裸眼視力測定の大切さ
2021/08/09
本日のblogの難易度【★★★】
今朝の体重は76.8キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数657人。
さて今日は最近遠近両用レンズの手元が見え難くなったという
54歳の方からのご相談についての事例紹介です。
早速今使っている眼鏡の度数を見てみましょう。
旧度 | R | -0.73 | -0.06 | 79 | +1.75 | 31.50 | 1.20 | 1.50 |
L | -0.46 | -0.01 | 0 | +1.75 | 33.00 | 1.20 |
矯正視力はしっかり出ています。ではレフケラという簡易に測定出来る機械による測定を見てみます。
屈折 | SPH | CYL | AX | ADD | PD | 片眼視力 | 両眼視力 | |
他覚 | R | -0.50 | -0.25 | 86 | 31.50 | 0.50 | 1.50 | |
L | -0.50 | -0.50 | 79 | 31.50 | 1.20 | |||
角膜乱視 | R | -0.50 | 137 | 色覚特性 | 8 9 | |||
L | -0.50 | 25 | 5 2 |
これだけ見ると右目の視力が全然出ていません。
視力から考えれば左目は本当に近視があるの?
って言いたくなる程に視力の状況は良好です。
では実際に両眼解放下での完全矯正値もご紹介します。
両眼解放 | R | 0.00 | 63.0 | 1.2 | 1.5 | |||
L | 0.25 | -0.50 | 80 | 1.5 |
あれ?結局右目の近視はなくなってしまった。
更に左眼は遠視+近視性乱視、いわゆる混合乱視という状態です。
にも拘わらず、今お使いのメガネは両目共に近視の眼鏡を掛けています。
つまり近視の過矯正=疑似的な遠視状態をこのメガネで作っていたのです。
だから加入は+1.75あったとしても
両目共に-0.75過矯正ですから、
+1.75-(-0.75)=+1.00
という状況で老眼の矯正度合いとしては
初心者向きの弱い矯正具合だった事が見て取れます。
これが第二次変動期の象徴的な目の動きです。
実際に今お使いのメガネを作られたのは
1年程前だと言うので、急速に度が変化したのか、
それか検査精度の問題も否定できません。
どちらにしても今の眼鏡は合っていないので、
極力使わないでくださいねと促しました。
ここで一つ疑問が残ります。
裸眼視力が視力測定当初は右目「だけ」が
0.50でした。これは何故そんな事が起こるのでしょう?
これも老眼状態の目であれば良くある事ですが、
手元を見た時にピントが固まって近くにあって固定されてしまったのです。
そこで様々な方法で視力が戻るようにほぐした結果、
裸眼でも1.2の視力が出るようになったと理解してください。
怖いのは、この裸眼視力で0.5を鵜呑みにして
近視の度数を入れてしまう事です。
これも良くあるパターンですから
僕も気をつけなくてはいけないと
褌を締めなおしました。
裸眼視力の測定って一見、
予備検査であまりそこから情報を読み取らない人が
実は多いのですが、いえいえ、裸眼視力には大きな情報が
隠されていると言えるのです。
それではまたこのblogでお会いしましょう。