筋萎縮性側索硬化症(ALS)の目を見させて頂く
2021/05/23
本日のblogの難易度【★★★】
今朝の体重は75.3キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は582人。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、今日ご予約でいらした方はALSという病気を
4年前から患い、今では車椅子で暮らしているし、家ではベッドにいる時間が多いそうでした。
今日はヘルパーさん二人と一緒に車椅子でご来店されました。
僕は生まれつきの脳性麻痺の翼君が
この間電動車いすでいらした経験を無駄にしないよう、
車椅子と視力測定をする検査室のテーブルが干渉してしまう事に気づき、
テーブルレスな検査環境を費用を掛けて作りました。
このレイアウトであれば、車椅子の方がいらしても、
サッと検査環境が作れると意気込んでいたのです。
ところが、今回は前回の電動車いすより、さらに大きな車椅子で、
多少リクライニングしていないと首が安定しないケースでした。
とてもじゃないが、一人でご来店頂き、サッと定位置に収めることが難しいと感じました。
改革に終わりはありませんね。
とにもかくにも、そんな状況で、視力測定をしましたが、
それでも何とか度数を決定しました。
今回印象的だったのは、
ALSとは筋肉が萎縮する病気だとして、
目の筋肉に対してどんな影響を及ぼすのだろうと
経験を積んで、次のお客様に備えたいと思ったのですが、
結果を言えば、
眼を八方向に動かすことは、
上方に眼を動かす上方回線が若干苦手ですが、
それ以外は両眼の協調運動も出来ていました。
ただし、輻輳(寄り眼)が上手くいかず、
斜位量はプリズム換算で遠見が14△(プリズム)程度のずれ、
近見が20△程度のずれ、非常識な程のずれの量ではありません。
僕も間歇性外斜視ですが、寄り眼は5㎝程度までは寄れます。
遠見眼位は18△程度ですから、僕より遠くを見た時の
斜位量は少ないと言えます。
視力も裸眼視力で0.2
矯正視力で1.5まで矯正出来ました。
少なくとも眼鏡屋が視力測定をするのに、
支障をきたすような環境ではありません。
今後も経過は観察する必要があるにしても、
体の状態としては、ご自身で首の角度を維持することも困難な
状況で病状はかなり進行していると言えますが、
そんな状況でも目は問題なく生きていました。
生きていると言えば、のどを使った他者とのコンタクトは、
わずかにイエスの意味の「うん」だけでしたが
特殊な目の使い方で、それを読める人とは意思が疎通できるのです。
そのコミュニ―ケーション出来るヘルパーさん曰く、
スマフォでフリック入力をするイメージで、
①か行の母音が②うとしてすれば①と②を組み合わせて「く」と意思表示しますし、
それを読める人であれば、一文字ずつコミュニケーション出来ます。
さらにスゴイのはアイトラッキングというそうですが、
目線でノートパソコンに文字入力し、
いまだに現役で論文を作っているそうです。
体が不自由なのは、大変ですし、勿論ご苦労を察すると
相当にストレスフルだと思いますが、一方、ヘルパーさんとの会話や、
自身の生きがいともいえる、ライフワークを見つけて日々論文を書いていらっしゃる
その様に、僕はおおいな学びを感じたのです。
次郎よ、日々懸命に生きているか?
そんな言葉を投げかけられた気がします。
神様が世の中になのか、天上界なのかは知りませんが、
もしもどちらかにいらして、僕らに試練を与えるとするのなら、
その試練は必ず僕らでも乗り越えられる壁の高さに設定されるそうです。
今回のお客様の眼前に立ちはだかる壁は僕に言わせれば難攻不落ですが、
そんな壁をひょいと乗り越える逞しさも
今回のご縁でこのお客様から感じた次第です。
そして願わくば、僕に出来る事があるとするのなら、
僕はまともなメガネを多くの人が喜んで手に入れられる業界にしたいと思っているので、
その僕の取り組みがいつか実を結び、夢が叶う日が来るのだと信じて
日々取り組みたいなと切に思ったのです。
ま、業界の改革の前に、どなたがいらしてもどんとこい
って胸を張って言えるお店とお店の動線作りの方が先決ですね。
それではまたこのblogでお会いしましょう。