視力は良いけど立体視が苦手

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視力は良いけど立体視が苦手

2022/06/07

本日のブログの難易度【★★★★★】

今朝の体重は多分痩せてる…。

今朝のyoutubeのチャンネル登録者数は1070人。

 

さて、先日いらした方は今度自動車の中型免許を取得したいのだけれど、

立体視の検査が苦手で…。っというご相談内容でした。

 

50代で裸眼視力も含めたレフケラの値は

他覚 R 0.00 -0.50 177   31.50 0.90 1.00
L 0.25 -0.50 120   31.50 0.70
R瞳孔径 7㍉ 角膜乱視 -0.75 164 夜間矯正視力 BE1.0 夜間近視 追加加算
L瞳孔径 7㍉ 0.00 0 R0.9 L0.9 変化無

と視力に関しては問題ないようです。この時点で左目の遠視が少し気になります。

だいたいレフケラで軽く遠視が出ていると実際に測定すると、更に強めに遠視が出る傾向が強いからです。

では実際に視力測定屈折検査をしてみます。

両眼解放 R 0.00 -0.50 177   63.0 0.8 1.2
L 0.50 -1.00 120   1.2

とやはり、右目は少し遠視が更に隠れていました。

 

遠視は多くのケースで潜伏します。

 

これは常識として是非持って頂きたい知識です。

多少の潜伏している遠視は視力に影響を大きく与えません。

では視力に影響を与えないから、イコール良い目なのでしょうか?

 

これを僕は間違いだと断じています。

 

今回のご相談者の様に視力に難がなくとも、

物を立体的に見るという点において

目が上手に機能していないという事が

充分にあり得ると思って下さい。

 

更に今回は、左目に少し強めの乱視もみつけました。

乱視があるのに未矯正にしているとそれはそれで問題ありだと

いうレポートが僕の母校のキクチ眼鏡専門学校の先生よりだされていました。

 

乱視も目の両眼視機能に影響を与えるという事です。

ですからこの50代の男性は自分は目が良いと思っていたかもしれませんが、

実は問題山積みだったのです。

 

更に今回は、斜位もあり、悪戯していました。

遠くを見る時に3△(プリズム)

近くを見る時に9△の斜位量でした。

 

僕が以前に教わった先輩は

「伊藤君、4△以内ならプリズム処方なんて不要だよ。」

っと断言していました。

 

当時の僕は「へ~そうなんですね~。」

という感想でしたが、今の僕は真っ向から反論します。

 

斜位量の大小「だけ」で問題の有無をジャッジするのはナンセンス。

実際には、斜位量と筋肉量、更に目に課する運動量に応じて

プリズムの必要性は変化する。

 

これが今の僕の見解です。

 

ですから、斜位の量が少なくとも筋肉が上手く働かなければプリズム必要有。

斜位量が大きくとも、目がしっかり動いていれば、プリズム必要無。

斜位量が少なく、目が良く動いていてもパソコンを10h以上もするような

ケースではプリズムの必要性が増します。

 

また近視が強くなればプリズムの必要性は軽減し、

遠視が増大すればプリズムの必要性も増します。

 

この様に度数要因も交えて複合的に判断する必要があります。

 

まとめると

①斜位量

②筋肉の状況(正確に言うとそこに神経も絡んできます。)

一例を挙げればより目が苦手であればプリズムの必要性が増します。

③目に課する運動量(距離×時間)

距離=近づけば近づく程に負荷が高まります。

時間=長くなればなるほどに負荷が高まります。

④度数要因

 

 

の四つのファクターがプリズムの必要性に関与してくると

ご理解ください。では今回のケースはほぼほぼ正視で

弱い遠視と弱い乱視がある状態、

 

この状態では遠視とジャッジすればプリズムの必要性は増しますし、

弱い近視(近視性乱視)として考えても弱い近視とジャッジすれば、

プリズムの必要性は増します。

 

今回は、

 

①の斜位量は少なく、プリズムの必要性は少なく、

②の筋肉の状況としてはより目が苦手だったので必要性が増します

③目に課する運動量としてはパソコンや手元作業を

長時間する訳ではないそうなので、必要性は少なく。

④度数要因としては、どちらもプリズムを欲しがる目だと言えます。

 

①〇

②×

③〇

④×

 

と別れましたが、今回はより目が苦手というのが決定的でしたので、

プリズムを結果的には組み込み度数決定しました。

 

実際には

 

遠見眼位の3△目一杯で

右目にベースイン2.00△

左目にベースイン1.00△

 

左目が利き目だったので、右目に中心にプリズムを入れました。

今日はちょっと難しいお話でしたが、いかがでしょうか?

ご参考までに言っておくと今の日本の眼鏡業界は

眼鏡という商材が雑貨化したので、

眼鏡に対して専門的にアプローチできる人が年々減少し、

量販店が主流のマーケットになりました。

 

こんな状況下ではプリズムを眼鏡に組み込む必要性云々を

測定結果から読み取りプリズムを入れている人は

大袈裟に言えば、皆無。ほぼほぼプリズム度数を入れるなんて事は、

斜視の人限定なんてのが相場ですから、僕が言っていることは、

 

あくまでも非主流派のぼやきみたいな物だとご理解下さい。

これに対して反論を沢山受けてきていますし、

(最近はそういう反論が来なくなったな~。

誰も構ってくれなくなったのかしら、

それはそれで寂しい。)

 

な、なにしろ僕が言っている事は

非常識ですから、僕の言っている事を

鵜呑みにするのは禁物ですよ。

ってことをお伝えしたかったのです。

 

何しろ今回の処方で深視力系で

何度か測定しましたが、ご本人の自覚としても、

見やすいと感じて頂けたようです。

 

慣れたらもっと精度も上がるでしょう。

 

いかがですか?

視力が良いから良い目だ。

これが間違った知識。

 

視力が良くても立体視に難があったり

目が不健全な人はいくらでもいる。

これが正しい知識なのです。

 

それではまたこのブログでお会いしましょう。

 

 

 

 

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