遠近が慣れない

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眼石祝応のBLOG

遠近が慣れない

2021/06/06

本日のblogの難易度【★★★】

今朝の体重は76.0キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は593人。

 

じわじわ来ますね~。

本当に600人を超えるのでしょうか?

 

さて、先日人生初の遠近両用レンズを作ったお客様が

三週間くらい使ったけど、慣れない。

視力が出ている気もしない。

たまに頭痛がする。

 

と三重苦な状態でご相談にいらっしゃいました。

早速視力測定をすると、

ご要望は1.0でしたが、随分慣れてきたのでしょうか?

今日は1.2の視力が出ていました。

 

思ったよりも視力が出ています。

これはプリズムレンズを組み込み作った場合には

両眼視の段階が引き上げられて、慣れると2割くらい

視力が改善する時によくよく起こる現象です。

 

視力は出ているのに何故見えない?

という感想を持つのでしょう?

 

それは以下の図を見てください。

 

 

今回作った遠近両用レンズは、中心部に快適に見える視界が広がり、

周辺のクリーム色の領域に目線を移動させると歪み、そして視力も低下します。

 

快適な領域を明視域、

歪んで霞む領域を収差領域というのは既にご説明済みです。

 

ところが、人生初の遠近両用レンズで、

この遠近両用レンズの設計の癖を理解せずに、

斜めに物を見て、収差が発生している領域で物を見ようとすると、

当然見えないという答えになりますし、

 

場合によっては眼が疲れてしまい、

頭痛が出る事もきっとあるでしょう。

 

その為に今回は、視界の中心を使って頂く必要性を説き、

なんとかご理解頂き、もう少し慣らしてみるとご回答頂きました。

これでも慣れなかったらどうしましょう?

 

その場合には以下の図を見てください。

 

これは弊社でNIKONのレンズの段階で言えば、

下から二番目のグレード、

この上に更に三つのアップグレードの余地がありますが、

 

若しも視界の狭さが気になり、

どうしても、端を使ってしまうというお方には、

場合によっては遠近両用レンズのアップグレードをお薦めします。

 

人生初の遠近両用レンズ、

これをある程度良いグレードから使うか、

それともベーシックグレードから始めるか、

これには議論の余地が多いにあり、僕自身も迷っています。

 

正解は一つではなく、きっと顧客の眼の状況に応じた提案をする

っというのが答えな気がします。

 

例えば、強い近視でもう何十年も眼鏡を使っている人は、

遠近両用レンズではなく、単焦点レンズでも周辺に行けば

視界が歪む事を経験則として染みついていますから、

首を振って対象物を見る癖、習慣化が既に出来ています。

 

こういった方は、ベーシックグレードでもそれ程不満を感じないケースが多いと

お店で日々提案していると感じます。これを少し専門的に言えば、

 

アイムーバー

 

 

ヘッドムーバー

 

と類別します。アイムーバーは弱度の方や、そもそも眼鏡が掛け慣れていない方、

こういった方に多く見られる傾向にあります。

 

更に小難しいネタを挟むと、

周辺視の使い方という個性もあります。

 

中心視をメインにし、周辺視をそれ程使っていない人、

そんな個性も実はあるのです。周辺視をフルに使っている人であればある程に、

遠近両用レンズでアップグレードした恩恵を感じます。

 

中心視メインの人はベーシックグレードでもOKなケースが多いのです。

 

また、近年切っても切り離せない作業でPC作業がありますが、

ここ数年の傾向として、ノートパソコンが職場で普及しているという点と

更にサブディスプレイの追加と、ディスプレイの大型化という傾向が見てとれます。

 

つまり、昔はデスクトップパソコンでもモニターが小さかったので、

ワイドな視界は必要無かったのに、近年横方向の視界を広く取りたいという

ニーズが強まったのです。この様に作業関係やディスプレイのサイズでも

遠近両用レンズのグレードチョイスに影響を与えます。

 

ここまで説明してきて、

そんな単純な問題ではないと理解出来たでしょうか?

 

眼鏡を仕立てるって、お客様のプライベートも含めて丸裸にする必要があり、

その普段の暮らしが透けて見えた時に、初めて適切な提案が出来ると思いますし、

その暮らしぶりを把握するのに、多くの時間が掛かるのです。

 

安直に高いレンズを薦めるのも、気が引けますが、

一方今回のようなケースであれば、ご予算が許すのであれば、

最初から良いグレードをお薦め出来ればなと思います。

 

まだまだ甘いな次郎、っと自らの尻を叩き反省した次第なのです。

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

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