠くの度数を弱くして、更に手元を見やすくするために
遠近両用レンズにしてモニターも手元の資料も見やすい度数設定にしました。
長々と書いてきましたが、今回のメインは、
この過矯正云々ではなく、
斜視についてパーキンソン病と斜視は因果関係があるのか?
っという点です。お医者様はここに関連性があるとは言いきれないという
言い方をするそうです。お医者様がそう言うのに医療従事者でも国家資格者でもない
僕が、関連性があると言いきれば薬機法に抵触するでしょう。
ところが事実関係だけをお伝えすると、
パーキンソン病の患者が集い、コミュニティを作っているそうですが、
そこでは斜視の方が多いそうです。
原則病気に掛かっていなければ、
斜視の全人口比での構成比率は3%ですから、
100人中3人の確率です。それより多いのであれば、
結果論として何らかの関連があると言えそうですが、
そのメカニズムまで解明出来て、初めて関連性があると
明言出来るので、今の段階ではエビデンス作りが肝心だと僕も承知しています。
ではそもそもパーキンソン病とは何でしょう?
ちょっとぐぐって来ますね。僕の知識では神経が…。
っという程度の知識です。
ここが詳しく解説していますね。
以下上記サイトより転載開始
無動、筋強剛、静止時振戦は3大症状と言われ、パーキンソン病の診断の際、
非常に重要な運動症状となります。(転載終わり)
一通りサイトを見ましたが、斜視については何も出てきませんね。
ただし今回のお方は年齢は58歳、発症は6年前ですから、
52歳で発症、そして症状が重度化していくにつれ斜視になってきたと
推論が立てられます。では、ドパミンが上手く分泌出来ずに神経が死滅していく病気で、
それは脳の分泌が上手く機能しないという状態なのであれば、
眼は脳の出先機関と言われていますから、密接に関わっています。
ですから、無関係と言いきることの方が僕には暴論に聞こえますが、
エビデンスの無いものの関連性を言いきる訳にはいかない
プロの医師としての立場も重々理解出来ます。
では今回は実際にどんなずれがあり、斜視になっていたのでしょう?
それは上のカルテでもあるように
外斜視
と
右上斜視
でした。また、それらを消してあげるプリズム度数で
斜視はその場で綺麗に消えました。
僕は斜視に関してはかなりの件数をこなしているとは
思いますが、パーキンソン病を抜きにして、斜視単体で見れば
それ程大きなずれでもなく、また融像の機能がまだ残っているという意味でも
比較的難易度の低い状態でした。
ただ難しいなと思うのは、病気の進行がこの斜視に対して
どんな影響を与えるのか、先が僕には読めない事です。
ですから長く使えるのか、それとも一年おきにレンズ交換なのかが
分からないと正直に僕の見解を伝えました。
今後も何かが分かれば本blogでご紹介したいと思います。
それではまたこのblogでお会いしましょう。