遠近と中近の間の妥協点
2021/04/11
本日のblogの難易度【★★★★★】
今朝の体重は75.6キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は556人。
昨日いらした方は前回の視力測定が
2012年ですから、おおよそ9年振りの検査になりました。
九年前(51歳時)の完全矯正値は以下の通りです。
両眼解放 | R | -4.00 | -0.25 | 20 | +2.25(40) | 0.8 | |
L | -3.75 | -0.75 | 60 | +2.25(40) | 1.0 |
そして作成した眼鏡は以下の通りです。
旧度 | R | -3.50 | -0.25 | 20 | +2.25(40) | 0.8 | |
L | -3.00 | -0.75 | 60 | +2.25(40) | 1.0 |
そして昨日ご来店頂いた時のご相談内容は、近くが見えないという相談内容でした。
早速視力測定をしてみますね。
両眼解放 | R | -2.25 | -1.00 | 65 | 65.0 | 1.0 | 1.2 | |
L | -2.50 | -1.25 | 70 | 1.0 |
この9年間で大きく変動しています。
近視が大幅に減少し、
乱視が多少増えた。
つまり前の眼鏡は過矯正の近視眼鏡になっていました。
過矯正の近視眼鏡は、近視を通り越して遠視状態を疑似的に作り出します。
遠視状態では遠くも近くも、必要以上にピントの調節を求めます。
ですが、50代と言えば、近視進行が一気に進む御年齢。
ピントの調節能力の衰えを老眼といいます。
当然老眼時に近視の過矯正は百害あって一利なしと言えるでしょう。
ここで問題があります。いくら近視を下げて適正にしたとしても、
そのピントは無限遠に焦点があっています。
でもこのお方の仕事の環境は
デスクトップパソコンで一日7h程度はPCとにらめっこをするそうです。
いくら適性な度数に弱めたとしても無限遠から、おおよそ55㎝のモニターを
注視するのには、近視が強すぎるのです。
そこで僕は、
①遠くは見えなくてもデスクワークが快適なメガネと、
②遠くは見えても、デスクワークが不快なメガネ。
更に③遠くはそこそこ、近くもそこそこ。
この①~③までやり方はありますが、どれが良いですか?
と投げかけたのです。結論としては、③に決まりました。
皆様だったらどれを選びますか?
これの正解は一つではなく、ある人にとっては①が正解、
ある人にとっては②が正解なんて事もあるのです。
その答えはお客様のワークスタイルや性格的にどこが快適だと
ストレスが少ないか、等など。千差万別です。
問題はこの①~③を決められない場合がこちらとしても
困ります。僕らはプロですが、プロとしてアドヴァイスするにしても、
お客様の一日の暮らしを全て覗き見ている訳でもありませんから、
正確に暮らしぶり、働くさまを理解している訳ではないからです。
そして、遠方の視力、近方の視力、
そのどちらも捨てなくないという妥協点に
③のご選択が残っているのです。
例えば遠く重視なら遠近両用レンズ
近く重視なら中近両用や近々両用レンズ。
そして近年開発されたのが、この中間の度数設定のレンズ。
昨日は東海光学のレンズで決定しましたが、
東海光学の遠近両用レンズ:レゾナスX
東海光学の中近両用レンズ:レゾナスXプレッソ
東海光学の遠と中の間のレンズ:レゾナスXフィット
と三種類選べます。更に度数の微妙なチューニングで
更に細かい設定も選べますので、単純に三択だけでなく、
そこから更に無数の組み合わせが生まれます。
この最適解にお客様を導く為には、僕らの知識が足りていることと、
お客様が丸裸になる覚悟で、自らのライフスタイルをさらけ出す必要があります。
その上で僕らもアドヴァイス出来るのですし、
このヒアリングが肝で、時間を要するのです。
決して度数測定、近視の量云々だけで、
お客様の満足には辿り着かないのだと
誰より皆様が理解する必要があるのです。
メガネの満足は正確な視力測定から生まれるのではなく、
(注:正確な視力測定なんて、当たり前で誇るべきでもないっちゅう事。)
お客様個々の暮らしに合わせたチューニングにこそ、
作り手の妙があるのだとご理解くださいませ。
それではまたこのblogでお会いしましょう。