27歳、眼精疲労と老眼と

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【眼積祝応の今朝のtweet Vol-86】


数日前のポストです。


27歳、眼精疲労と老眼と:最近いらした27歳の男性は、何でも目が疲れると仰る。20代で眼精疲労は珍しくもなんともないし、目の疲労で御困りだなんて方は、それこそ10代でもいるし、年齢を問わずごまんといる。


原因はそれぞれだが、実は僕らではお役に立てずに単純にドライアイが原因なんて事も実は多く。眼科医の先生に診て貰って下さいね、なんてご紹介する事も実は多い。


でも今回は、少しだけ事情が違う。


先ずは裸眼視力から、
RV=0.80
LV=1.50 両眼=1.5


と左右差はあれども、視力には難が無い。


測定していくと遠視が隠れていて、更に乱視もいた。


完全矯正値は以下の通り。
RS+0.00 C-0.75 AX75
LS+0.25 C-0.75 AX110


両目共に矯正視力は1.5で良好だ。
ところがピントの調節の測定で事件が起こる。両目共に35㌢位まで視物を近づけるとぼやけると答えるのだ。


以下の図表にもある通り、35㌢と言えば40代中ほどのピントの調節能力しかない。一日パソコンを6時間程こなすのであれば、これでは辛いだろうと感じた。


そこでプラス度数を組み込み、以下の度数で作製した。いわば老眼鏡だと理解して欲しい。27歳でそんな眼鏡を僕は提案したのだ。


RS+0.75 C-0.75 AX75
LS+1.00 C-0.75 AX110


これで万全ではなく、眼位を測定すると
遠見の斜位量が5△(プリズム)外斜位。
近見の斜位量が9△の外斜位。


ここまでは異常でも何でもないが、輻輳(寄り眼)テストで事件が起こる。


寄り眼が10㌢程度までしかできないのだ。僕の基準では合格ラインが5.5㌢~8.5㌢。
そこで急遽プリズムベースインレンズの出番となる。
右眼に1.50△ 左目に2.00△のベースインを組み込み提案した。


これで少なくとも60㌢先のノートパソコン作業には耐えられると予想した。


ここから先が僕の疑問なのだが、
何故、ピントの調節がお若いのに出来ないのだろう?と疑問が生ずる。


単純に調節機能障害の様な物が何らかの理由で生じていると考えるのがセオリーだと思うが、調節機能障害や麻痺があると仮定して、このお方は眼科にも既に行っていて、そこでは病的な物が見つからなかったそうだ。


だとすると次に考えられるのは、
遠視の潜伏。


遠視が潜伏しているとすると、今回作ったメガネでは遠用視力が0.9しか出ていないと測定されたが、普通に考えれば遠視は隠れていないと考えるのがセオリー。


でも、この様な手元に合わせたメガネをいつの間にか常用していて、普段も気づけば使っているパターンが過去にもあった。


そしてこのお手元用メガネでも疲れるという主訴が生じた場合に、遠用視力を測定してみると1.5まで視力が出ている事がある。


ここで始めて、あ~遠視が潜伏していたんだなと腑に落ちる事がある。


ところが、ピントの調節筋が過緊張になり、その状態を長く続けると遠視が隠れてしまい、炙り出てこない事が多々ある。


これは緊張していた時間に比例して炙り出しにも時間が掛かる。


長期的な緊張
短期的な緊張


は分けて考えるべきなのだ。


実際に僕らは眼鏡を作る際に完全矯正値という物を測定し、結論には至らないまでも答えを出す。その際には常に「調節の介入」を考慮し、その影響をミニマムにする事に留意する。視力測定の歴史は、いわば調節の介入との闘いだったとも言える。


例えば、
近視であれば、強く入れても弱めに入れても遠用視力が変わらないのであれば、弱めの度数を測定値とする。


まとめれば最高視力で最弱度が答えという事になる。


一方、遠視の場合に調節の介入を考慮すれば、最高視力で最強度が完全矯正値になる。


ただし、ここで言えるのは
短期的な調節の介入で、特に遠視の炙り出し過程では、しばらくその眼鏡を使ってみないとどれだけ遠視が隠れているかは分からないというのが僕の本音なのだ。


今回の事例がどうなるのか?僕自身も興味深いのだが、一方、結論めいたことは一切言えない、手探りで決めた度数だとも言えるのだ。


つくづく人体のメカニズムは複雑で理解するには、豊富な知識と柔軟な発想力が求められると、常に現場にいると感じるのだ。(以上Xより転載終わり)


遠視用の眼鏡を作ると、適正な眼鏡をしている筈なのに、掛け始めは多くの方が遠くが見えない、ぼやけると感じる。近視用メガネで、一番強く眼鏡を作れば、それはそれは遠くはスッキリ見えると殆どの方が答えるのに、遠視の場合にはまるで違う反応になる。


この遠視眼鏡の掛け始めは、ぼやけるという知識があるのと無いのでは、慣らしの成功度がまるで変わってくる。これは遠視の未矯正や弱矯正の方は、無意識に普段からピントの調節を入れてみる癖がある。また遠くを見る時にはぐっと力を入れてみる癖がある方が多い。ところが、適正な遠視の眼鏡を掛けると力を抜いたほうが遠くが良く見える。この力の抜き方の習得が、まさに慣らしなのだ。


そして慣らしが成功すれば、遠視なのに普段は裸眼だった方は、本当に目や首肩周りの筋肉がほぐれていくことを体感するだろう。


だから、遠視は本来は掛けられる=慣れられるなら、完全矯正値で作るのが原則、ただしそれでは遠くが見えずに怖いという場合には段階矯正で弱矯正も選択肢に入れておくべきで、力の抜けない人に、いくら抜けと言っても出来ない物が出来ない。


そこが遠視用メガネを作成する場合には常に難しいと僕は感じている。また周りには近視の方ばかりで、遠視の慣らしを相談出来る人がほぼ身内にいない事も、この慣らしの難易度を高めている。


近視の人が、「あら、私の眼鏡は掛けたらすぐに遠くが良く見えたわよ、せっかく買ったのに遠くが見えないなんて、その眼鏡屋さん怪しいんじゃない?」


何てご友人に言われたら、ひとたまりも無い。


「この眼鏡合ってないのかしら?」と誰でも不安に駆られるだろう。だからこそ、正しい知識が求められるのだ。


いつか正しい知識が広まる様な未来を発明したいと思う。


以前から言っているように、僕には夢があり、それは眼鏡業界の構造改革だ。そんな大きな事をちっぽけな僕が成し遂げるとしたら、それは目の前の一人一人に対して真摯に向き合った結果の積み重ね「しか」ないと思っているからだ。


眼鏡を変えれば国が変わる。


その変革は、皆様に正しい知識が届き、そして消費行動が激変した時。きっと皆様も思ってもみない事が、この国に起こると思うよ。そして僕はその理想に近づけるように日々学び取り組んでいるのだ。


それではまた、こちらでお会いしましょう。


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【参考記事】


・遠視の炙り出し成功


・遠視の炙り出しとレンズ交換


・内斜位をある意味放置した結末


・50代の遠視と外斜位、自分の目との付き合い方


 

 

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