網膜の異常対応とプリズムメガネ

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眼石祝応のBLOG

網膜の異常対応とプリズムメガネ

2020/12/14

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は、74.5キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は382人。

体重は、変わらず、チャンネル登録者数は3人増えた♪

いよいよ400に向けてカウントダウンが始まりましたね。

 

さて昨日いらした方は、眼科で斜視と子供の頃に診断されて、

何の改善提案もなく、放置してしまっていて25才になった方でした。

 

早速見ていくと誰がみても明らかに左目が外に開く外斜視でした。

さてとその斜視量を確定させますが、それ程大きくずれていません。

プリズム量でいえば15△(プリズム)程度。因みに僕が18△程度の外斜位で、

リラックスすると複視になる間歇性斜視ですが、自分でコントロールしようと

思えば斜視にならないように特にプリズムを入れずとも斜視にならないように、

コントロール出来ています。

 

要はその程度のずれで別に珍しくないよ。

って言いたかったのです。

 

それでも斜視の検査をすれば明らかに斜視になり、

左目はほぼほぼ抑制といって使っていない状態でした。

この程度のずれの量ならそれ程高いレンズを入れる必要もないし、

比較的容易く両眼視を獲得出来るケースかな?

 

っと思って検査を始めました。

ところが、プリズムを入れても入れても、

ほぼほぼ正位(斜位が無い)の状態を作っても両眼視を始めません。

あれ?っと思って、網膜の異常対応を疑いプリズムを入れた状態で

斜位の検査をすると、やはり網膜の異常対応の状態になっていました。

 

そうか~、ふむ。と諦めかけました。

っというのも原則論としては網膜の異常対応の場合には

プリズムは入れるべきでないというのが原則だからです。

 

ところが、右目に3△、左目に5△入れたところで両眼視力が改善しました。

これで手応えを感じた僕は、そのままの度数でしばらく店の中を歩いたり

試してくださいと伝えました。すると多少疲れると感じるが物がダブって見えたり

明らかに違和感がある訳ではないと仰ります。

 

僕は自分の出した答えに自信がない事をしっかり伝え、

それでもチャレンジしてみませんか?と提案するとはい、と快諾して頂けました。

 

そもそも網膜の異常対応って?って皆さんは思うかもしれません。

網膜の異常対応が何かってことを、一般の方に分かりやすく伝えるって

難しいのですけど、早速図を作って解説してみましょうね。

今作ってくるのでしばしまたれ~い!!

 

 

上の図で言えば黄色い楕円が黄斑部といい、その中に中心窩という感度の良い

組織があります。その部位にしっかり焦点を当てれば視力は優良で、

視力だけでなく、遠近感、立体感も優れて獲得出来ます。

 

因みに両眼視はしていても、中心窩に当たっていない状態を

固視ずれと言います。グラシアスで多くのケースでプリズムを入れている場合には

固視ずれ矯正が目的になるのです。

 

今回は、長年斜視を放置したが故に、緑色の楕円の部分に

疑似中心窩を作ります。これはこれで人間の対応力の凄まじさを僕らに教えてくれる事例ですが、

一方、疑似は疑似に過ぎず、本家本元の中心窩には機能的には劣ります。

ですから斜視の初期であれば、異常対応させずに、本来の中心窩に戻す事が可能になります。

大きなずれであれば、手術すれば良いですし、小さなずれはプリズムを入れて

正しい見え方を教えてあげれば良いのです。場合によっては寄り眼のトレーニング等も

子供の頃であればある程に有効です。

 

ですから本blogの読者様に知って頂きたいのは、

網膜の異常対応になるまで放置させないで欲しいという僕からのお願いなのです。

今回の眼鏡で上手くいけば、中心窩両眼視を獲得します。

 

上手く行かなければ、網膜の異常対応に伴い、激しい違和感、疲労が出てしまい、

獲得を断念するというケースと両方の可能性があります。

ですから僕にしても、25歳の女性の立場にたっても

大きなチャレンジである事は間違いありません。

 

少なくとも15年前の僕であれば、

網膜の異常対応=中心窩両眼視を諦める

と思考停止していたでしょう。

 

ですが、過去に今回のような網膜の異常対応の方に

プリズムを入れて両眼視を獲得した人がいた、

つまり成功事例があったのです。

ただし公平に言えば、駄目だった事例も過去にはあります。

その確率は五分五分程度でしょうか。

 

ですから、今回はお客様にメリット、デメリットを説明した上で

僕は二人でチャレンジする事を決めたのです。

どうか上手く行きますようにとあとは天に任せる心境なのです。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

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