プリズムメガネでも疲れる
2020/11/03
本日のblogの難易度【★★★★】
今朝の体重は75.4キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は349人。
さざ波の様な変動値。
さて今日ご紹介する事例は
他店でプリズムメガネを作ったが、
それでも疲れるし、特に遠くは問題が無いが、
パソコン作業では時にダブりも感じる。
そういった主訴でご来店頂きました。
せっかく少数派であるプリズムメガネを作ってくれる
お店とご縁があったのに、それでも駄目だったなんて…。
気を取り直して、一から見ていくと、寄り眼の力が甘い事が分かりました。
また、遠くを見る時のプリズム度数と近くを見る時のプリズム度数を
使い分けする必要があると思いました。
ここで一つ皆様にも知識として
もっておいて欲しいのですが、
近視で外斜位の場合に、
遠くの斜位量と近くの斜位量、同じ被験者を同じ眼鏡士が、
同じ視標を用いて測定するとどんな結果になる事が多いのでしょう?
以下の設問からご回答ください。
①遠くも近くも斜位量は同じ。
②遠くは斜位量は少なく、近くは斜位量が増える。
③遠くは斜位量が大きく、近くは斜位量が減る。
…
…
答えは
②が正解、勿論レアケースはありますが、
おおかたこのパターンになります。
では遠くと近くの斜位量はどの程度変化するのが
平均値でしょう?
それは
4△(プリズム)~6△増える。
これが平均値になります。
例えば内斜位になると今度は
③が平均的なパターンです。
ですから内斜視でのご相談で圧倒的に多いのは、
遠くでダブルけど、近くは問題無い。
外斜視では近くがダブりやすく、遠くがダブりにくい。
これが良くあるパターンです。
ですから今回もまさにその近視+外斜位の王道的なパターンです。
つまり今回は近く用にプリズム度数を変えて提案する必要性を感じたのです。
また、今回はプリズムの度は強め、近視の度は弱めています。
これは近くを長時間見続ける事務系の仕事である事を考慮して焦点距離を
調整してあり、ピント合わせの力を助けます。
これでPC用としては万全でしょうか?
いいえ、今回は更に眩しさ対策として、薄いイエローカラーレンズと
ブルーライトカットのコーティングと合わせて提案しました。
※イエローが万人に合う訳では決してなく、何色を快適と感じるかは
個人差がありますので、カラーレンズを選ぶ場合には、どの色を見やすいと
感じるか、実際に体感して頂きます。
僕はこれらをPC用メガネの三本の矢だと定義しています。
それも以下の箇条書きにしますね。
④寄り眼を助けるプリズム度数
⑤ピントの調節を助ける焦点距離の調整
⑥眩しく乱反射する事を考慮してカラーレンズ、更にご予算に余裕があれば、
ブルーライトカットのコーティングを併せて使用すると相乗効果が期待できます。
従って、度無のブルーライトカットレンズに効果が無いとは言いませんが、
本当に困っている方にとっては焼け石に水な状態である事も想定する必要があるようです。
度無のブルーライトカットメガネを買ったけど、効果を感じない。
=だからブルーライトカットレンズなんて駄目だよ。
と結論づける方がいらっしゃいます。
でも僕に言わせれば
上で述べた④~⑥をしっかりやって初めてシナジーがあるのですから、
ブルーライトカットレンズは駄目だという結論付けは少し気が早いと感じます。
年々デジタルデバイスの依存度は増していきますし、
NIKONの言葉を借りればテクノストレスが年々増加の一途だと言えます。
どうか皆様の職場の環境がPCを長時間見ざるを得ない状況であれば、
ご自身に投資するという意味で、しっかり調整された眼鏡を作ってみては
いかがでしょうか?きっと驚かれると思いますよ。
それではまたこのblogでお会いしましょう。