片目だけ眼内レンズ、遠近両用レンズはどうする?

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眼石祝応のBLOG

片目だけ眼内レンズ、遠近両用レンズはどうする?

2022/01/15

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は77.3キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は873人。

 

なんか、チャンネル登録者数が増え始めた。

特に更新頻度を上げている訳ではないのに。

不思議…。

 

さて今朝いらした方は、結構特殊な事例でした。

40代後半で右目が強い近視でコンタクトで近視矯正。

左目は眼内レンズを入れて過矯正気味の遠視眼。

 

コンタクトを入れた状態で測定します。

右目はコンタクトを入れないとS-14.00程度の超強度の近視。

左目が今となっては遠視になってしまっているので、

この左右の度数差は厳しい。その為コンタクトで矯正という答えなのでしょう。

 

では実際にその状態でレフケラを見てみるとどうなるのでしょう?

屈折   SPH CYL AX ADD PD 片眼視力 両眼視力
他覚RCL R -0.25 -0.75 109   33.00 1.00 1.00
L 1.00 -0.50 90   33.00 0.90
R瞳孔径 5㍉ 角膜乱視 -1.50 64 夜間矯正視力 BE0.9 夜間近視 追加加算
L瞳孔径 4㍉ -0.25 148 R0.8 L0.9 S-0.25加算

こんな状態でもこれからひと手間を掛けてRTM式眼鏡調整法で見ていきます。

両眼解放 R 0.75 -0.75 110   66.0 1.0 1.2
L 1.75 -0.50 90   1.2

右目も若干の遠視気味、この場合はコンタクトが過矯正だとジャッジしますが、

乱視が生じているのでトータルで考えればまずまず、それ程ずれているとは言い難い状況です。

 

左目が深刻でしっかりと遠視だと測定されました。

本来は若干近視よりに眼内レンズで調整してくれれば良いのにと思います。

その根拠は、

 

①遠視になってしまうとどこにも焦点が合わなくなってしまうから。

②近視気味に調整しておけば、少なくとも近くは眼内レンズが入っても見えるから。

③近視気味に調整しておけば、第二次変動期で近視量が減少しても、

悪くとも正視程度にとどまるから。

 

この三つが僕の眼内レンズを若干近視気味に調整しておく意味です。

若しも僕が眼内レンズを入れるとしたら、

S-2.00程度に設定しておくと思います。

 

これで加齢と共に近視が減少していけば、

段々と遠くが見える状態に変化していきます。

 

この計算には何らかの理由で僕のが眼内レンズを入れなくてはいけなくなったとして、

そもそも僕に残された時間はどの程度なのか?という事を考える必要があります。

 

例えば、70歳で眼内レンズを入れようと検討したとします。

すると2年に一段階程度近視が減少しますから、

S-2.00という貯金がなくなるまでに、2÷0.25×2=16年だと換算します。

つまり86歳で眼内レンズで逃げた近視が消化されるという計算です。

 

これでほぼほぼ平均寿命ちょいですから、

これなら逃げきれますよね。

 

ところが人生100年時代になるとそうはいかなくなり、

僕が若しも100年生きられたら、

僕は80歳以降は遠視眼のまま過ごす事になります。

 

それならばS-4.00に設定すればいいじゃない、

って思うかもしれませんが、S-4.00は実は極端に手元に寄せないと

近くも見えないので、これはこれで面倒な気もします。

遠くは勿論裸眼では全然見えません。

 

なので僕的にはS-2.00程度がいいかな?っと思っています。

また話がそれました。今回は左目が眼内レンズ、

その為右目には残っているピントの調節機能が失われた状態です。

 

では遠近両用レンズにすればいいじゃない。

はい、その通り。

 

ところが、この

 

右目は自前の生まれ持った初期の老眼の水晶体。

 

左目が人工的な眼内レンズ。

 

この場合にはピントの調節量に左右差が生じます。

例えば、今回の事例ではこんな度数設定になっていました。

暫定度数 R 1.25 -0.75 110 1.50   1.0 0.9
L 2.25 -0.50 90 2.00   1.2

遠くの度数に+0.50加えて視力を0.9まで落としています。

これにより、デスクトップパソコンの距離でも合うように調整しました。

そして手元に合わせて度数を変化させますが、

それを加入度と言います。

 

その加入度に左右差をつけたのです。

 

右目:+1.50

左目:+2.00

 

これに遠用に+0.50を加えたので実質的な

加入度は以下の通りです。

 

右目:+2.00

左目:+2.50

 

ここまで加入しておけば左目も40センチ程度まで寄れるので、

右目と合わせて両眼視が可能になると予想しました。

 

今後はまた難しくなります。

 

右目の近視S-14.00を僕の理屈で

S-2.00にしたとします。

まだお若いのでS-2.00は50歳をスタートとしても

66歳で貯金を使い果たします。

 

更に言えば、そもそもが左目が遠視なので、

遠視矯正をの度を入れると左右の度数差が開く事を意味しているのです。

この度数差を不同視と言います。

 

不同視状態を作ってしまうと、

程度によっては左右の大きさが違って見える

不等像視という状態も人為的かつ後天的に発生するのです。

 

これはこれで両眼視を阻害します。

ですから、今回のケースは泣く泣くですが、

正視眼程度にとどめた方が理想的だと言えます。

 

この様に人の目の状態は様々でついついケースバイケースで

逃げたくなりますが、一方最低限の方法論はあると思うのです。

 

それでは加齢に伴う変化、

それについてしっかりとした専門的な知識で頼れるお店が

年々減少していっていますが、

少なくとも僕らは皆様のより所としてしっかり機能したいと思いますので

どうぞ皆様宜しくお願い致します。

 

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MORE~快適眼鏡研究会

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

 

 

 

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