アニサイクルレンズ、その後

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眼石祝応のBLOG

アニサイクルレンズ、その後

2021/10/05

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は77.2キロ。

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さて、今日は四年前にアニサイクルレンズと上下斜位の矯正を

入れてから、とても具合が良いと有難い言葉を頂戴したお客様のお話です。

 

いつもいつもレンズ交換したお話ばかりだと大丈夫かな?

って心配されてしまうかと

思って上手く行ったお話もしましょう。(苦笑)

 

そもそもこのお方は黄斑前膜(黄斑上膜)で

右目で捉えた画像と左で捉えた画像に

サイズ差が出てしまっていました。

 

そこでアニサイクルレンズの出番なのですが、

どうやらそれだけでご満足頂ける訳では決してありませんでした。

 

それが

 

①老眼であり老眼対策が必須である事。

②上下に大きくずれる上下斜位が発生していた事。

 

それに加えて

 

③アニサイクルレンズを仕立てる必要があったのです。

 

この

①+②+③は昔は組み合わせる事が出来ませんでした。

ですが近年は様々にチューニング出来るレンズが増えたので、

それが実現可能になったのです。

 

特に最近僕が推しているアニサイクル用レンズは

SEIKOのインテグラルシリーズ、これがアニサイクルにも

グラシアスのお家芸プリズム処方にも

バッチリなスペックなのです。

 

ではアニサイクルレンズに向いているレンズの機能とは

そもそも何なのでしょう?

 

今回は遠近両用レンズでアニサイクルレンズにした時に

僕が求めるスペックはというお題目でお話致します。

 

①屈折率が豊富にある事、特にCR-39という1.50の

屈折率でUV400が練りこみで組み込まれている素材が望ましいです。

UVカットを表面のコーティングの様な形で施す形式があるのですが、

どうしても、それは黄ばみが発生します。アニサイクルレンズは

屈折率を変えて組み込み、高屈折率になればなるほどにブルーイングと

言いますが、ほんの少し青を混ぜ込み、青みがかったレンズになります。

黄ばむレンズよりも青っぽいレンズの方が高級感があるからです。

ですから、CR-39で黄ばんでしまうと他のレンズとの色の違いが

際立ってしまうのです。

②プリズムの製作範囲を広げて欲しいのです。

NIKONのロハスシリーズもインテグラルが発売される前であれば、

アニサイクルレンズとってはベターな選択でしたが、

今ではインテグラルの方が使い勝手が良いのです。

それはNIKONはプリズムの製作範囲が3△(プリズム)まで

インテグラルは5△まで製作範囲が広いからです。

今後の課題としては、5.25△以上でも問い合わせれば作れる体制を

整えて頂ければもっと良いと思います。

③カーブ指定が出来る事、これはハイカーブと言って屈曲率を

高く指定するだけでなく、片目はハイカーブ、片目はフラットに

近づけるというアニサイクルレンズの特性がありますから、

ハイカーブにもフラットにも指定が出来るのが理想です。

④中心厚指定の指定幅が広い事。これはセミフィニッシュ品と言いますが、

ある程度の形まで、成型している状態からレンズは削り出しますが、

その時には様々な度に対応出来るようにある程度余裕のある厚みで作ります。

この余裕を多くとれば、その分原材料費がかさみますし、薄いセミフィニッシュレンズで

あれば、色々な意味での製作範囲が狭まる事を意味しています。

例えば近視の度数一つとっても、余裕を見ていた方が強度の近視でも

対応出来るようになるのです。そして中心厚も指定して、普通の眼鏡では

考えられないような厚みを僕らは指定します。この余裕はそのまま原価になりますから、

レンズメーカーは、その余裕のあるレンズを作っても、いくらで売れるか?

それを考えるのです。ですから僕は安く作ってくれとは死んでも言わんです。

価格よりも、製作範囲を広げてくれ、それで多少高くとも全然問題ないと

要望を伝えています。

 

皆様も​​​​​とかく、少しでも安くを追求する時代に

価格って何?物の値段って何?そしてお金って?経済って?

って少しでも考えてくだされば本当に有難いと思います。

 

僕らは手間暇を掛けて眼鏡を一本仕立てます。

そして原価に利益を乗せて販売しています。

それをもっと安くって、そのしわ寄せはきっとお店から、

問屋、問屋からメーカー、メーカーから原材料屋さん。

全てしわが寄るように、誰かの生活を圧迫します。

 

だから僕は仕入れる時に値引き交渉をしません。

その代わり他の相場よりも高く販売させて頂いています。

ただ高く売るだけでは、ご満足頂けないので、

僕は圧倒的な差別化をしようと、手間暇掛ければ、

クオリティが上がるという事は取り合えず一端はやってみます。

 

そしてお客様の反応を見て、いけると思えば採用する。

この繰り返しの17年間だったと言えます。

そしてある意味その集大成がこのアニサイクルレンズだった気がします。

全てを複合的に網羅して、全てを高度に機能させる。

 

それがこのアニサイクルレンズを用いた眼鏡には求められるのです。

それこそフィッティング一つとってもアニサイクルレンズには

高い調整力が求められるのです。

 

アニサイクルレンズ用のフレームに関しても実は

適性があり、求める機能がありますが、

それを書き出すとまた一日掛かりそうですから、

それはまた後日。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。


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