内斜視、四年間の経過

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眼石祝応のBLOG

内斜視、四年間の経過

2021/11/25

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は測定し忘れ!

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は812人。

 

石の上にも三年とは言いますが、

この地道な動画製作活動がいつか実を結び、

チャンネル登録者数が1000人を超える日が

来るのでしょうか?それとも途中で挫折するのでしょうか?

 

でも、岡田斗司夫さんが、動画内で言っていた

動画資本論という理屈からすれば、

若しも、途中で挫折したとしても、

その動画が僕の代わりに営業を掛けてくれる。

 

決して無駄ではないと僕は思っています。

最近始めたTwitterにしても、なんですが、

やはり継続は力なりですね。

 

さて続けて、何度も顧客の目を見続ける事は、

それこそ無駄ではなく、経過を観察し、

ある期間の変動傾向を見ながら、

 

未来を予測する

 

という作業が眼鏡屋としては求められます。

そういえば、Twitterで最近メッセージのやり取りをした

一般の眼鏡ユーザーの方も多様な働き先が欲しいし、

多様な眼鏡屋さんが増えて、選択肢が増えて欲しい

というような事を仰っていました。

 

今の日本の眼鏡業界のトレンドは

 

あくまでも、

 

①低価格化=雑貨化

②ファッションアイテム化=これまた雑貨化

 

という二大トレンドが席巻しています。

メガネは医療器具であるという認知はある人でも、

結果的に雑貨感覚で仕立てている眼鏡屋が

日本のシェアの大勢を占めています。

 

多くの方がどこで作っても一緒でしょ?

っと大手の掛けた魔法に魅せられてしまっているのが今の日本でしょう。

 

でも今日ご紹介する事例は、少なくとも、大手でも最適解へ導ける方は

殆どいらっしゃらないと思う、少しだけ難解な事例です。

 

今回は、強度の近視と、目が内側に入る内斜視のお方でした。

最初にご縁を頂いたのは4年前、その当時の話した内容は

カルテに記載されていたので、どんな状況だったかご紹介しますね。

 

(以下カルテより転載)

5年程前(2017年当時より)から視界にダブりを感じ、エスカレーターも怖い程。

眼科や眼鏡店に複数行ったが納得いく眼鏡は仕上がらなかった。ダブりが辛いので、

片目をつむってPC作業をしていた。

 

ではどんな斜視だったのでしょう?

先ず前提条件として、このお方が眼科に掛かっているという事が大切でした。

そこで、脳の疾患の可能性をつぶしておいて欲しいし、その上で

メガネを作製するステップに進みたいのです。

 

今回は、眼科にしっかり相談に行っていらしたので、

その他の病気を疑う心配はありませんでした。

斜視角は僕のカルテでは遠くで26△(プリズム)くらいの斜視。

それが今回は20△くらいの斜視に斜視角は減少していました。

 

これは両眼視を始めたことにより、目を外に広げる癖がついた為に、

斜視角が減ったという見方と、近視量が減少したことによる効果。

更にその二つの合わせ技で斜視角が減少したことが推測としては言えますが、

 

そもそもなぜ斜視が9年前に発生したのかの原因の特定がされていないので、

何故斜視が増えたり、減ったりするのか、そのメカニズムはまだ未解明だと言えます。

 

ただし、セオリーとしては、

 

近視が減れば、内斜視の斜視角は減少。

近視が減れば、外斜視の斜視角は増大。

 

なんてセオリーがあります。

 

因みに、

 

遠視の場合はどうなのでしょう?

 

遠視が減れば、内斜視の斜視角は減少

遠視が減れば、外斜視の斜視角は増大

 

となります。ここまで書いたら、

増えたパターンでも説明しないと気持ち悪いですよね?

 

近視が増えれば、内斜視の斜視角は増大

近視が増えれば、外斜視の斜視角は減少

遠視が増えれば、内斜視の斜視角は増大

遠視が増えれば、外斜視の斜視角は減少

 

この様に

 

遠視と近視で逆へ

外斜視と内斜視で逆へ

 

斜視角は動くと僕は言っています。

今回は、近視量が若干減少したので、

斜視角も減りますし、

 

そもそも、より目の力強すぎてしまっている状態が、

52歳~56歳への四年間を経て、より目の力が昔程には

強くなくなり、斜視角が減少した。

 

つまり「合わせ技説」が濃厚だと僕は思っています。

 

僕がこの業界に入ってきたとき、

なんてこの業界はお客様の事を考えていないんだ。

なんで、みんな自分や会社の成績ばかり見ていたり、

上司の顔色ばかり窺っているのだろう?

 

とこの業界を不思議に思いました。

 

そんな業界外参入組の僕から見ると

大手には出来なくて、中小にしかできない事って

本当に沢山あります。今回の斜視矯正もまさにそういった事例です。

 

大手どころか、眼科でもお手上げだったのです。

問題は、ここまで来るのには積み重ねが必要だという事です。

誰にでも出来るとは思います。

だって業界外参入の新参者の僕でもできたのだから。

 

でも、誰もが最初から簡単に出来るような物になっていません。

そこに中小零細企業の存在意義と価値があるのです。

 

僕のお店ではコロナ前までは全国の眼鏡屋さんが集まって

勉強会を開催していました。ある大手に勤めていた女の子が、

僕の検査のやり方を感動してくれて、わざわざ企画書を

書いてその視力測定法を採用したいと稟議に上げてくれました。

 

上司の回答は「いいよ、10分で全てが終わるなら。」

 

…。

 

この回答が全てで、これが大手の限界なのです。

彼女が絶句したシーンがまざまざと浮かびます。

 

勿論会社によっては、15分、20分と掛けられる会社はあるでしょう。

でも、これを全てのお客様に1時間掛けられるお店って、

大手の量販店にはないと予想します。

※すべての眼鏡屋さんを僕は知っている訳ではないので敢えて予想と書きます。

 

その女の子は絶望して、他の業種に移ってしまいました。

この女の子は象徴的で、苦い思い出として鮮明に僕の記憶に残っていますが、

ほかにも大手に勤めている若手の眼鏡士で志の高い子たちは、

 

その意識が高ければ高いほどに

実は苦しんでいます。だってもっと腕をふるいたいし、

お客様の力になりたいと彼ら(彼女ら)は望んでいるのです。

 

でも一人のお客様に掛けられる時間は

販売単価に比例して

長く設定できます。

 

ですから、

単価が安ければ

当然掛けられる時間も

限定的になるのです。

 

若しも僕がこの単価数千円の会社に今入社したら?

僕は企画書で、まるっきり別の業態を作る事を上司に提言します。

志が高く、勉強熱心で、技術ももっている方の出世先、いわば栄転コースを

作ってあげるのです。今は意識の高い子ほど、ある一定のところで

この会社に出世コースはないと低迷する自らの給料に絶望し、

他の業種に移籍しているのです。

 

これが業界の損失なだけでなく、

拠り所となれる人材の流出は、

皆様国民にとっても大きな痛手だと僕は思っているのです。

 

本当は僕がその方々の受け皿になれたら?

何度も何度もシミュレーションをしました。

 

でも僕にはその青写真が描けないのです。

一人の職人を育てるのに膨大な時間を掛けて、

その社員の成長するスピードに合わせて

ゆっくりと成長していく会社。

 

それをやっていれば、あっという間に僕の寿命が尽きてしまいます。

例えばイワキメガネさんなんてのは、それを本当にうまくつなげて、

会社を維持出来ています。

 

眼鏡屋さんて一生涯掛けて精進して、

お客様に尽くす価値のある業界です。

 

でも今は、消耗品の様に人は入れ替わり、

そして誰でも眼鏡の形をした雑貨を

誰もが仕立てられるお店が今の日本の主流なのです。

 

ここで本当に問いたいです。

皆さん本当に今のままで良いのですか?

 

メガネは雑貨ですか?

医療器具ですか?

 

若しも多数が雑貨だと答えるのであれば、

僕は何も言うことはありません。

ですが先日のTwitterでのアンケートの様に、

 

医療器具であり、ファッションアイテムである。

 

と回答した方が僕の周りでは8割でした。

 

ですが現実は医療器具であると自覚して

しっかり仕立てるお店は業界の中でも2割しかシェアを

とっていません。これが現実かもしれません。

 

でも僕は諦めたくないのです。

皆さん知らず知らずのうちに

損をしています。それをひっくり返して

僕は眼鏡で皆様の笑顔を一つでも増やしたい。

 

それが僕の思いなんです。

変な男だとは思いますが、

どうかこのblogをご覧になっている皆様には

僕の思いをお伝えしたいと思ったのです。

 

最後に今回のお客様のお言葉で締めたいと思います。

 

「この眼鏡のお蔭で暮らしが

   ガラッと変わって助かった。」

 

このお言葉を頂く為に頑張っているので

眼鏡屋冥利に尽きる瞬間です。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

 

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