インスピレーションの奴隷
2021/04/24
本日のblogの難易度【★★】
今朝の体重は76.8キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は557人。
さてさて、いつもなら春の展示会で大わらわ、
仕込みに仕入れに追われるところですが、
今年はコロナ禍という事もあり、
新作発表も控え、日々のお店の業務に集中しています。
メガネを僕はデザインするのですが、
メガネは工業製品であり、医療器具でもあるのです。
一方、僕の接客のお師匠、影郎さんは、
カリスマデザイナーと自らを称し絵を描く様に
自らのメガネをデザインします。日本人でもこんな人がいたんだと
毎回驚かされます。ただし、影郎さんのデザインを僕が出来るかと言えば、
それは僕には出来ません。何故出来ないかも分かりませんが、
あんな線は僕には引けないって思ってしまっている自分がいます。
また僕のデザインのお師匠はTHEOのパトリックフートなのですが、
影郎さんは同じ日本人という事もあり、何に感化されて線を引いた
なんてお話を自ら発信していらっしゃるので僕は、なんとなく影郎さんの
デザイン過程をイメージ出来るのです。
ですが、パトリックフートに何が見えているのか?
想像も出来ません。所詮僕はパトリックフートの影響は受けても、
パトリックフートにも、勿論影郎さんにもなれないのです。
では、僕はどんな風に眼鏡をデザインするのでしょう?
それをパラメーターで示せば、
機能性:5
ファッション性:5
と医療器具としての機能性も妥協したくないし、
でも、ファッション性100%でデザインした眼鏡で
消費者に我慢を強いるのも嫌だ。そんな思いでいます。
更に細分化していくと
トレンド:5
独自性:5
僕はトレンドだけのデザインも嫌だし、
流行りに乗っかって
どこでも作っているデザインも嫌だと思っています。
一方マーケットから求められていない物を作り続ける事は
プロダクトデザイナーという観点からは失格だと思ってしまいます。
つまり僕は常に機能?ファッション?トレンド?独自性?
と舵をきり中道を歩もうと常にバランス取りをしていると言えます。
僕の好きな言葉で、
「デザインという作業はインスピレーションの奴隷だ。」
ってどなたかの仰った事がが好きで、僕は所詮、天から降ってくる。
インスピレーションに描かされている。それに抗うよりは、
それに任せた方が良いと感じています。
この間NHKスペシャルで見た日本画家、千住博さんは、
襖絵を描く時に塗料をたらし、重力に任せ偶然の産物が生み出す線を
何度も何度も塗り直しながら仕上げていきました。
皆様は偶然とインスピレーションとはまるで違う物のように感じるかもしれませんが、
僕はデザインをillustrator等のソフトは使わずに必ず手書きで描く様にしています。
それは手書きであるが故に、ピッとミスって暴れた線が最適解になる事が多々あるからです。
それは
偶然の産物であり、
更に
インスピレーションの奴隷
でもあるのでしょう。少なくとも僕がコントロール出来る範疇を超えて
勝手に何かが生まれていくのです。
そんな時、僕の思惑なんて本当にちっぽけだな~っと痛感します。
さて、そんな僕が描いたような、天からの贈り物の様な
そんなわが社が手掛けるアイウェアブランド「レチルド」
ですが、有難いことに、本日よりアイズふれあいさんという取扱店様で
トランクショーをしてくれる事になりました。
レチルドを既に知っている方も、そうではない方も
是非是非、一度アイズふれあいさんに足を運んで頂いて
そのデザインの妙をお楽しみください。