ハイカーブ遠近両用レンズ

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眼石祝応のBLOG

ハイカーブ遠近両用レンズ

2022/02/12

本日のblogの難易度【★★★】

今朝の体重は78.1キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は919人。

 

昨日いらしたお方は、手打ちうどん屋さんを経営されていて、

自分でうどんをうつにしても体が動くので、

何しろずれない眼鏡が欲しいと仰っていました。

 

そして元スポーツ選手だったそうなので、

スポーティーなフレームをお探しでした。

 

パッと

 

ずれないサングラス

 

スポーティー

 

なんてWordで思い浮かぶフレームは

 

Slastik

カーブフレームなんですけど、後ろが樹脂のワイヤー状になっていて、

更にその長さが調節できるので、しっかり定位置に留める事が可能です。

そのフレームに関しても動画でご紹介しているので、

是非ご覧になってみて下さい。

 

 

このスラスティックで度付きにするのには、

モデルによっては多少難易度が高まります。

 

今回は遠視の度数で、

更に遠近両用レンズで更に

そのレンズがハイカーブだったからです。

 

スポーティーなフレームの多く、

サングラスはと言っても良いのですが、

普通の眼鏡に比べてレンズの湾曲具合が強いケースが多く、

今回も6カーブというレンズが入っていましたし、

それに合わせてフレームも6カーブで設計されていました。

 

さて、カーブについて言及すれば、

カーブレンズやフレームに関して常についてまわる。

 

〇カーブという数値、

1.2.3.4.5.6.7.8

多くのケースで1~8に類別されていて、

更に言えば、本当は4.75カーブとかもあるのですが、

0.25カーブ程度のずれは誤差の範囲と僕らは捉えます。

 

5カーブのフレームに4.75のレンズでも5.25のレンズでも

その程度の誤差であれば綺麗にはまりますよと言っているのです。

 

では普通のレンズで遠視の度数で発注すれば、

どのくらいのカーブで来るのでしょう?

 

実はこれが千差万別です。

 

メーカーによっても違いますし、

 

そもそもの遠視の度数によっても変わります。

 

もっと言えば、度数に応じた

適正なカーブがあるとご理解ください。

 

近視で言えば、強度になれば成程に

レンズカーブはフラット化します。

 

遠視でも同様に度数に応じて適正なカーブを

光学博士の類の方が計算して、カーブを決定しています。

 

僕はそもそも数字、

数学が苦手ですから、

ソフトに頼ります。

 

某メーカーが開発した計算ソフトを駆使して

適正なカーブを決定しているのです。

 

カーブと眼鏡って実はすごい深い関係で、

日本では、レンズカーブとフレームカーブを

一致させて美観をよくするに留まっている方が多数ですが、

 

グラシアスでは、レンズカーブと目的距離を把握してから、

レンズを仕立てるようにしています。実はこれは日本では

まだごくごく少数の考え方で、日本では知られていないと言えます。

 

今回はその目的距離にレンズカーブを選択する余地なく、

フレームカーブに合わせないとレンズがはまりません。

勿論こういった場合もあるし、そもそもレンズのカーブを変えても

綺麗にはまるフレームの方が少数だと言えます。

 

かなり横道にそれました。

 

今回難易度が高いと感じたのは、

遠近両用レンズで6カーブである事。

それともう一つ

 

レンズの径が大きすぎて、そのままではレンズが削れない事。

従って、レンズの端を削ってサイズを適正化する必要があります。

それを写真で簡単にご説明してみますね。

 

 

今レイアウトを写真でお見せしていますが、

右と左でレンズの形を変えました。

何故変えたのでしょう?

それは変えないと度付きで

遠近両用レンズが作れないからです。

 

これをひっくり返して重ねて

どの様に形が変わったかお見せします。

この写真で言えば上部、ここを削って

レンズの径が足りない分を調整してあります。

 

足りないって文書で書いても伝わらないと思うので、

写真でご紹介します。

 

先ずは大きいレンズだとこうなるという

レイアウトからご紹介します。

レンズの端が下の丸いレンズからはみ出ていますね。

この部分が足りないので、あのまま度付きが対応できないのです。

 

それをこう変えたのです。

これだと下のレンズの中に収まっていますよね。

サングラスの場合には度無であれば、

それはしっかり目を覆う、つまりレンズは

大きい方が目を隠してくれます。

 

一方度付きになると

大きすぎても収差と言って

視界の歪みを感じやすくなったり、

 

時に今回の様に、

レンズの大きさが足りないなんて

事態も生ずるのです。

 

でもお任せください。

全ての事例に対応できる訳ではないのですが、

こうしてひと手間加えれば、

レンズのカーブにも、レンズの大きさにも

対応できるのです。

 

今回はNIKONとSEIKOのカーブを比較して

SEIKOの方が見え心地が良いと言われて

インテグラルNSというシリーズを6カーブ指定して発注いたしました。

 

つくづく眼鏡というのは、

フレームだけでも、

レンズだけでも駄目で。

 

仕立てる人の経験や

技術が大切なのだなと感じる一幕でした。

 

皆様も眼鏡を誰に仕立てて貰うか、

ちょっとでも良いので考えてみて欲しいなと

思い、今日のblog記事にしました。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

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