同じ度数だけど見え方が違う
2020/10/27
本日のblogの難易度【★★★★】
今朝の体重は74.9キロ。
いえ~い、久々に75キロ切ったぜ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は342人。
がくん、一人減ったぜ~(>_<)
さて今日ご相談にいらした方は、
同じ度数なんだけど、見え方が違う。
一本は遠くが良く見えて、近くが良く見えない。
もう一本は遠くが良く見えなくて、近くが良く見える。
早速二本のレンズの度数を調べてみると
乱視の軸という向きに多少の差異はあれど、
それが問題とは思えない。
では、掛けてみて、っていうと
すぐに分かりました。
答えは
角膜頂点から、レンズの内面までの距離が
この二本には差異があったのです。
遠くが良く見えて、近くが良く見えない眼鏡は
角膜頂点間距離が狭い、つまり眼に近いのです。
一方、
遠くがあまり見えなくて、近くが良く見える度数は
角膜頂点間距離が広い、つまり眼から遠いのです。
この様に目とレンズの距離が変われば
度数は変化します。
では実際には2mmの差があったのですが、
それでどの程度の度数の差があったのでしょう?
僕のカルテに、その差異が計算出来る計算式が入っていますので、
ざっとカルテ様に計算してもらいましょう。
使っていた度数は以下の通りです。
旧度 | R | -4.25 | -1.50 | 5 | 34.00 | 1.50 | ||
L | -4.25 | -0.50 | 175 | 34.00 |
これを見ると乱視が入っていて計算が複雑なので、等価球面値という数値に度数変換します。
等価球面値 | R | -4.75 |
L | -4.25 |
これが仮枠の状態では角膜頂点間距離が13mmだったのですが、
それが12mmになるとこうなります。
頂間距離補正度数 | R | -4.73 |
L | -4.23 |
それが10mmになるとこうなります。
頂間距離補正度数 | R | -4.68 |
L | -4.20 |
右目がおよそ0.05D(ディオプター)
左目がおよそ0.03D(ディオプター)
10mmの方が同じ矯正効果を狙うなら度数を弱くして良いよ。
とカルテ様は言っています。ただし、今、この度数を再現するには、
トプコンとNIKONの検眼機と特殊なレンズのコラボでないと
この差を再現できないのです。いずれうちのお店にも導入したいなと
思っていますが、ま~、お高いのですわ。
そんでもって今日言いたい事は、この2mmの差による
補正度数効果の差を見極める能力が人にはあるのだという事に
驚かされるのです。実際に視力測定をすると1.5、視力としての
差はないのですが、本人のお言葉曰く、明らかに違うと仰っていました。
では近くの見え方に差があるのは何故でしょう?
これはこのお方は40代中盤で、そろそろ老眼の足音が
ひたひたと聞こえてくるお年頃、その為、矯正効果の弱い、
目から離れたメガネの方が近くは楽に見えるのです。
遠くも近くもこの0.05とかいう差を感じられる
って誰が作ったのか知らないけど、神様だとするならば、
神様はすごい精度の生き物を産み出したな~と
驚愕するお店での一コマでした。
それではまたこのblogでお会いしましょう。