上下斜位+老眼対策+アニサイクルレンズ

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眼石祝応のBLOG

上下斜位+老眼対策+アニサイクルレンズ

2021/09/11

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は77.4キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数700人。

 

今日のblogはめちゃ難しいです。

ご興味ある方だけどうぞ。

 

今日いらした方は久々のご来店、

54歳/男性でした。

 

何でも、相当お困りで、色々な眼鏡屋さんや眼科を周ったが、

納得いく眼鏡を仕立てて貰えなかったと仰っていました。

 

早速検査する前に色々伺うと

 

①昨年右目だけ白内障の手術(単焦点レンズ)をした。

②その結果不同視(左右の目の度数差が±2.00以上)になっていた。

③既存の眼鏡を掛けると手元用以外はクラクラして眩暈がする。

④眼精疲労が酷い。

⑤首のコリが酷く改善しない。

 

とお悩みで、今辛うじて手元用メガネは快適だが、

それ以外の沢山作った眼鏡は不快だと仰っています。

 

ではご本人の普段のメガネの使い方を聞いてみました。

 

⑥ノートPCをテキスト中心に8h程。

⑦近場の運転は頻繁にする。

⑧従って今の手元用メガネよりも、もう少し見えるようにしたい。

 

っとご要望をお聞きしました。

では今の手元用メガネはどんな度数でしょう?

【今お使いの手元用メガネ】

眼科処方箋 R -0.95 -0.02 0 BI0.5   0.30 0.20
L -4.02 -0.02 0 BI0.5   0.20

これだと遠用視力が0.2で外使いでは見えな過ぎて不満だそうです。

そこでこんな度数で提案しました。

【今回お作りしたメガネ】

処方値 R -1.00 -0.50 100 1.25     0.8
L -4.50 -0.50 130 1.25    

この様に不同視で検査の結果分かった事がありました。

近視の度はそれ程強くせずとも、乱視を組み込むことで

大きく視力が改善する事が見てとれます。

 

この時点で判明したことは以下の通りです。

⑨水平方向に外斜位で固視ずれしていた。

⑩無視できない上下の斜位があった。

⑪不同視による屈折性の不等像視があった。

⑫老眼対策が必要で、それは右目の眼内レンズの術後に更にその必要性が増した。

⑬乱視が存在したが未矯正で、それが故に視力が出難かったので、乱視を組み込む

必要性を感じた。

 

⑨に対してはベースインプリズムが必要。

⑩に対しては上下斜位をプリズムで矯正。

⑪に対してはアニサイクルレンズで像倍率を補正。

⑫遠近両用レンズでアニサイクルレンズを選択した。

⑬乱視を組み込んだ。

 

さて一気にこんなに変えて大丈夫かな?

それが僕の第一感、僕の設定したハードルを超えられるかどうか、

その見極めが難しいケースです。

 

装用テストといって、テストレンズをフルに組み込んで

お店の内側や外側を歩いて頂き、視力は足りているか、

歩くのに気持ち悪くないか、時間をじっくりかけてジャッジして貰いました。

 

さて、遠近両用レンズに乱視を組み込み、

遠近両用レンズに斜位矯正を組み込み、

更にアニサイクルレンズといって左右の眼の像倍率を補正する。

 

これって、出来るレンズと出来ないレンズが有りますが、

少なくとも弊社では、

 

NIKONのロハスシリーズと

SEIKOのインテグラルシリーズの二択でした。

 

今回は視界周辺部の歪みが軽微で

カーブの選択肢が広いSEIKOにして​​決めて頂きました。

 

ではそもそもアニサイクルレンズって何でしょう?

 

アニサイクルレンズとは:何らかの理由で左右の眼で捉えた画像のサイズに差異が

生じてしまい、小さく見えているレンズは大きく、大きく見えているレンズは小さく調整するレンズ。

 

っと定義します。

 

何故左右の像のサイズが変化するのか?っと言えば、

先天的なケースもありますが、

多くのケースは後天的なケースが圧倒的多数です。

 

そして大別すると二つのケースに類別されます。

 

⑭軸性の不等像視

⑮屈折性の不等像視

 

と分けられるのです。

今回は屈折性の不同視による不等像視でした。


その為に求められるレンズのスペックは、

最低限カーブ指定出来る事。

これが一番大切で、それ以外にも要素はありますが、

遠近両用レンズでカーブがハイカーブにまで対応しているレンズは

大手を見渡しても稀だと言えます。

 

では今回のケースでは手術の術後に不具合を自覚したそうですが、

術後に突然、環境が変わり不等像視になったのです。

 

ただし、今回の不定愁訴の根本を僕は、

複合的に捉えるべきだと感じています。

 

それは今までの述べてきた原因や暮らしぶり、

それらを考慮すれば、アニサイクルレンズも大切ですが、

そもそも老眼対策をしっかりするべきだというところが、

過去の眼鏡店や眼科は盲点だったと言えます。

因みに斜位矯正は他のお店様でもしていらっしゃいました。

 

そして僕はタイトルにあるように、

斜位、老眼対策、アニサイクルレンズをハイブリッドで組み合わせて

メガネを仕立てる事に相談しながら決めたのです。

 

白内障の手術後に何が生じるのかを先回りして、伝えるのは難しいし、

今回のケースでも、

⑯右目の眼内レンズの設定をS-5.00にするという選択肢もありました。

⑰更に不等像視になるのを見越して、

両目同時にS-2.00に揃えるという選択肢もありました。

 

ですが、難しいのは、今回の視力測定では、

左目の自分の水晶体はそれ程濁っておらず、

矯正視力は1.5出ている状態なのです。

 

その状態で無理やり、使える水晶体を放棄して

人口レンズに変える事は確かに勿体無いとも感じます。

 

結果として、全てをお聞きした僕があとからあ~だこうだと言うのは

比較的容易いのですが、事前に何が生じて、それを伝えた上で、

トラブルが生じた場合にはどうするかを本来は説明するべきでした。

 

ところが、不等像視や老眼対策という意味での認識が

若しも、眼鏡屋さんや眼科医の先生が甘かったとしたら、

アニサイクルレンズや遠近両用レンズの提案は出来ないのですから、

その最悪な未来も予想できない事態になってしまい、

お医者様でもお手上げになってしまいます。

 

今日本ではアニサイクルレンズを仕立てられる眼鏡屋さんは

本当に少数派です。ですからなかなか不等像視を仮に見つけたとしても

その対策は提案出来ないケースが多いと思うのです。

 

このアニサイクルレンズの仕立て方も普及させなくてはな~

っと改めて思ったのです。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

 

 

 

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