本日のblogの難易度【★★★★★】
今朝の体重は83.4キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は2832人。
以前にのたうち回る様に苦しみながらモニタリングした
遠近両用メガネ奮闘記を読み返し
今更だけど当時(およそ15年程前?)と今の僕では
少しだけ当たり前だけど成長していた。
まだレンズを評価するのにハード設計、ソフト設計という
言葉すらつかえていない。それでも寸評はかなりの精度で
的を射ていた。是非皆様も遠近両用メガネを欲しい、
でも他店で作った際に、
階段を降りるのが怖い、
慣れない、
クラクラして掛けられない。
こんな状態でお悩みでしたら、
僕の以下の文章で書き綴っているように、
苦しみながら最適解を探して来た経緯があるので、
読み物としてもきっと面白いと思うので
是非ご覧になってみてください。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その1~
今回、このレポートを書くきっかけとして、
僕は敢えて一番新しく作った眼鏡に極端な処方をした。
通常遠近両用眼鏡の度数作成の肝は、
「欲張らない事」だ。
つまり遠くの視力は程ほどに、そして手元も
辞書や地図を長時間も調べるような作業は
遠近では諦める。つまりちょっと腕時計や
携帯電話を見たり、買い物中に商品のタグを見たり、
その程度の作業で良い、と少しだけ妥協していただくと、
初めて遠近を掛けた方でも比較的慣れやすい。
また僕の歴代の遠近両用レンズも実際にそうしてきた。
だが僕の年齢でそれをしてしまうと、
実は揺れ歪みは殆ど感じず、非常に快適なのだ。
視界の狭さなんて皆無に等しいし、
揺れなんてものも意識して意地悪な使い方をしないと
確認出来ない。
だがこれでは遠近両用レンズのグレードを変えても、
メーカーを変えてもそれこそ違いが
分からないのだ。これはいかん!
そう思って冒頭申し上げた極端な処方をしてみた。
ではその極端な処方例を下記に挙げさせていただく。
【使用フレーム】
ラビリンス ポイズン4
プリズム以外は弱度で巨顔族、そんな僕にはうってつけ、
また横に広いレンズ面積は遠近の収差領域のチェックに
も適していると考えた。またあまり知られていないが、
影郎さんの枠は前傾角も含めて
調整しやすいのも美点の一つだ。
【使用レンズ】
東海光学 ベルーナレガリア 1.70 累進帯長 11mm
アイスグレー10% パレットヴァイオレット
このレンズは東海光学の内面非球面設計。
比較的高級なレンズのグレードだ。
【完全矯正値】
RS-1.75 C-0.25 AX140
LS-1.25 C-1.00 AX70
遠見眼位 BI16.00 右アップ 1.50 度
【作成度数】
RS-1.75 ADD1.50 度
BI4.00 度 右アップ 1.00 度
LS-1.25 C-0.75 AX70 ADD1.50 度
BI4.00 度 左ダウン 0.50 度
完全矯正値と作成度数を比較してみると、
殆どそのまま作成している事が読み取れる。
つまり遠くを欲張りに設定している事が分かる。
また手元も加入度 1.00 度で充分なのだが、
敢えて 1.50 度と強く加入した。
そしてこの無謀な試みが僕を未だかつて無い
窮地に陥れる事になる。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その2~
前回までで僕の今回作った眼鏡の度数と
経緯をご説明した。それでは今日から体験レポート開始!
【初日】
加工が仕上がり、レンズを磨き顔に乗せてみる。
「!」何だこの違和感は!世界が回る。そして少し目線を
動かすだけで視界が歪む!これは堪らん。
すぐに使用する事を諦めて、
まずは移動もなく比較的慣らしやすい
パソコン作業から慣らし運転をする方針に変更した。
だがそれでも辛い、しかもパソコンを見ると
僕の仕事場で使っているモニターは 19 インチ、
その全面を目線の移動だけでは明視出来ない。
どうしても収差領域を使ってしまう事になる。
だから画面の左下、右下を見る時には
どうしても首を振る。これはストレス、そう感じた。
そして装用後 15 分程度で右のこめかみ、
そして眼が痛くなってきた。
更に我慢して 15 分使い、
耐えたが痛みは増すばかりだった。
僕はその時点で諦め眼鏡を
いつも使っている単焦点に切り替えた。
この今までに無い違和感、そして痛み。
これがこの記事を書く動機に他ならない。
床を見ると多少霞むが歩くのに辛いという程では無い。
また遠用度数領域の美味しい部分では
非常にクリアーな視界が印象的だった。
これは完全矯正値で作成した為とも言えるが、
それにしても遠くを犠牲にしなくても
良いのは遠近ならではのメリットか?
明日は 1 時間頑張ろう!
だがこの目標設定はあまりにも過酷だった...
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その3~
昨日の辛さを無理やり忘れ、
今日はどうかと朝から掛けてみる。すると掛けた瞬間に、
前日と同様、コメカミ、そして右目に強い違和感がした。
そしてそれでも我慢して掛け続けた。
すると耐え難い頭痛が 30 分程で襲ってきた。
極力歩かないようにしているのにも関わらずだ。
でもここで負けては男が廃る。
それでも辛抱強いプリズム次郎は耐えた。
だが1時間程経った所で、収まるどころか
猛烈な吐き気まで伴い、強烈な辛さだった。
だが目標としていた 1 時間をクリアーした事で、
何とか自分を誉めてあげた。そして眼鏡を
いつもの単焦点に切り替えた。
しかしフレームは関係無いが、
この辛さは何だろう?
いくらなんでもあんまりではないか?多少怒りすら覚えた。
また使えないと諦めるお客様が居ても仕方が無いとすら思えた。
更に、僕は普段売っている遠近両用眼鏡
でこんな思いをお客様にさせてしまった事も
きっと少なからず有ったのでは?
と心配にもなってしまった。
そして何とかこれを機に原因を突き止め、
そして対策を施し、お客様にフィードバックしよう。
そう強く思えたのだった。
この今回使用した東海光学のレガリアというレンズは
廉価版というよりは、どちらかというと高級品の類で、
東海光学のレンズバリエーションの中で、
この上にはレゾナス、グレイスの 2 種類しかない。
そして設計も通常の外面累進よりも 1 歩進んだ、
内面累進、かつ内面非球面設計という、
メーカーさんのお言葉を借りれば、
より揺れ歪みの少ない先進的なレンズ。という事になる。
だが僕の度数、そして眼には慣らすのに、
少々手ごわい相手の様だった。そして長期戦を覚悟し、
過酷な二日目の修行(←既に修行になっている)を終えた。
東海さんには申し訳ないが、今の所、誉めるより、
まずは慣れるのが先決のようだった。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その4~
以前の奮闘記でもお伝えしたが、
敢えて人体実験のように極端な度数を処方してみると、
本人も想像が付かない程に辛い違和感と、
そして体が悲鳴を上げる事態となってしまった。
実は、三日間で僕は音を上げたのだ。
「もう我慢出来ん!」
そう思って一時使用を止めてしまった。
ところが一週間程経ったある日、
僕は何となくその眼鏡を手に取り、掛けてみた。
掛けた瞬間に以前との違いが理解出来た。
いや頭で分からずともそう感じた。
明らかにストレスが減っている。
そして試しに普段の業務をこなしながら掛けてみた。
だが 2 時間程すると頭痛がしてきた。そこで僕は
「あ、やはり駄目か~。」
と悲しく現実を理解した。だが思い直し翌日
「今まで 1 時間だったものが、2 時間掛けられたのだから。」
と思い直し掛けてみると今度は何と!半日掛けられた。
そして翌日は丸々1日掛け続ける事が出来た。
正直何なんだこれは!?と理解不能だったが、
僕が常々お客様に言っている、
『始めは短く、
そして徐々に長く。』
という眼鏡慣らしのスタンダードをそのまま
やってしまえばそれで良いのだとモニターテストを
始めて 2 週間経ってやっと気付いた。(←遅!!汗)
また最初にこの説明無しにこの違和感に
襲われた方々は、僕でさえこうなのだから、
一般の方にこれを慣らして下さいというのは
少し酷だと感じた。
だから僕達眼鏡屋は少しでも違和感の出ないように
極力度数を調節する必要が有るのだという事も再確認した。
遠くと近くの度数の差は極力少なく、そして欲張らない事。
リスクを理解していないお客様は、
やはり怖さを知らないので放っておけば、
少しでも度を強くしたくなる。だがそこは
僕らが説明する必要が有ると思うのだ。
その基本を再確認した上で、そろそろ次のステップへ
向かいたい。ちなみに今回作成した眼鏡は
レンズは東海光学のレガリアというタイプ。
グレードとしても中間グレードと言えよう。
そして今後僕は各項目に分けてそのレンズの設計を
比較していく。そしてそのベンチマークをこのレンズと
させていただくのだ。ではあくまでも独断と偏見で有る事を
宣言しながらも、少しでも消費者の方々のレンズ選びの
参考になればと思いレポートさせていただく。
ではそのチェック項目について
評価は 10 段階。そして今回のレンズは全て 5 点とさせていただく、
あくまでもレガリアより良いのか?悪いのか?僕の評価軸は
そこに重点をおく。と最初にお断りさせていただく。
また評価項目についての僕の定義付けと解釈は
以下に説明させていただく。コストについては実は消費者が
一番知りたいことであろう事は理解している。
だがグラシアスは比較的、東海、HOYA が
お手ごろなレンズ価格設定しているが、
他のお店では、セイコーを得意とし、
セイコーが一番安いお店も
ニコンが一番安いお店も有る。
だから価格に関してはここでは比較しない。
だからこのブログの読者は僕の言う中間、初心者、上級、
最高級、こんなキーワードを元に価格を推察していただきたい。
本当に申し訳ないが、これが現状ベストと考えている。
【遠用明視域性能】~今回レポートする遠近両用レンズには
遠くから近くまで基本的には変化させながら 1 枚のレンズに
まとめている。その遠用度数領域の見える広さを採点する。
【中間明視域性能・鼻側】~遠、近、間に有る中間度数領域
の広さ、一般的に累進帯を短く設計されたレンズでは
この中間度数で苦しく、狭い領域に設定されている
ケースが多い。鼻側というのはその黒目を寄せてみた際の
内方の視界性能をチェックする。この部分が広いと
手元まで広く見える場合が有る。
【中間明視域性能・耳側】~顔の外側、つまり耳側の
中間度数部の視界の広さをチェックする。
ここが広いと実は遠用を使って見る装用感で
快適と感じるケースが多い。
【近用明視域性能】~単純に 33 センチ程度まで寄った時の
近用領域の広さをチェックする。基本は累進帯を長くとれば
遠・広、近、狭となり累進帯を短くとると、
遠、狭、近、広となるのが一般的だが、僕の常識を覆すレンズが
あるのか?無いのか?楽しみだ。
【度数変化の穏やかさ】~これは遠から近へ変化する度合いの
スピードを指す、ここが穏やかなら装用感としては優れても、
近までの眼線の移動が辛くなるケースもお年寄り等では有る。
そして一気に動かすタイプはサッと目線を動かせば近用部に
すぐ届くので回旋が少なくて済む為楽だと言われるケースと、
一気に動きすぎてせわしないと言われるケースも有る。
要は本人の生活パターンと
目の状況に合わせるのがベターと言える。
【装用感・揺れ・水平】~眼鏡を掛けて意識せずに目線を左右に
降った時の自覚としての揺れる度合いをここでは採点する。
【装用感・揺れ・上下】~眼鏡を掛けて意識せずに目線を上下に
降った時の自覚としての揺れる度合いをここでは採点する。
【装用感・歪み】~実際に各明視域ではなく、収差領域を
通して見た景色がどの程度歪むか?
それをここではチェックする。専門的に言うと収差領域の
谷の深さをチェックする。
【収差領域の谷の深さ】~ここでは明視域と収差領域との
変化の度合いをチェックする。上の装用感・歪みは、
実際の使用状況での自覚、ここではよりシビアな状況、
例えばレンズの端の方での歪み等をチェックする。
【収差領域の谷の変化するスピード】~明視域と収差領域の
境目から、どのような変化の度合いを見せるがチェックする。
ゆっくり変化すれば当然良い。
ここまで書いてきてなんだが、もう一度この記事を書いている
目的だけはハッキリしておきたい。それは今、
遠近両用眼鏡と云う類のレンズが各社から、
それこそ毎年のように発売されている。
それに消費者は勿論、眼鏡屋までついていけていないの
ではないか?それを僕も一応プロとしてやっている訳だから、
プロなりの観点からその性能を比較し、採点し、
そして公開する事でエンドユーザーのレンズ選びの
一助となれれば、そして勿論僕自身が正確にレンズの性能を
把握し、お客様に提案出来るスキルを身に着けることが
何より大切。そう考えたのが 1 点目。
そして二点目は、今回僕の度数で作るという事は
プリズムを水平上下合わせて 5.00 度まで対応出来ないと
僕はレポートすら出来ない。つまりそのレンズの宣伝も
出来ないのだ。そこをレンズメーカーの方々に
考えていただきたいという狙いが有るという事。
これが二点目だ。
いつか全メーカーが少なくともプリズムは
5.00 度まで対応出来る体制を整備していただき、
いずれ来るであろうレンズの特注品比率が
現状の 2%からいくつまで上がれば適正かは分からないが、
それを上昇させる狙いが僕には有る。
これはレンズメーカーにとってもメリットとなる。
それは単純に売上アップに繋がるからだ。
メーカー在庫品と特注品では僕の仕入れ値も
当然違いが有り、そして僕は、
僕の考える適正な利益を上乗せして販売している。
その僕の特注品と在庫品の比率は、
その時々で変動は有るが、ほぼ 50%対 50%に近い(2026年現在では
特注8割在庫品2割程度の比率)パーセンテージになっている。
もしも全ての眼鏡屋とは言わないまでも
三分の一の眼鏡屋がこうなった時の
ことを考えて欲しい。
またそうなった時の生産体制は
整備出来ているのだろうか?少なくとも何の影響力も
無いかもしれない僕のブログでも僕はそこまで考えている。
どうかメーカーの開発の方々にはご一考をお願いしたい。
最後に一言、遠近両用の慣らしは焦らず、そして本当に辛い
と思ったら、一度脳に慣らしの準備の時間を与えると
以外と楽な事が有る。一度駄目だった方も是非お試し下さい。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その5~
前回の奮闘記までにいかに処方のさじ加減が大切で、
欲張るものじゃないと訴えてきたが、
今回はもう少し実践的に東海光学と
HOYA のレンズでのガチンコ勝負。
こんな事にも協力して下さるのだから、
ホヤ/東海両者共に、顧客満足度という事に
真剣に取り組んでいる証だろう。
消費者を代表し、
この場を借りて御礼申し上げます。
それでは各項目毎に解説評価していくが、
その前に今回レポートする
レンズのコンセプトを説明する。
今回のレンズは
【メーカー HOYA】~遠近といえば、バリラックス、
そして現在その名称はニコンエシロールが使用
しているが、その昔は遠近をバリラックス、
そしてそれを扱うメーカーが HOYA だった。
それ程に日本では早くから取り組んでいた。
ただしそれが性能として中身を伴っているからは正直僕も分からない。
その為今回のレポートでその答えが出せるかどうか楽しみだ。
一方、前回の東海光学は、
セイコー、ニコン、ホヤと比べても、
眼鏡レンズ専門で作っているメーカーは
東海光学のみ。その意地も見せたい所。
【商品名 サミットプレミアム】~この下にはサミットプロ/CD、
そしてサミット GP と二つ有る。グラシ
アスではここ数年、サミットプロ/CD でシェアをおよそ 7 割程度とっている。
それ程定評の有るレンズがサミットプロ/CD、
それのモデルチェンジ版がこのプレミアムというのだから期待してしまう。
【屈折率 1.60】~発売当時はこの屈折率しか取り揃えていない為に自然と 1.60 となった。だが今
では 1.67 も発売されている。僕個人としては 1.50 の素材でも是非取り揃えていただきたいと思っ
ている。その方が安く作れるからね。
【コート ヴィーナスガードコート】~鳴り物入りで登場したこのコート、
従来の高級コート、SFT コー
トよりも 1.5 倍持ちが良く、更に帯電防止コートも標準で装備されている。
確かに埃で汚れて吹き上げる回数は減っている。
またグラシアスでは今年の 3/末まで HOYA 様のご厚意によりこのヴィ
ーナスガードコートを SFT と同価格でお試し出来るようにキャンペーンをしている。
【メーカーの中での位置づけ 中上級グレード】
~いづれはこれがスタンダードとなっていくと思われる。
~評価項目~
※前提条件、東海レガリアを基準とし、全ての評価項目をレガリアは 5 にしている。
【遠用明視域性能】 6~運転時に左右に流れている風景が少しづつ歪んでいくのがレガリアだと
ハッキリと分かるが、プレミアムだと意地悪な使い方をしないと分からない。
【中間明視域性能・鼻側】 5~ここはほぼイーブン、元々この視界には東海は定評が有ったので
HOYA が挽回したか?
【中間明視域性能・耳側】 6~ここは明らかに HOYA の方が良い。本当は 7 にしたい程だが、今
後まだ上にグレードが有る事から 6 にした。
【近用明視域性能】 6~ここも HOYA の方が広いだが、ここは累進帯の長さも絡んでくる。12m
mより、11mmの方が基本的には手元は広く設計しやすいと言われているからだ。だが遠用視界
でも HOYA に負けている現状では言い訳のしようも無い。
【度数変化の穏やかさ】 6~11mmと 1mm累進帯が短い割りにはプレミアムの方が僅かに優
れている。
【装用感・揺れ・水平】 7~これは圧倒的に HOYA の方が楽だった。
【装用感・揺れ・上下】 4~ここは上下に顔を振った場合は間違いなくレガリアのほうが秀逸と感
じた。
【装用感・歪み】 6~何しろ、歪みは HOYA にも勿論あるのだが、それを辛さと感じさせない所に
設計の妙が有る。やはり設計の新しい方に軍配が上がるのか?
【収差領域の谷の深さ】 6~例えば新聞を広げてみた時にどちらのレンズも目線だけで左右に
記事を読もうとすると、ある時点から滲む、そして最後は多少歪む、だがプレミアムは最後まで滲
み程度で済んだ。
【収差領域の谷の変化するスピード】 6~これもほぼ始まりは同等、だが HOYA の方がよりゆっ
くりと変化していく。
【装用感総合評価】 6~何しろ快適、これ程の差が有るとは驚いてしまった。東海さんにも是非
挽回のチャンスをと思うが、このレガリア以上の良い設計では僕の度数では作成出来ないと言わ
れてしまった。この記事を見て悔しいと思っていただければなと思う。(2026年現在では東海光学は
日本どころか世界を見渡しても屈指のプリズム度数対応をしてくれるメーカーに成長し、今では
10△を超えるレンズですら製作してくれる事がある。)
【寸評】今回は殆どの項目で東海のレガリアを凌駕していると感じてしまった。また、上下方向の
揺れのみレガリアに軍配が上がったが、これも累進帯長がレガリアの12mmに対し、プレミアムは
11mmこの 1mmの差が出たものだとすると順当と言える。しかしこれなら極端な処方をしても慣
らせば充分に使えそうになる程快適だった。これで本当にこれ以上のグレードが僕の年齢で必要
なのかどうかも今後は考えなくてはいけない。
HOYA はこのプレミアムの上に FD,ID,そしてトリニティーと品揃えしている。
そして全て僕の度数で作成可能だと言うのだから恐れ入る。
どうか他のメーカーも参考にしていただきたい。
ちなみにニコンのセミナーでは若い内は極力安いレンズから入ると加入度を
上げた場合でも違和感無く、使用出来ると言っている。
これはメーカーとして非常に良心的だと僕も思うが、
一方遠近の初心者程、揺れを敏感に感じる方も居る。
その場合には HOYA の FD を喜んで使用している場合も有る。
こればかりはケースバイケースとしかいえないと僕は思っている。
また最新の設計が少なくとも現状最上の選択となっている事も間違いなさそうだ。
ただし若い年齢のうちは別だが。だから買い換える度に
一番新しい設計にしておけばリスクは少ないとも言える。
今後はセイコー、ニコンのレンズでもレポートしたい。僕は完璧なレンズなんてないと思っている。
また、レンズの設計には得意不得意が有り、メーカー、商品毎に特性が有ると思っている。だから
適材適所がベターだとも思っているのだ。それを把握する為の作業だ。長くはなるとは思うがもう
少しお付き合いいただきたい。そんなのプロが分かっていれば良いと思うかもしれないが、そうい
った方ほど、眼鏡屋の「こちらの高いレンズの方が歪みも少なく快適ですよ。」というセールストー
クに乗っかり(乗っからざるを得ない筈。否定するには根拠が必要だからだ。)不用な程に高いレ
ンズを買わされている可能性が有るという事だけは指摘しておきたい。締めは、僕が何度も繰り
返しているこの言葉でしめたい。
「賢明な顧客が健全な業界を育む」のだ。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その6~
連日のマニアックなネタで恐縮だが、
今日は遠近の度数が一体どうやって分布し、
設計されていて、そして実際にはどの位の
視野が有るのか?それを画期的なグラフィックを
用いて解説したい。それがこれだ!!!
遠近度数分布図
......、...(汗)
「お~!」
っと声が上がるのを待っていたのだが、
「え!?ただ手書きで書いただけじゃん!?」
そんな事を言わないで欲しい、
見事なまでに(手書きで)遠近のレイアウトを
説明出来ているではないか。素晴らしい~。
わ~わ~。自画自賛はここらへんにしておくが、
僕はこのレイアウトを書いていて有る事に気付いた。
それはこの次論公論では御馴染みのこのマネキンさん。
実はメンズ EX という雑誌でも使用されたことが
有る程の有名なマネキン(そういった意味では全国区)
なのだがその子に名前が無い事に気が付いた。
これはいかん、良い名前が無いものかと思案していると
「梅」という漢字が浮かんだ。
よし今日から君は梅だ。特に男か女かも分からんが、
とりあえずこれからは梅で統一させていただく。
ちなみにこだわりは一切無いので、もし
「そのネーミングセンスは無いだろう。」
という方がいらしたらどうぞコメント欄からでも
候補をあげていただければそれで採用(改名)
させていただくのでどしどしご応募いただきたい。
もの凄く長い前振りになったが、これからは
その度数分布の1~5までを解説させていただく。
ちなみに黒目のど真ん中に瞳孔が有るものと
仮定させて頂く。またこの引いている線は僕の年齢、
度数で強めで極端な処方をした場合のレイアウトで、
それを僕の眼で確認した範囲で実測と推測、
半々程度の精度である事もお断りさせていただく。
つまりこれは処方する度数が変化すれば
当然レイアウトの具合も変化していくものだと
ご理解いただきたい。
またメーカーによって遠視が得意な(主に海外)メーカーや
近視が得意、強度の近視の遠近が
得意等度数によって得意な分野が有る、
つまり僕一人の眼で確かめてもそれでメーカーの実力が公平に正しく
判断出来ている訳でも無い。僕のように弱度の近視と
乱視と斜位矯正の為にプリズムを入れた眼から見ると
こうだと言っているに過ぎないこともお断りさせていただく。
1遠用明視域~遠くの最高視力が収差
(色や像が滲んだり、歪んだりして見えてしまう不要な
度数の事)を実感しない程度にクリアーに見える領域。
ここで注目していただきたいのは、思ったよりその領域が
狭い、そう感じる方が多いのではないのだろうか?
まず原則として覚えていただきたいのは、
天地の狭いフレーム用に設計された累進帯の短い設計の
フレームは同じ名称/設計の遠近両用レンズでも
累進帯の長さが変われば、明視領域も変化する。
これは覚えていただきたい。
例えばサミットプレミアムという HOYA のレンズでも
累進帯長は 11mmと 14mmを設定している。
そしてこれは見え方としては別物、
そう理解して欲しい。そして原則として
累進帯の短いフレームは
遠用明視領域が狭く、近用明視領域が広く、
そして累進帯の長いフレームは
遠用が広く、近用が狭くなる。
これを覚えておくだけでも遠近両用眼鏡のフレーム選びから
きっと変わってくるはずだ。もっとも
「私は、天地の高い、昔ながらのフレームは嫌だから、
極力コンパクトなレンズシェイプがいいわ。」
という方は 14mmを選ぶ選択肢すらなくなるのだから
それ程悩まなくてもいい。だがフレームにそれ程こだわりが
無いという方は、そこから慎重に決める必要が有る。
自分は遠くを広く見たいのか?
それとも手元を広く見たいのか?という事だ。
僕個人としては、他店でよく言われる天地の短い遠近は全て一緒くたにして
「歪みが酷くて駄目だよ。」
という見解とは少しばかりずれている。せっかく天地が浅くとも
快適に使えるようにレンズメーカーが商品開発しても
それを使わず、いつまでも昔の設計や理論に固執する事は
専門店としては勉強不足、そう指摘されても仕方が無いとさえも思っている。
実際にグラシアスでは遠近両用の 7 割を
この 11mmという短い遠近で作成している、(2026年現在では14mmが
主流、それはクラシカルなフレームがトレンドになり、天地が高いフレームが増えた為)
クレームが無い訳では無いが商売に困る程でも無い。
これだけは消費者にも、他の小売店にもご報告したい。
2中間度数明視領域~中間度数の定義付けそのものが
難解だが、ここでは日常良くみられるパソコンを用い
その使い具合と視界の広さをチェックした。
だいたい 5~60 センチくらいのモニターを見続けるという作業だ、
そしてこの中間度数領域が累進帯の短いタイプだと
気ぜわしく変化する。11mmタイプ等の短い累進帯の
一番苦手とする所であろう。
そしてこの鼻側、耳側の広さを
チェックしている。中間、つまりパソコン作業の多い方には
比較的累進帯の長いタイプをお勧めする方がベターだが、
ここで遠近両用レンズの原則に戻りたい。
僕個人の見解としては遠近両用レンズの使い方として
一番望ましいのは、あくまでも目安だが、
遠く 8 割、手元 2 割。
これが原則だと僕は思っている。
それなのに1 日に 8hもパソコン作業をする方に
この遠近両用 1 本で全ての距離、目的に対応出来ますよ。
こう言ってしまうと問題があるのではないのだろうか、
起きてる時間の大半をパソコンやデスクワークに
当てているのに節穴とは言わないが、
写真を見ても分かる通り、決して広く無い領域を使って
作業する事はストレスにはならないだろうか?
中にはそれに適応出来る方も居る、だが大概の方は
その作業を疲れると感じる筈だ。その近業作業用の
眼鏡としては別枠を設ける必要が有ると思うが、
とりあえず先に答えだけ申し上げると、
その目的とする距離、用途に有った度数の単焦点レンズ、
もしくはご年齢によっては
中近レンズ、
近々レンズ(近用ワイドという呼ぶメーカーも有る)を使う事だ。
3近用明視領域~遠近両用レンズの場合、原則中間より
手元の方が広くなる。そして僕はこの広さをチェックするには
新聞が望ましいと考える。何故なら僕の年齢に応じた
加入度(+1.50 度)ではどんなレンズでも文庫本程度の範囲は
楽にカバー出来るからだ。
4鼻側収差領域~要はどの距離でも見え難い、
目茶苦茶な度が入っている部分で、レンズメーカーは
この部分を極力外に追いやり、各距離毎の明視領域を
広くしようと技術革新をしている。そしてここを
外に追いやれば追いやる程、装用感が上がるということだ。
また広さだけでなく、この領域に入った途端見えなくなるのか、
それとも鼻に近づくにつれゆっくりと変化していくのか、
そのさじ加減も腕の見せ所な訳だ。
5耳側収差領域~別に耳も鼻も一つに考えても良いのかなと
思う関係者も居るかもしれない。だが例えば鼻側の性能を
上げればより手元が見やすくなり、そして耳側の性能向上は
装用感の向上を意味するのだから、ここを分けて考える事で
メーカーの開発コンセプトが分かるというものだ。
その為僕は無視出来なかった。
そしてメーカーのこだわりをお伝えしたかったのだ。
以上で分布領域の説明は終了する。また
「レンズメーカーは沢山有るのに、何故 HOYA、ニコン、セイコー、
東海の4社を選び、そしてレポートをそこに集中したのか?」
というお問い合わせをいただいたのでお答えする。
それはこの4社以外にも確かにレンズメーカーは有り、
そしてそのメーカーにも遠近両用レンズは有る。
有るのだがそれは結局この4社の特許技術を買い、
そしてそれを用い販売している。つまりこの4社以外からは、
原則としてはこの4社以上の画期的なレンズは開発しようが無いと
いう日本のレンズメーカーの現状が有り、
グラシアスでもこの4社以外の遠近は販売実績すらないからだ。
(2026年現在ではカールツァイスやバリラックス等の海外ブランドも
取り扱っており、そのメーカーも独自の開発技術を持つ。)
一例を挙げると、A 社は HOYA の特許を買い、
そして B 社は東海の特許、そして設計もそのまま東海のまま
使っている場合も多い。またこういった事情も有るので
4社以外の遠近両用レンズは、その構造上、
価格競争力も持たない場合が多い事もご説明させていただく。
~その6~まで来て、何となく遠近両用レンズというものが
分かってきただろうか?これからも、も少しマニアックに、
そして極力分かりやすくをモットーとし解説していきたい。
ソムリエ(僕の遠近両用眼鏡奮闘記~番外編~)
ソムリエは、レストランで客の要望に応えてワインを選ぶ手助けをする、
ワイン専門の給仕人。語源はフランス語(Sommelier / 女性 Sommelière:ソムリエール)。
フランスでは国家資格である。(ウィキペエィアより)
だそうだが、要は専門家の助けが必要な程に
ワインを選ぶのが難解だからそういった専門職が必
要なのだろう。それでは眼鏡のレンズはどうだろう?
ワインのように専門的な知識が必要なのは間違い無い。
だがワイン程に、お客様の趣味嗜好は多様化しているのだろうか?
正直お店の現場では極力お客様の選択肢を少なくして
選びやすくするのがサービスであるかのように、
提案の初期からある程度絞って提示するケースが多い。
僕は単焦点なら、ある程度まではそれで良いと思う。
だが、遠近両用等の多焦点レンズの場合は、
それこそワインのように、メーカー/開発者の好み、
ポリシー、それらが反映されているのではないのだろうか?
そしてそれが他社との差別化になっているのではないのだろうか?
所がそのメーカーのこだわりを把握し、メーカー選びから正確に
お客様を導けるガイド役、それが実は眼鏡業界では稀有な存在で有る
と言って差し支えないと僕は思っている。
それ程に毎年発表される各社からの新商品、それらの特性を正確に把握し、
お客様に正確にアテンダントする事は難解だ。
そして僕ら販売する側も、実はメーカーを極力 1 社、2社に絞る傾向に有る。
その方が仕入が集中し、レンズメーカーとの取引額に応じて、
場合によっては仕入れ値の交渉も出来るからだ。
だから僕が今奮闘記でやっている事は、
実は小売単価を引き下げる事には実はつながっていない。
もしかしたらお客様はそこまで求めていなく、
実はニーズは少しでも安く、それが本音かもしれない。
だが僕はそれを放っておけないのだ。より良い提案をする為に、
少しでも勉強したいのだ。そして僕の知る限りでの最善の提案をしたいのだ。
ここまで述べてきた通り、要は試行錯誤の段階なのだが、
今日はいつもの問屋さんにセイコーで僕の度数で作れる
遠近両用レンズがあるかどうか?そしてあるのなら
その全てを注文したいと伝えた。その結果もこのブログで報告したい。
僕の今までのイメージはセイコー、ニコンは
それ程斜位に重点を置いて商品開発していない。そう思っている。
それが実は僕の知ったかぶりかもしれないのだ。
思い込みで実はセイコーだってこれだけ頑張っている。
そう思えるよう期待している。
いつの日かレンズのソムリエ、
そう呼ばれてみたいものだ。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 7~
今日は残念なお知らせが、先ほど、
セイコーの問屋さんから連絡があり、
僕の度数で作れるのは1種類だけだと
連絡が有った。
東海さんも1種類、(2026年では前述の通りです。)
セイコーさんも1種類(その品名は後日発表)。
僕が一般の消費者であれば、もし行ったお店が
HOYAを扱っていなければ、必然的にレンズは
選べなくなる。僕はそれが悲しいし
そんな悲しみをお客様に味あわせたくないだけだ。
勘違いして欲しく無いのは
僕は裸眼でも両目で 0.6 は視力が有る。
弱い近視度数なのだ。確かに強度の近視の方は
レンズを削る為に厚みが足らない傾向にはある。
だが僕は、僕程度の度数なら厚みが
足りない筈も無いのだ。つまり研磨機に入れる
プログラミング上の問題だと僕は推測している。
以前にニコンに聞いたら、そのプログラムを作りなおすと
100 万掛かるといわれ、天下のニコンが
100 万程度なら大した問題じゃないのでは?
と勝手に思ったが、それ程、ニーズが無いという
事なのだろう。ニーズが無いに等しいから余計なお金は
たとえ 100 万でも使わないのだ。
僕はお店の現場でプリズムを 3.00 度以上
入れる確率は大雑把に 10%、作成範囲が 3.00 度でも
約 9 割の方には対処出来る、そう思っている。
だが、それならメーカーはその 10%を
見捨てても良いのだろうか?
所がメーカーは 10%も見捨てていない。
もし仮に本当に 10%のニーズが有れば多分、
大手 4 社は全て品揃えするだろう。これは一体
どういう事だろうか?
以前に、レンズメーカーの方に
プリズムを入れてレンズを作成する割合はどれだけ?
と聞いた事が有る。もう2年程経過している話だから、
現状を表すにはそれ程正確な数字ではないが、
答えは「2%」だった。
そして遠近は更にその比率は下がる。そうも言っていた。
2%よりも下がるとしたら 0%はいくらなんでも無いとして
1%とする。これを読み取ると、つまり今、
日本の小売店でプリズム処方に取り組んでいるお店が
極端に少なく、今の日本でプリズムの作成範囲が
狭い等と意見する小売店は本当に少数派だという事だ。
その為、プリズムを考え、プログラミングから考慮する
必要すら無い、そして安易に多くのメーカーが 3.00 度まで
だからとそれを疑問にも感じずに商品開発しているの
ではないのだろうか?
これは僕からしても仕方が無い。
日本ではプリズムを入れるというニーズが無いに
等しいのだから。だからこれでメーカーを
責めるつもりは毛頭無い。
むしろHOYAが「有り難い事に異常」なのだ。
だが今後は変わると僕は勝手に思っている。
大手量販店の限界が見えた時点で、
専門店と量販店のシェアはじわじわ変化する。
専門店のニーズが上がると僕は見ているのだ。
そして眼鏡の小売単価も本来有るべき姿に戻るのだ。
ここでメーカーさんに僕の見解をお伝えしたい。
ではもしそうなったとしたら、日本でのシェアは
HOYAの独壇場となると予測する。
アーリーアダプターとしての恩恵をもろに受けるからだ。
それで良いのだろうか?過去からプリズムに真剣に
取り組んできたHOYAのその知識の蓄積は、
他のメーカーが追いつこうとしてもそれこそ一朝一夕
にはいかない。ノウハウをそんなに簡単には掴めないからだ。
そしてもしHOYAの独占状態になったとしたら、
それはHOYAにとっては勿論、消費者にとっても悲劇だ。
競争の無い業界から技術革新が進むはずもなく、
競争による恩恵を受けられなくなる事を意味しているからだ。
HOYAだってまともに考えれば、他者が敵でないのなら
今より開発に掛けるお金を他に回しそのスピードは
下がる事であろう。商品開発でしのぎを削る必要も無い。
これは会社の競争力を弱める事をも意味している。
つまり誰も得をしていないのだ。
だから僕はニーズの無い「今」に声を大にして言っている。
本当にそれでいいんですか?と。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その8~
先日、ニコンからも僕の度数で作成可能かどうか、
返事が来た。結果は、プレシオ i という中級グレードと
廉価版のビーダーパル、この二種類なら作成可、
だそうだ。これで国内 4 社が出揃った。
まとめると以下の通りとなる。
【HOYA】
1サミットGP 2サミットプロ/CD 3サミットプレミアム
4サミットFD 5サミットID 6トリニティー
の 6 種類。
【東海光学】
1ベルーナレガリア の 1 種類
(前述の通り今では国内で最強レンズメーカーになっています。)
【SEIKO】
1スーパーP1(ネオ) の 1 種類
【NIKON】
1ビーダーパル 2プレシオ i の 2 種類
と見事にメーカーの特性/傾向が出た。
東海光学は中級グレードで 1 種類、
セイコーは最上級グレードで 1 種類、
そしてニコンは量販グレードと中級グレードの 2 種類。
そしてHOYAは全てで作成可。
もしもセイコーしか取り扱いの無いお店に行くと、
「強度」のプリズムの方は一番高い遠近しか
選べなくなる。
ニコン、東海ならその設計に
満足しない場合でもより新しいグレードは選べない。
HOYAなら自由に選べる。僕は別にHOYAを
贔屓する訳では無いが、遠近だろうと
単焦点だろうと僕はプリズムを入れているが
顧客満足度というものを考えると
メインでお付き合いするレンズメーカーがどこか?
それの答えは言わずもがなだろう。
実際にグラシアスでは遠近の販売実績だけを見ると
圧倒的にHOYAがシェアを占めている。
是非、他のメーカーの開発者の方々は
これを見て奮起していただきたい。
今回僕は、こうなるであろう事は予想していた。
またニコンの 2 種類が意外だった他は
そんなものだろうと思っていた。なにしろ昨日も
お伝えしたが現状日本ではニーズが無いのだ。
それは企業として投資する意味が無いという事だ。
だがそれでは少なくとも僕は困る。
そしてうちのお客様も困る。更に今後、
両眼視機能検査が普及し様々なお店でプリズムを
入れだすと、これはグラシアスだけの問題では
当然無くなる。
だから今から手をうって欲しいと
僕は切に願うのだ。今回僕の度数で作成可能な
遠近は全てレポート挙げさせていただくが、
思ったよりも少ないので、国外メーカーで
先日グラシアスのお客様よりご要望の有った
カールツアイスの遠近もレポートしようと考えている。
何しろ僕はレンズのソムリエを目指しているのだから。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その9~
先日、セイコーのレンズの最高峰
スーパーP1〈ネオ〉を自分の枠に入れてみた。
前回の記事でもお伝えしたが、セイコーさんは
強度のプリズムに対応しているのは
この商品のみだった。それ以下ではいつもの
3.00 度数までしか作成出来ない。
それはメーカーが悪いのではなく、
ニーズが無いのだから仕方が無いというお話をした。
ではそのセイコーのレンズにプリズムを入れると
どうなのか?結論から入る。
「ぶっちぎりに良い。」のだ。
これでは過去のHOYAのプレミアムや東海光学の
ベルーナレガリアと比べるのが失礼な程にだ。
採点項目にそれらの商品と比較すれば全て
10 点としてしまいそうな程に楽なのだ。
だがそれではレポートにならないので、
HOYAの名誉挽回の為と、シビアな採点をする為に、
HOYAの最新レンズ、トリニティーで作成し、
そことの比較で再度判断したい。その為、
セイコーのレポートはしばらく時間をいただく事を
どうかご理解いただきたい。
10 年前に遠近を使ってみて諦めた方、
最近のレンズは凄い!掛けた瞬間
「え!?これ遠近なの?」
と感じてしまった程だ。もう一度騙される価値は
有ると僕は断言したい。その代わり、
ご予算の都合がつく限り最新の設計の方が
(後悔しないという意味では)安全だとも思う。
僕にしてみればサミットプレミアムでも充分に
凄いと思っていたが、更にその上の世界は
とんでもなく広く、そして深かった。
あ~それにしても悔やまれる僕の眼、
斜位がもう少しすくなければ、
全ての商品レポートが出来たのに~。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 10~
しばらく時間が空いてしまった奮闘記だが、
先日届いたニコンのレンズを加工する余裕が出来たので早速モニターしてみた。
今回使用したレンズの仕様は以下の通りだ。
【メーカー=ニコン 】~ニコンのレンズは、グラシアスでは
HOYA についでシェアを獲得している。
特に高級といわれるジャンルのレンズでは、
乱視の強い方に対する補正が独特で、
そういった乱視の強い方々には僕はご予算さえ都合がつけば、
お勧めしているし実際に HOYA の FD との比較
でも装用感は評判が良い。
【商品名=ビーダパル 1.67 ECC 累進帯長 14mm】
ニコンの廉価版の遠近だが、このレンズには短い累進帯の設定が無い。
その為 14mmで作成したのだが、するとイマドキの僕の持っているフレームでは
合うタイプが 1 本しか無かった。その為選択の余地なくすんなりフレームは決まった、
それは Lessthanhuman の 110la-というタイプだ。
【屈折率=1.67】~レンズの厚みによる影響を排除したいがために、薄型を使用した。
【コート=ECC】~イージークリーンコート、いわゆる撥水コートといわれるコートで、
摩擦係数を下げて汚れがつきにくく落ちやすいコートとされている。
【メーカーの中での位置づけ 廉価版】~ニコンの眼鏡レンズでは一番お手頃なタイプ、設計も現
在のタイプに比べると謳い文句も少なめ。
このレンズの評価に入る前に一言お断りさせていただくが、僕は同じレンズの名前は付けても累
進帯長が変われば見え方は別物と以前の記事でお伝えさせていただいた。そして僕は東海レガ
リアを平均点として設定し、それに比較し付点していくと説明した。
今回は普通に考えればレガリアは 12mmの、そしてビーダーパルは 14mmの累進帯長だ。
これも復習にはなるが累進帯が長くなればなる程遠用は広く、近用は狭くなり、
短くなればなる程遠用が狭く、手元重視の設計になるとお伝えしている。
また装用感も累進帯が長い方が優れているといわれている。
そこを考慮せずに採点してもきっと公平な評価とならなくなる。
要は目的に合致しているか、それが決まっている事が遠近両用のレンズ選びには必要不可欠となる。
その重要性を読者の方々もどうかご理解いただきたい。
だがモニタリングの途中経過でお伝え出来る事は、装用感のみを重視するなら天地の高いフレームを選び、
累進帯の長いフレームを選んだ方がベターと言える。
だがそれでは僕はつまらないと思うのだ。
だから短い累進帯でも良い設計はないものか?と探している。
【遠用明視域性能】 4~これは予想を裏切った、遠用部を使い水平に目線を移動させるとビー
ダーパルの方が早く収差を実感した。本来は累進帯の長いビーダーパルに軍配が上がると予想
していた僕にしてみると出鼻をくじかれた感がある。
【中間明視域性能・鼻側】 4~これもレガリアの方が秀逸に感じた。この差累進帯の長さ 2mm
以上に設計、そしてグレードの差が出たということか?
【中間明視域性能・耳側】 6~パソコンを見ながら耳側に目線を振る、するとレガリアはしっかり
と収差が出ていることを実感する。ビーダーパルはその収差が始まるエリアがより外に押し出され、
その後も穏やかに変化する。
【近用明視域性能】 3~ここはビーダーパルの最も苦手な分野らしく、非常に狭いエリアのみ鮮
明に見えた。パソコンはビーダーパルの方が広かったので、パソコン重視ならビーダーパル、手
元の広さ重視ならレガリアの方が広く鮮明だった。サミットプレミアムは、レガリアより更に手元が
快適なのだから最新のレンズ恐るべし、というところか。
【度数変化の穏やかさ】 6~正直この採点は困った、殆ど違いがないのだ。だが累進帯の 2mm
の差で僅かながらビーダーパルの方が穏やかだった。だが天地の低いフレームで、とお考えの方
でも諦めることは全然ないと再確認した。
【装用感・揺れ・水平】 5~10 ポイント・マスト・システムを信条とする僕もここは本当にどちらに
も軍配が上がらなかった。それ程に差が感じられないのだ。いずれこのモニターを繰り返し、全て
のメーカーを網羅する頃には、僕の感性が磨かれて僅かな差も見極められるようになるかもしれ
ない。宿題が出来てしまった。
【装用感・揺れ・上下】 5~10 ポイント・マスト・システム...、もういい!ごめんなさい。差が分から
なかった。(汗)
【装用感・歪み】 6~実はここに一番驚いたし、設計の優劣よりも累進帯の長さの占める割合の
方が装用感には影響を大きく及ぼしているのかなと実感した。それ程僕程度の弱度でしかも加入
度が+1..50 程度では差が分からなかった。
【収差領域の谷の深さ】 6~こちらもビーダーパルの勝ち、特に耳側は最後まで明視領域に対し
て僅かな収差で済んでいる。
【収差領域の谷の変化するスピード】 6~スピードもゆったりと変化、だがレガリアも意識しない
と違いが分からない程度。
【装用感総合評価】 5~掛けた時のファーストインプレッションは随分楽だなという感じ、
だが後にレポートするプレシオ i や、以前にレポートしたサミットプレミアムに比較して、
しばらくすると眼に乾いた様な何とも言えない違和感が湧いて出てくる。
これが不快だった。だがこの程度なら本気で慣らせばそうは時間が掛からず慣れるだろうと言えそうだ。
ともかくファッショナブルな遠近も本気で慣らそうと思えば時間を掛ければ慣れる。
それを慣らせない方は、ご年齢の問題も勿論あるのだろうが、それよりも心構えというか、
気のもちようといいうか、何しろ長い間(我慢して)掛けていれば何とかなる。そう言い切って良さそうだ。
+1.50 程度の加入度なら床だって階段が怖いという感覚は、僕は一切感じなかった。
遠近掛けるなら早いうち。それは間違いないようだ。
そして先程お伝えした慣らし運転の我慢、
それが嫌なら最初からある程度のレンズを使えば良い。
初装から殆ど(遠近であることを)意識せずに快適に使えるだろう。
ここで中間報告
【メーカー】
東海光学/ HOYA /ニコン
【品名】
サミットプレミアム /ベルーナ ビーダーパル/レガリア
【屈折率】
1.7 /1.6 /1.67
【累進帯長】
12mm/ 11mm/ 14mm
【コート】
パレット ヴィーナス ECC
バイオレットガードコート
【グレード】
中上級 /中上級/ 廉価版
「左から順番に東海HOYANIKONで採点」
5 6 4 【遠用明視域性能】
5 5 4 【中間明視域性能・鼻側】
5 6 6 【中間明視域性能・耳側】
5 6 3 【近用明視域性能】
5 6 6 【度数変化の穏やかさ】
5 7 5 【装用感・揺れ・水平】
5 4 5 【装用感・揺れ・上下】
5 6 6 【装用感・歪み】
5 6 6 【収差領域の谷の深さ】
5 6 6 【収差領域の谷の変化するスピード】
3 6 5 【装用感総合評価】
53 64 56 【総得点】
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 11~
前回はニコンの量販グレード、ビーダーパルのレポートをお送りしたが、
今回は、それの一つ上のグレード、ニコンのプレシオiというレンズの評価を、
あくまでも独断であることをお伝えしつつご紹介させていただく。
この両者の比較してみると以前にニコンのセミナーで
ニコンの開発者の方がおっしゃっていた。
「極力最初は廉価版の遠近から始めて下さい、
そして加入度を上げる度に、グレードを上げていく
と違和感が少なく、視野の狭さに悩まされることも
なく快適に装用できます。」
とおっしゃっていた意味が少し分かった気がする。
それ程に同じメーカーで度数が同一という条件下では一般の方に
その違いが分かるのかどうか、甚だ疑問に感じた。
だが、一つ言わなくてはいけない点は、ビーダーパルは累進帯長 14mm、
プレシオ i は 13mmの累進帯での比較であることを考慮する必要があるということだ。
おさらいになるが、累進帯長が長くなればなる程通常の生活時の装用感としては快適になる。
こういって差し支えないとお伝えしている。
今回は 1mm短くともその差が分からなかったのだから、
その分、プレシオ i の方が設計として一つ先に行っている。
累進帯が短くとも装用時の違和感が少ないのであれば、
近用度数までの距離まです~っと合う。
つまり(中間度数は置いておく)違和感無
く、かつ手元が見やすくなる訳だ。
よく見る光景は、遠近レンズで読書する際に、顎を上げて極力
レンズの下部を使って手元に合うように使用している方がいるが、
累進帯の短いタイプであれば顎を使わずとも目線を下げるだけで
容易にピントが合う。これが快適な場合が有ると僕は言っているのだ。
それでは点数としての差別化は非常にしにくかったという
点を踏まえて以下の採点をご覧になっていただきたい。
【遠用明視域性能】 4,5~視界の広さとしてはビーダーとほぼ変わらない、だが収差領域に入っ
た時の谷の深さに違いがあった。要は収差領域ではプレシオ i の方が谷が浅い=歪みが少ないと
感じた。だが東海のレガリアと比較した時には、レガリアの方が秀逸と感じたので間をとって 4.5 と
した。この差は殆どの方が実感出来ない程の差であろう。そう考えるとこのブログではケチョンケ
チョンにけなされてきたレガリアを再評価しなくてはいけなくなる。何故ならレガリアの累進帯は12
mmで作成しているからで、それは遠用明視性能としては出しにくい不利な状況だからだ。
【中間明視域性能・鼻側】 4,5~レガリアと比較すると明らかに鼻側の収差領域が広く、そして明
視域が狭いと感じた。またビーダーパルと比較すると違いが分からない状態だが、累進帯が短くと
も同程度の視界を確保していることを評価し 4.5 とした。
【中間明視域性能・耳側】 6~ここはプレシオ i の圧勝と言ってもよい。ここの性能に優れるとい
うことは装用感に優れているということを意味している。
【近用明視域性能】 4~これは分かりやすい採点で、単純にサミットプレミアムが一番手元が広
く、次にレガリア、そしてプレシオ i、そしてビーダーパルの順に性能が落ちていった。
ここで着目すべきは累進帯がサミットプレミアムの 11mmから、レガリア=12mm プレシオ i=13mm
ビーダーパル=14mm と変化したことだ。これもおさらいになるが累進帯長が短ければそれだけ遠く
は狭くなり、手元は広くなるとお伝えしたが、
その原則通りに手元用の明視域が変化していっていることが分かる。
【度数変化の穏やかさ】 6~前回のビーダーパルでもお伝えしたが、ここでの採点が一番しにく
いと思う。だがグレードを上げれば累進帯の短さはカバー出来るとは言えそうだ。
【装用感・揺れ・水平】 5.5~ここも微妙な差だったが、ともかくサミットプレミアムの揺れの少なさ
はコストを考えても特筆すべきだと思う。プレシオiはレガリアやビーダーパルより多少いいかな?
という程度。
【装用感・揺れ・上下】 5~ここも差は殆ど感じないが唯一、サミットプレミアムだけ、上下の揺れ
を強めに感じる。これは勿論累進帯が短いためだと思われる。
【装用感・歪み】 6~これは正直レガリア以外は変化を感じない。逆に言えば、累進帯が短くとも
それを弱点としていないサミットプレミアムを優秀と捉えるべきか?また廉価版のビーダーパルだ
って累進帯を 14mmとってあれば、入れる枠は天地が高い枠が必要にはなるが、それさえクリア
ーすれば装用感としては充分に使用に耐える実力だと言ってもよい。だがお店ではまたモニター
していないが、サミットCD/PRの累進帯が 14/11mmと二種類取り揃えた 11mmタイプが売れ
筋となっている。現状、流行の枠に入れようとすると 14mmタイプはあまり出番が無いというのが
実感だ。
【収差領域の谷の深さ】 6~ここもレガリア以外は微差、ただし採点には表れない程度にサミット
プレミアムの谷が浅く感じた。ビーダーパルとプレシオ i はまるで変化無し。ここら辺で 4 本の眼鏡
を次から次へとかけかえていると、クラクラとし、吐き気に近いものを感じた。だがあと少し!
【収差領域の谷の変化するスピード】 7~今回のプレシオ i 編のハイライトだが、ここが一番プレ
シオ i らしさが出た。レンズの端まで言っても大きく像が崩れにくく、今回比較した4本の中でも一
番素晴らしい。
【装用感総合評価】 6~正直、装用感は日常の使用状況からでもビーダーパルとの差を感じる
ことは殆ど無かった。だが累進帯を1mm短くしても同程度の視界を確保したニコンの開発者様に
敬意を表しビーダーより 1 点高くした。それにしてもセイコーのスーパーP-1ネオは素晴らしい、
と言っていたらまたセイコーの問屋さんが新レンズのパンフレットを持って来てくれた。スペリオー
ルP-1という品名だがまた機会を作りレポートさせていただきたい。今の所、セイコーの最高峰
がぶっちぎりに良いのは変わらずだ。
【総得点】~60 点
【寸評】~繰り返しになるが、最近流行の枠に対して 14mmや 16mmの累進レンズは僕のような
お店では登場の機会が無いに等しい。だがその枠の天地を高くするという必要があるという条件
がハードルではないのであれば、極力天地の高い枠にゆっくり度数が変化する累進帯の長い設
計のレンズを選ぶチョイスの方が安価にご満足のいく仕上がりとなる。
これは昔から言われてきたことだが、だからといって最新のコンパクトな設計のレンズが
装用出来ない程に酷いレンズかと言えば決っしてそんなことはないという意見を、
販売する側から情報発信する必要性を僕は感じている。
今レポートしているレンズはセイコーを除けば、どれも最高級グレードという訳ではない。
だがそれでも充分に僕は使えている。これだけはしっかりとお伝えしたい。
今日の格言は
「遠近両用レンズ、天地が浅けりゃ、価格は高く。」
これはセオリーとして覚えておいた方がよさそうだ。
慣らすのに大変、そういったリスクを減らす効果が
設計を最新のレンズにするという場合には意味があるということだ。
一方こんな格言もありそうだ、
「遠近両用レンズ、加入が弱く、天地が高けりゃ安上がり。」
上記の条件を満たしていれば廉価版でも充分に使用に
耐えうる性能を発揮出来る場合がある。
これもセオリーとして言えそうだ。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 12~
僕は今、「僕の遠近両用眼鏡奮闘記」というシリーズもので遠近両用レンズのモニターテストして
いる。数あるレンズメーカーの中でも、僕のような強度のプリズムで作成出来るレンズに絞り、
レポートしているのだが、まだその道は長く、未だに各社のレンズをレポートできていないのが
現実なのだが、SEIKOより、そんな僕に更に働け!と鞭打つかのように新製品が発売された。
その名も
「SuperiorP-1」だ。以前の最高峰レンズであるP-1 ネオよりも若干修正が加えられている。
果たしてそれが効果あるのかないのか?いずれこのブログで報告させていただくが、
まずはメーカーからいただいたパンフレットを元にその改善点を報告したい。
またP-1 ネオについては既に僕の度数で作成済みだが、あまりに装用感が良すぎたために、他社
との比較にならずぶっちぎりの満点に必然的になってしまうためにHOYAのトリニティーで作成し
てから比較しようと思っている。それ程素晴らしい設計のレンズの更に上を作る意味があるの
か?それともないのか?僕には判断がつかないが、それでも常に消費者に良い品をという商売の
原則に照らし合せればそれもありなのかな?とも思う。
それでは改善案をお知らせする。
1)前傾角を指定し、それに合わせた度数補正をかける。それの図がセイコーのカタログに有った
のでいつもの僕の携帯写真だがご覧いただきたい。
この前傾角を合わせる効果は遠近両用レンズ(累進レンズ)であれば更に効果大だと
言われているので僕のソフトよりももっと度数が変化すると思った方が良いだろう。
この図がイメージを上手く伝えられているかどうか不安なので、
僕の持っているソフトで前傾角が変化するとどう変わるのか?
あくまでも単焦点での比較だがお伝えしたい。
【1テスト用参考度数~あおり角 3 度 前傾角 8 度で】
RS-6.00 C-1.50 AX180
LS-2.00 C-0.50 AX90
【2上記度数を~あおり角 3 度 前傾角 20 度に変えてみる。】
変更後の度数。
RS-5.75 C-0.62 AX10
LS-1.75 C-0.62 AX93
スペリオールP-1
左が前傾角 0 度 中が前傾角 10 度 右が前傾角 20 度でそれぞれ上段が補正前、
下段が補正後になる。濃紺の部分がレンズの光学的には秀逸な部分で
0 度と 10 度だとそれ程変化はないが、20 度になると遠用の明視域に
水色が入ってきているのが見てとれる。これが光学性能が落ちた状態で、
一方それに補正を掛けた下段では、明視域が広くとれるのが分かるだろう。
大袈裟な比較にはなっているが、効果は確かにあると電卓は言っている。
それが実際の装用感ではどうなのだろうか?
実際にお店では前傾角を 20 度で設定することは非常に稀だとは思うが、
ともかくあおり角を変えれば度数が変化する話は以前からこのブログでお伝えしているが、
この通り前傾角でもこのように変化するのだ。分かりづらいかと思うので補足するが、
1の度数のまま前傾角を変化させると強すぎるので2の度数に変換する必要があるということだ。
これをセイコーさんはより精密な計算式を入れて再補正するのだろう。
遠近に限らず眼鏡のフィッティングに前傾角が必要な意味はお分かりだろうか?
これも繰り返しにはなってしまうが、光学の基本だがレンズはレンズ面に対して
眼線(視軸)が直交している状態が一番光学性能が優れている。
そして人は手元を見る時に、必ず眼線を下げる。
その下げた眼線だけに合わせるのなら前傾角はしっかり付けるべきだ。
だが人は遠近両用レンズで手元だけを見る訳ではなかろう。
例えば歩いている時には人は約 5m先を見ながら歩く、そうすると眼から道路ま
でに線を引けば底辺の長い直角三角形が出来る。
この時の角度も考慮しなくてはいけない。
だから僕ら眼鏡屋は頻用眼線に合わせることを良しとする。
2)累進帯を 10mm~18mmで選べる。これにより揺れを軽減させるためにぎりぎりまで長く累進
帯を設計出来るメリットがある。以前は 2mピッチだったので、それに比べると差は歴然とする筈
だ。また回旋力の衰えたご年配の方に少しでも手元を近くしたい。そんなニーズにも応えられる。
3)ベースカーブを度数によっては深めが選べる。これをヨーロッパのカーブが深いフレームを選
ばれた方には嬉しい機能だ。お店で試着したときとあまりにもイメージが変わり平らになってしまう
のを残念がる方もいるからだ。
その他にも両面設計や好みに合わせて3タイプの設計から選べる。などセイコーのこだわりがこれ
でもかとてんこ盛りだが、それは今回の新作以前の機能なので割愛させていただく。
どうだろうか?少し一般の方には難しい話だったかもしれない。だがメーカーのこだわりを伝える
義務が僕らにはある。そしてそのこだわりの結果が素晴らしいものであれば、お客様とメーカーに、
良い品(レンズ)とお客様とのご縁をいただけたお礼をいわなくてはと思うのだ。P-1 ネオ以上の感
動をいただけるのだろうか?自分で書くレポートを楽しみにしたい。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 13~
本当に久しぶりの奮闘記だが、今回は一部訂正から入る、
東海のレガリアの累進帯に関して、僕は 12mmと記述したが正しくは 11mmだった。
訂正してお詫びさせていただく。申し訳ありませんでした。
なので以前のレポートではレガリア 12mm、サミットプレミアム 11mmの対決としてお伝えしたが、
実際には 11mm同士の比較ということになる。なので、僕は 12mmのレガリアより、11mmのプ
レミアムの方が装用感に優れるというのは素晴らしいとレポートしたが、実際には 11mm同士の
対決だった。その点、レガリアはかわいそうだった。
それにしてもプレミアムがレガリアより素晴らし
いレンズであるという僕の見解は何も変わらない。
それ程にコストパフォーマンスに優れたレンズ
だという評価は、あれから少しも変化していない。
それでは久々のレポートだ。
【使用レンズ】今回レポートさせていただくレンズはHOYAの上級グレード、
サミットFDの調光グレータイプだ。累進帯長=11mm 設計は
両面設計お客様の評判がすこぶる良いのでご予算に
余裕がある方には真っ先にお勧めしているレンズだ。
【遠用明視域性能】 7~遠用明視域は耳側でプレミアムとイーブン、また鼻側はレガリアの方が
優れている。全体的な装用感としては、プレミアムに軍配が上がる。
だがFDは一味違った。耳側の明視域はプレミアムとイーブンか、
若干秀逸、ただし鼻側がレガリアと同等か若干秀逸。
つまりレガリアとプレミアムのいいとこ取りをして更に装用感を上げたように僕には感じるのだ。
セイコーのP-1ネオを除けば、明らかに過去最高のレンズと言って良いだろう。
【中間明視域性能・鼻側】 9~ここはFDの独壇場、それ程に素晴らしい見え心地だった。累進帯
が短ければ中間は非常に使い辛いだろうと思っていたが、いい意味で裏切られた。それ程に収差
領域を意識せずに装用出来た。他のプレミアムやレガリアだと首を振る必要を感じてしまう。
【中間明視域性能・耳側】 8~ここもレガリアやプレミアムと比較するのがかわいそうな程の性能
差を見せていた。何しろ 19 インチのPCモニターのほぼ全面をカバー出来た。レガリアやプレミア
ムではこうはいかなかった。ただしセイコーのP-1 には負けた。ここは最高級レンズの面目躍如、
どちらも甲乙つけがたいが僅かにFDの方がモニターの端で収差を多く感じる。
【近用明視域性能】 7~ここもFDが勝ったが圧勝という程ではない。プレミアムと比較し鼻側の
明視性能は大差無かった、ただし鼻側ではFDが明らかな勝者となる。レガリアの5点とプレミア
ムの6点この1点以上の差を正直感じるが、7としたのはレガリアとプレミアムの差はそれ程無
かったのに無理やり差を付けた感があった為。
【度数変化の穏やかさ】 6~ここはプレミアムとの差が分からなかった。ただしレガリアよりは秀
逸であることも間違いない。
【装用感・揺れ・水平】 8~ここはプレミアムよりも僅差でFDの方が優れている。プレミアムでも
充分だと思っていたが上には上がいることをFDやP-1 ネオの上級グレードは教えてくれる。
【装用感・揺れ・上下】 6~この揺れのチェックでもFDは素晴らしい。ここが成績がよろしくないと
歩くのに怖くなってしまったりするから大事だ項目だ。
【装用感・歪み】 7~この項目は長時間装用してみないと分からないのだが、
やはりFDは素晴らしい。慣らす必要を殆ど感じなかった。
ただ一つ言えることは遠近両用の設計を上げる時に違和感が出ず、
下げると強い違和感が出るのだと僕は分析した。
レガリア⇒プレミアム⇒FDと上げていけば当然違和感は少なくなる。
その点レガリアは少し多めに見てあげてもいいのかもしれない。
ここら辺で色々な眼鏡をかけかえてチェックしてたら吐き気がしてきたので
レポートを一回中断する。
...ふっかつ!!やっと気持ち悪さが取れた。
それではレポートを続ける。
【収差領域の谷の深さ】 7~プレミアムと比較して耳側では大差なし、鼻側がFDの方が収差を
感じにくい。レガリアは耳は駄目だが、鼻はプレミアムより秀逸。
【収差領域の谷の変化するスピード】 7~これも耳/鼻両方ともにFDの勝ち。
【装用感総合評価】 8~装用感としては、プレミアムでも充分と感じていたが、実際に実務をこな
して明視域の広さを比較するとレガリア、プレミアムとは比較にならない程に拾い視界を得られる。
これはありがたい、11mmの累進帯ではPCには無理があると思っていたが、これなら充分にこな
せると感じた。今はやりのワイド画面だと首を振る必要はあるだろうが、従来の縦横比の画面であ
ればこれで充分にいけるし、実際の処方では今回のモニターテストのように完全矯正値で作るこ
とは無いだろうから、更に利便性は増すと予測される。
総得点 80 点~今までの最高得点はプレミアムの 64 点だからぶっちぎりにFDがいいと言える。
【寸評】~今までモニターしたレンズは遠=8 割り 手元=2 割りの使用目的なら問題無しと言えた
が、FDなら中間距離も含めて 5 対 5 でも行けるのでは?と感じた。明視域がとにかく広い、だがP
-1 ネオとの比較では更にP-1 ネオの方が素晴らしいと感じたので、遠近両用レンズの世界もまだ
先があることは間違いない。
次回のお知らせ、次回は東海光学の脳科学理論を駆使した全く新しい遠近両用レンズ、ベルーナ
レゾナス。これのレポートをお伝えする。これが作ってからそろそろ1ヶ月、お客様の評判では、今
回べた褒めのFDと同等に近い評価をいただいた要注目のレンズだ。お楽しみに m(__)m
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 14~
今回ご紹介するレンズは東海光学のベルーナレゾナス(以下レゾナス)、
脳科学を駆使した最新の設計の新商品だ。実際にグラシアスに導入されてから
でもシェアを堅実に伸ばしている。
それではそのレンズの品揃えを下記の通り簡単にご紹介したい。
【屈折率】~1.60、1.70、1.76 の三種類、これで様々な条件の度数でも対応しやすい。
ただし欲を言えば 1.50 も有ればありがたい。近視の方で遠くを見るのに多少見え辛い、
この程度なら光学的にも 1.50 の CR 素材の方が他の素材に比して優れているからだ。
何も高いお金をだして性能を落とす事はない。
まだ噂の段階だが今度の IOFT あたりで CR 素材を発表するとかしないとか...。
【累進帯】~15mm、13mm、11mm三タイプあると作る側である我々も選びやすい。これで小振
りなフレームでも余程天地が浅くなければ遠近作成可能な筈だ。今回は真ん中の 13mmでレポ
ート。
【内面非球面/内面累進設計】~以前にレポートしたレガリアと設計の大きな手法としては変化が
無い。今流行りの両面設計では無いということだ。
【遠用明視域性能】 9~これは、FD は言うに及ばず P-1 ネオすら凌ぐ高得点だ。非常に広く、し
かも収差領域の始まりはレガリアと大差ないのだが、始まってからが非常に穏やかでマイルドな
変化、意地悪な使い方をしてもそこそこ見えてしまう。素晴らしい。
【中間明視域性能・鼻側】 4~この点数は驚いた。鼻側とは内側を指しているのだがここが意外
なほどに早く収差領域が始まり、レガリアの方が比較的広く明視できた。だが装用感としては圧倒
的な程にレゾナスの方が快適なのだからこの領域というのは殆どの人が使っていない領域と判断
しそこの性能を落としその代わり他の箇所の光学性能を上げたのかもしれない。これは意外だっ
た。
【中間明視域性能・耳側】 10~僕はここを比較して「あ!」と声が出た。こういうことかと合点がい
ったのだ。圧倒的に広い、今までで最高得点だったセイコーの P-1 ネオより広いのだ。視野と装用
感のバランスに優れている。そういった評価となった。
【近用明視域性能】 8~ここも鼻側は FD より狭く、耳側は広い。サミットプレミアムも秀逸だが、
比較は FD との比較となる。外面累進のプレミアムは内面累進のレゾナスには敵わない。比較は
両面設計の FD との比較になるのだ。これは素晴らしい。両面に設計しないということはその分安
価に小売上代を設定出来るということだ。レゾナスの両面設計もいずれは発売されるであろうから、
それは期待したい。
【度数変化の穏やかさ】 9~これも素晴らしい、意地悪な使い方をしなければ遠近を意識しなく
ともよい。P-1 より自覚として楽だと感じた。
【装用感・揺れ・水平】 9~これもレゾナスは素晴らしい。FD より収差領域の端の部分で若干歪
みが少ない。P-1 ネオとは好みの問題程度の差、レゾナスは本当にレンズの端の方でぐわっと歪
む部分があるが、これは余程の使い方をしないと分からない。P-1 ネオはそのもう少し前から歪み
だすが、それでも破綻しないで像の形を維持し保つのだ。
装用してみると P-1 ネオとは甲乙の差をつけ難いが、
価格は多分どのお店でもレゾナスの方が P-1 ネオより安いと思われる。サミットプ
レミアムのコストパフォーマンスも素晴らしいがレゾナスも素晴らしい。
【装用感・揺れ・上下】 5~ここはプレミアムより若干素晴らしいという程度、ここは FD や P-1 ネ
オの方が明らかに楽だと感じた。
【装用感・歪み】 8~これも素晴らしい耳側に圧倒的に広い視野があることが功を奏し、一般の
消費者レベルでは、日常揺れを殆ど感じないのではないか?FD より広い、だがここは P-1 ネオの
独壇場で更に広い。収差領域の端でも充分に像の形を維持する。その為満点としたいところだが
更に上が居た為 8 点とした。
【収差領域の谷の深さ】 7~ここは FD と同等の採点とした。ただし使用状況によってこの二つの
レンズをチョイスすればよく、明らかに性格が違うレンズなのでそうこを考慮して眼鏡店の店員は
提案すべきだと思った。もう少し詳しく解説すると耳側と鼻側合算したうえで収差の谷の深さを比
較するとほぼイーブンなのだが、それぞれ分けると性格の違いが顕著にでる。装用感を重視する
なら耳側が広いレゾナスを提案すればよく、PC 等近用作業を重視するなら FD の方が快適だ。19
インチ程度の僕のモニターなら 11mmの累進帯の FD でもモニター内はほぼ像は乱れず認識出
来る、レゾナスでも破綻しないのだが、中間/近用視野の広さという点では FD に敵わない。更に
言えば、初めての遠近で極力揺れ歪みを感じたくないと怖がっている方にはレゾナスの方がアン
パイだし、近用は別に用意するわけでもなくともかく遠近両用眼鏡1本で普段の生活を賄うという
意味では FD の方が有効かもしれない。
【収差領域の谷の変化するスピード】 7~ここも FD と耳側と鼻側で性格は違うもののほぼイーブ
ン。ただし装用感という意味では耳側に広くとった方が理論上も具合が良いのでレゾナスに分が
有るか?ただし僅差なのでここは FD と採点上は同点とした。
【装用感総合評価】 8~ここも FD と同点だが、点数は各項目似通っているが、性格の違いは本
当に大きく、ここは消費者も眼鏡店の方々も知っておくべきだと感じた。
総得点~84 点(FD より4点総得点で上まる。何しろ楽なのだ。)
【寸評】~コストパフォーマンスに優れ、装用感が素晴らしいレゾナスは、遠近初心者向けに最適
だと思われる。だが揺れも体感済みな上級者であれば近用の視野がもう少し欲しいと言われるか
もしれない。そういった性格の違いがある。後は初心者向きに売るためにも 1.50(CR)素材での品
揃えを僕は強くお願いしたい。
プリズム滋郎のつぶやき~今回も吐き気と戦いながらのモニタリングだった。二ヶ月に一回程度
のゆっくりとした企画になってしまっているが、この記事を書くにはそれなりの覚悟が必要なのだ。
ちなみに次回はグラシアスでも乱視が強い等、少し難しい目の方には迷わずお勧めしているニコ
ンのプレシオパワーだ。楽しみだ。といっていたら今度ニコンから更に上級グレード、シープラウド
のリニューアルモデル、シープラウドパワーが発売されるとの情報が...。レンズメーカーの開発の
ペースについていけない(涙)
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 15~
久々にやる気になったので今日は遠近両用レンズのモニターを
いつものように吐き気と戦いながらお届けしたい。
今日のレンズはニコンからは上から二番目に位置するレンズ、
プレシオパワーをお伝えする。そしていつものように遠用明視域からお伝えしようと思ったのだが、
少し困ってしまった。何が困ったについては後述するが、とりあえず品揃えのご紹介からしよう。
【商品名】ニコンプレシオ・パワー
【設計】両面設計 かつ 16 軸収差補正設計、3D パワーアシスト収差フィルター面 ニコンの 16 軸
設計が僕は好きだ。遠近に限らず乱視の強い方にこれで作って差し上げるとそれこそ泣いて喜ぶ
ほどに効果を実感する方が多い。更に枠 を指定して収差フィルターをかけるポイントの密度を
上げたシープラウドパワーなんて最上級グレードも発売され ている。それもまたモニターせね
ばなるまい。
【品揃え】
1屈折率 1.60 1.67 1.74~やはり CR(1.50)は無いのね、CR 素材そのものは明らかに流行で
はない、だが古い素材だから機能が悪いかというとそうでもなく、アッベ数、比重を見ても優秀だ。
だが 1.50 素材を廉価品というイメ ージに仕立て上げ 1.60 を主流にし、単価アップを追い求め
た業界の取り組みの結果であり、商業主義の弊害が見え 隠れする。
裸眼でもそれ程視力の低下がない人でも遠近は必要という人は多い、
だがそれに 1.60 が必要とは必ずし も言えない。
堂々と 1.50 で充分です。と言うべきだと思う。
だがここで一つ問題が、1.50 素材に UV カットを練りこ まずに開発し
UV カット機能をコートで付加する場合がある。
これはレンズが黄ばみ高級感があるとは言えない。
僕 はこのお店を立ち上げた時からレンズメーカーの営業担当に
1.50 で UV練りこみにしてよ、とくどいくらいに言い続 けてきた。
それは CR 素材が素晴らしいと知っている
からだ。ニコンに限らず顧客満足を追求するのなら
安易なイン デックス(屈折率)競争をするよりも 1..50を真面目に品揃えし、
顧客満足を追求することが中長期的にみれば業 界の利益ではないか?と問題提起したい。
目先の利益を小手先のテクニックで追求すれば賢いユーザーには
それが 透けて見える。これを開発者/メーカーの営業担当/小売がしっかりと
理解することが必要だと僕は思う。
2累進帯 14mm 13mm 12mm~1mm刻みは嬉しい、1mmというとそれを細かく設定す
ることに意味があるのか?と多くの消費者は思われることだろう。これが効果が大有りだというの
が僕の見解だ。
3コート ECC(ハードマルチ 撥水の複合コート) SEE(ECC に比較し、より硬いコートになり、最
近流行の帯電防止もカタログに明記してはいないが機能が付加されているそうだ。また SEE の肝
は反射の少なさ、こにこだわる 方は現状少ないが、裸眼のようにスキッと見える。レンズの端
にいってもそれ程反射の機能が落ちずに機能してく れる。他社のコートの多くは端に行くと赤い
光りに反射光が変化し目障りと感じる場合もある。SEE でもそれが無 い訳でもないが、変化の
スピードがよりゆったりと変化するのだ。)
ではいつものように採点させていただくが、先ず最初におことわり、今回のプレシオパワーをモニ
ターすると今までの僕の評価基準では足りなかったと感じてしまったのだ。僕はこの遠用明視域
性能の比較をする際に、明視域の広さをチェックしていた。そしてそれで充分だと思っていた。とこ
ろがこのプレシオパワーを掛けてそれでは足りないことに気付かされた。
それは明視域の収差マネージメントがニコンだけ飛びぬけているのだ。
遠くの風景を見た時の鮮明度がコートの効果もあるのかもしれないがそれを抜きにしても抜群にいい。
本当に同じ度数か?と思う程にだ。だがそこを重視したが為に収差領域のマネージメントは犠牲になる。
そしてそこを犠牲にすることで装用感が下がるのだ。ニコンはこれを分かった上で、
明視域勝負をしている。僕はこれに気付き感動した。
現状どの遠近を見ても必ず明視域と収差領域はレンズの中に存在する。
ニコンを除く三社は収差領域のマネージメント、
そして明視域から収差領域に変化する領域のマネージメント、
ここを競っていたのだ。ところがニコンは違った。
レンズのど真ん中を使ったって他社と差別化うちは出来ますよと堂々と宣言し、
収差領域の光学性能一部犠牲にしていると僕は感じるのだ。
初めて遠近を使う人はレンズの全面が使えない遠近両用というものに当然誰でも戸惑う、
見たい方向に首を振るという癖が身に付いていない。
そういった方には正直、ニコンよりは他社さんのレンズの方が揺れを感じにくいかもしれない。
でも長年遠近を使って、レンズの癖が理解されている方にはニコン
の高級レンズの独特な世界をどうか味わってみて欲しい。
僕は遠近の可能性をこうやって色々なメーカーを比較してみると感じる。
各社それぞれのコンセプトがしっかりと有るのを僕は感じるのだ。
あくまでも現状で、という条件は付くが、普段の生活で、
手元はそれ程長時間見ないし PC もそれ程しない。
そういった方には東海のレゾナス(両面設計のレゾナス R はまだモニターしていない。)を、
装用感は求めるが1本でともかく手元も PC も使いたい。
こういった方には HOYA の FD を、
とにかく今まで遠近何本も作ったが使いにくい、いくら出してもかまわない、
こういった方にはセイコーの P-1 ネオ
(スペリオール P-1 はまだモニターしていない。)を、
そして僕の眼は多少難しいからとにかくまっすぐ前を見た時にすっきりし
たいという方にはニコンのレンズを、ご予算に合わせて選べばよいと思う。
そして遠用や近用の広さを少しでも求めるのであれば、
それは極力上のグレードがお勧めレンズとなるし
、広さは必要無いという方はグレードを下げるのも良いだろう。
難しい目って何?と聞かれれば一番分かりやすいのは乱視が強い方が
効果が体感しやすいだろう。僕の眼は弱度の乱視だがそれでも違いが
分かったのだから本当に乱視がそこそこあればより感動のレベルは高くなる。
それでは長い前置きはこの程度にして採点に入る。
【遠用明視域性能】8~既に述べているが、明視域は広い、FD と同等程度か?だが明視域と収
差領域との差が FD よりはっきりと急激に変化する。特に鼻側でそれが顕著に見て取れた。それで
も広大な明視域を目線で泳がしてみても像の破綻が僕の感度では殆ど感知できなかった。遠近
の新たな採点基準をこのレンズに教えてもらった。
【中間明視域性能・鼻側】5.5~ここはレゾナスのような衝撃があった。ここを犠牲にして得られる
何かをニコンは追求したということか?ここの比較はあくまでもレガリアとの比較であり、FD とは比
べる気にもならなかった。プレシオ i よりレガリアが優れ、更に若干プレシオパワーがレガリアより
広いという印象か?
【中間明視域性能・耳側】8.5~やはりというべきか、装用感を左右する耳側に中間明視域を広く
設計されていた。だがこの広さでは抜群のレゾナスやセイコーのP-1 ネオには敵わない。レゾナス
はここ思い切って明視域を集中しているだけのことはある。だが明らかに FD より優れていることは
実感出来た。
【近用明視域性能】9~中間度数の分布によ近用はレゾナスと度数分布が似通っている事を予
想したが、その通りだった。だがレゾナスより近用耳側の明視域が明らかに広かった為にレゾナス
より 1 点加算した。だがここでも P-1 ネオ恐るべしの性能で驚くべき広さを誇っていた。FD は鼻側
に限って言えば、P-1 ネオに匹敵するほどだが、耳側では P-1 ネオは勿論、レゾナス、プレシオパ
ワーにも敵わなかった。
ここで一つ疑問なのだが、あなたが新聞を広げて見ていたとすると
中心部が広く見えた方が嬉しいだろうか?
それとも中心が多少狭くとも端まで見えた方が嬉しいだろうか?
例えば文庫本程度ならどの遠近両用レンズでも充分にカバー出来る、
だが手元の広さはどこまで必要なのだろう?
僕らが求める究極のレンズは若かった頃の裸眼に戻してくれるレンズ。
これがニーズなのだと僕は思うが、だとしたら中心も端もしっかり見えた方がよいのだろう。
ところが
繰り返しになるが現在の設計理論では必ず見える部分と見えない部分が
一つのレンズに混在した設計される。だからこの収差領域のニーズについて僕ら小売店は、
しっかりお客様から声を集めレンズメーカーに伝えるべきだろう。
僕個人的な見解では、新聞より PC の方が見る時間が長いので
鼻側に明視域を広く設計したレンズを好ましく思う。
だがレゾナスや P-1 ネオの圧倒的なまでの装用感の良さも捨て難い。
結局結論には至らないのだが、用途によって設計を使い分けるのも有りではないか?とも思う。
ここで少し脱線するが、多くの小売店はこのメーカー毎の設計の癖を
全て把握している訳ではない。また、様々なレンズを扱うと
最初は加減や加工のレイアウトの癖が分からずに小売店は
クレームとなり再作成となってしまうことを酷く恐れる。
その為、遠近は A 社、単焦点は B 社等、品揃えを限定しているお店が多い。
消費者としては僕の記事をもしご覧になって
こうしたメーカー毎の一長一短を知ってしまうと各社の設計を比較し、
相談したいと思うのではないか?
では一体そのニーズや消費者の質問に答えられる小売店がどれだけあるのだろう?
と僕はこのレンズメーカーを1社でべったりしている多くの小売店の現状では
これから眼鏡文化として成立させる為に幅広く求められる顧客のニーズに
応えられないのではないか?と少し心配してしまった。
【度数変化の穏やかさ】9.5~これも秀逸、ただし P-1 ネオには敵わなかった。累進帯が 12mmの
プレシオオパワーが、13mmのレゾナスよりも像は破綻しない点は好感がもてた。逆に 11mmの
FD はここは苦手なようだ。例えば普段の生活で相手との会話中にうんうんとうなづいてみる。この
時の揺れを僕はチェックしている。10 年前位に設計されたレンズでは対象物が前へぐわんと寄っ
てきたりして見える(敢えてどこのレンズとは言いません。)普段の生活で目線を固定したまま顔
が動いたりするシーンではプレシオパワーは抜群な揺れの少なさだった。
【装用感・揺れ・水平】5.5~繰り返しになるが、ニコンは収差の谷を敢えて強めに深く残し、明視域
の光学性能を追求している。だがここは好みの問題とはなるが、ここでの比較は HOYA のサミット
プレミアムとの比較となった。収差の谷がプレシオパワーの方が深かった。特に鼻側の収差の谷
がニコンは深く HOYA はマネージメントが秀逸だった。そう考えるとサミットプレミアムのコストパフ
ォーマンスも捨て難い。となる。ニコンはやはり違いの分かる度数で、揺れを既に体感されている
方、つまり上級者向きとここでもやはりなる。
【装用感・揺れ・上下】7~ここもプレシオパワーは秀逸で FD よりもレゾナスよりも装用感として楽
に感じた。この上下の装用感の比較ということは、明視域の中で変化するその変化の加減のマネ
ージメントでもある。ここでの原則はやはり累進帯が長いものの方が簡単に楽に出来るということ
になるが、最新のレンズと10年前の設計の累進帯が14mm程度のレンズと比較しても遜色なく、
勝るとも劣らないとの印象を僕は受ける。12/11/10mmの遠近両用レンズだって最近は充分に
装用に耐えると僕は思うのだ。
【装用感・歪み】7.5~レゾナスや P-1 ネオの自然な見え心地には敵わないが、それでも FD と同等
程度に慣れやすく快適だった。だがニコンはそこを狙っていないと思うので、それなのに結果とし
て明視域と広げる努力で装用感が向上した。別にニコンびいきではないが、この真面目な努力
は、素晴らしいと思う。
【収差領域の谷の深さ】6.5~プレシオ i より浅くなっているのは分かるが、それでも FD の方が浅く
設計されている。
【収差領域の谷の変化するスピード】7~プレシオ i よりゆっくり変化しているのは分かるが、それ
でも鼻側で少し早く収差領域始めている。装用感を重視したためか?それとも僕の今回の加工上
の問題なのかは分からない。
【装用感総合評価】8~これは FD とレゾナスと同点となる。また、同点でも個性がこれ程出るとは
思わなかった。総得点でも FD とレゾナス、プレシオパワーは近い点数だがお求めになる方の生
活パターンに合わせて提案したいと思う。自分の為のメモ書きとして記しておくが、FD は手元を広
く見たい手元重視の方へ、レゾナスはご予算に余裕が無い場合や初めて遠近を作る場合、そして
プレシオパワーが乱視が強い方や、みたい方向に目線ではなく首を振る習慣が出来ている遠近
ベテランの方にお勧めしたいと思う。
総得点 81 点
【寸評】いい意味でも悪い意味でもニコンらしさって何?と教えてもらったレンズ。圧倒的な程に爽
快(この言葉が似つかわしいと思う。)な明視域、そこで勝負するというニコンの設計者の意気込
みと意地を見た気がした。ここら辺で今日は吐き気ではなく、頭痛に襲われた。しばし休憩。
...
...
...ふっか~つ!
実はレポートはここまでなのだが、もう一つご報告がある。
僕はレンズメーカー各社のセミナーに
行くと必ずアンケートに書くことがある。
それは遠近のグレード毎の性能差を数値化して一覧表で
作って欲しいとお願いしている。
それをニコンは更に加入度別で、僕の要望でもあった通常の+2.00 加入ではなく、
+1.50 加入からカスタマイズして作ってくれた。これは嬉しいし、一消費者目
線でも見やすく分かりやすいと僕は感じた。
写真をアップするので多少分かり難いかもしれないが、
ご覧になっていただきたい。
この表から読み取れることは、加入が少ない程に明視域の広がる
度合いも大きいということだ。初めて遠近の加入の少ない方程
グレードアップの恩恵を体感しやすいということだ。
ご興味有る方はご覧になっていただければと思う。
HOYA遠近比較表
HOYAさん、ありがとうございました。
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~中間報告~
午前中に常連さんがエクセルで作った表が貼れるからやってみよう。
と教えてくれました。見づらいかな?
1【遠用明視域性能】~明視域の広さだけでなく、明視域の収差マネジメントも見るようにしている。
また収差領域と明視域の線引きのぼかしかた、も見ている。
2【中間明視域性能・鼻側】~近用度数に変化する間の明視域の広さを比較している。ここに一番
メーカーや商品毎の設計思想が色濃く反映されていると僕は思った。この部分を広げることで PC
作業等での手元さ業のしやすさが決まる。
3【中間明視域性能・耳側】~ここを広げることで装用感が上がる。近年は装用感重視の設計でこ
こを広くとる傾向があることが最新のレンズでは見て取れる。
4 【近用明視域性能】~単純に本を読む、新聞を読む等手元作業をするテープルの広さと言えば
分かりやすいだろうか?廉価版のレンズでも、携帯や時計程度なら充分にカバーする。
5 【度数変化の穏やかさ】~この度数変化とは遠用度数から近用度数に変化するスピードや滑ら
かさ、像倍率の変化の度合い。これらをチェックしている。これも装用感を決定するし、近用度数
までの距離が近いことでご年配の方でも手元を見やすくする効果が短い累進帯にはある。累進帯
の長さでどの程度変わるのかをチェックしたい。
6 【装用感・揺れ・水平】~遠用度数を1点注視し、敢えて首を左右に振ってみる。レイアウトを一
定とした場合の収差領域のマネジメントの思想がここで分かる。一例を挙げれば、P-1 ネオのよう
にピントはぼけるが、像の形は維持し続けるケースや、ニコンのプレシオパワーのようにレンズの
端ではピントはぼけないが、像が一気にぐっと歪む。ここは殆ど使っていないから、その揺れはマ
イナス材料にならないという判断か?首の動きに合わせて目も動かせれば何も問題が無い。
7 【装用感・揺れ・上下】~遠用度数を一点注視し、敢えて首を上下に振ってみる。レイアウトを一
定とした場合の最初の度の入り方がこれで分かる。
8 【装用感・歪み】~消費者目線での装用感、これをチェックしている。実際に使ってみてどうよ、
という使い心地、慣れ易さをチェックしている。
9 【収差領域の谷の深さ】~遠近両用レンズには必ず明視域と収差領域が有るという話は既にお
伝え済みだが、その収差領域の部分を僕は収差の谷と言っている。この谷が深ければ深い程に
装用感として揺れを感じ易いが、ここを浅く、かつ収差領域と明視領域の境目をぼやっと線を引け
ば、それ明視域での視界にも当然影響を与える。設計思想が色濃く出る部分だ。
10【収差領域の谷の変化するスピード】~上記の谷に向かう勾配を評価している。途中まではな
だらかだが最後にきゅっと深くなる設計や、ゆっくりと一定的に変化するタイプとある。これは好み
の問題で谷の深さと同様に一定に変化した方が装用感は上がるが、明視域の光学性能は落とす
傾向にある。し明視域の広さにこだわれば、収差の変化は激しく急流になる傾向にある。
11【装用感総合評価】~実際に1ヶ月以上モニターしてからこの評価をしている。その使ってみた
うえでの総合評価、自分は買いたいか?ということだ。
12【総得点】~開発者が心血を注いで作ったレンズを、安易に点数化することが必ずしも良い事と
は思えない。だがこれをしなければ消費者は、正直に言えばレンズを、レンズメーカーを、選びよ
うが無いと思う。では、実際の店舗では、どうやって選んでいるかというとお店の人が勧めてくれた
からと選んでいる方が多数なのではないか?そんな状態では、自身の生活パターンに合致したレ
ンズ選びとは程遠い仕上がりとなり、結果として良いレンズをメーカーが作ろうと作るまいとメーカ
ーと消費者、メーカーと小売店、ここで評価が成立出来ずにフィードバックせず、なあなあになっ
てしまうことが一番僕は悲しいと思う。
眼鏡を文化に、僕はこのキャッチコピーを掲げている。これの実現の為にはこのような、消費者の
細分化されたニーズに対応出来る専門店の技術レベルの標準化と、それに伴う専門店のシェア
拡大が必要不可欠だと思う。
ちなみに今後も、この評価基準に関しては、逐一変更がるあると思う。それは評価する僕自身が
まだソムリエを名乗れるレベルにないことが最大の要因で、評価方法さえも日々模索している毎
日であるという現実があるからだ。 これでまだ中間報告ではあるが、一覧になった、
少しはレンズ選びのお力になれただろうか?
僕の遠近両用眼鏡奮闘記~その 16~
今回は初めての企画でガチンコレンズ勝負と題して HOYA のサミット CD と東海光学のベルーナ
セレノをメーカーさんに対しては失礼であると承知しながら勝負させてみた。
価格帯も近いのでグラシアスでももろに比較の対象となる商品だ。
だが近いのは価格だけで性格はまるで違ったものになっていた。
プリズム度数が HOYA は 5D まででも作成可で、更に度数条件によっては最高で
8D まで作っていただけるそうだ。(2026年現在は5Dで止めていてこれは残念ながら後退)
これによりグラシアスでは長い間トップセールスを続けている。
一方東海光学は当初 3D までとご回答いただいたが、その後、3D 以上でも作れるようにシステム
を変えたそうで、注文できるようになった。別に僕が言ったから変更した訳ではないのだろうが、
このブログで最低でも片目に 5D は入れられるように言い続けてきた甲斐があった。
【商品名】サミット CD1.67(以下 CD)
【設計】外面累進(サミット)設計~インセット量を指定は出来ないが、
度数に応じたインセット量に自動的に変えて 作る。
【品揃え】
1屈折率 1.50 1.60 1.67 1.70~1.50~1.70 まで品揃えされているのはありがたい。
2累進帯 11mm この他にサミットプロという累進帯が 14mmのタイプが品揃えされているが、
この累進帯 3mm の違いで見え心地、性格は別物と考えてもよいと思う。
3コート ハイビジョン(HOYA 独自の反射防止) VP コート(撥水)SFT(超硬)ヴィーナスガード
(超硬+帯電防 止)
【商品名】ベルーナセレノ(以下セレノ)
【設計】外面累進設計~こちらも可変インセットだが、これはカーブに応じてその量を変えるそうだ。
【品揃え】
1屈折率 1.50 1.60 1.70~こちらもサミット CD に対して 1.67 が無いだけで幅広い屈折率が
ある。グラシアスでは HOYA の 1.67 と東海の 1.70 がほぼ同価格なので、強度の方は東
海の方が薄く仕上げ易い。また 1.70 はアッベ 数も高く、その点では素材としてもお勧め
しやすい。
2累進帯 11mm 13mm(HOYA は 14mmを用意しているので比較的天地幅が高いフレーム
でも対応しやすい。一方 東海は 2mm差で累進帯を品揃えする。これも 14mmだと大き
すぎるけど...と云う場合には使いやすい。)
3コート プロガードコート(撥水) フォギーガードコート(防曇) スーパーパワーシールドコート
(撥水+超硬)
【遠用明視域性能】CD=3 セレノ=4~とにかく CD は明視域が狭い、一方セレノは CD より広く
取れているがその分収差領域には一気に変わり、像の歪みも出る。CD は狭いのだがゆったりと変
化する。ここは好みだと思う。装用感を重視するのなら CD、とにかくお手ごろでも広い明視域が広
いタイプの遠近というニーズには間違いなくセレノの方が優れている。
上級グレードの FD とレゾナスではその性格が逆転していて、
レゾナスの方が装用感に優れている。これが面白いと思った。
【中間明視域性能・鼻側】CD=3 セレノ=4~ここでも CD の狭さは気になる。いちいち首を振ら
ないと PC 作業をする気すらおこらなくなる。だがセレノも CD よりはましと云う程度で、
レガリアの方がより広かった。内面設計の効果か?
【中間明視域性能・耳側】CD=3 セレノ=8~CD はとにかくここも狭い綺麗に見える範囲は本当
に狭い、狭いのだが実は装用感としては悪くないのだ。ここが本当に不思議で明視域も広くなけ
れば収差領域もどこから収差領域というようにゆっくり変化し最後まで像は破綻しない。
一方、セレノのこの数値には驚いた。このクラスとしては圧倒的な程に耳がわが広い、
レゾナスに迫る勢いだった。この高評価でもレゾナスは更に上を行き明らかに
差別化できていたこともご報告させていただく。
セレノが好きになってしまった。また CD は不思議、そんな設計というさじ加減の妙を教え
てくれた。
ちなみに某メーカーの 8mm累進もこの CD と同程度の明視域だが、
その 8mmタイプの装用感は最悪だった。
同じような明視域の設計でも収差領域のマネージメントで
これだけ差がつくのだから遠近両用レンズの世界は奥が深い。
【近用明視域性能】CD=6 セレノ=5~ここまでセレノにず~っと負けていたが初めてここで CD
が勝った。勝ったのだが、CD は鼻側に明視域を広くとり、セレノは耳側に明視域を広くとるように
差別化していた。これにより、単眼での比較ではは甲乙付け難いのだが両眼で見た時には明らか
に CD の方が見やすいし広かった。この時点で遠用重視ならセレノ、近用重視なら CD となる。
【度数変化の穏やかさ】CD=5.5 セレノ=4~ここでも CD が明確にセレノに対し差を付けた。CD
は穏やかに変化するがセレノは少し CD に比較し急激に変化した。レガリアの方がよりゆったりと
変化するこれは内面設計のレガリアに対し、外面設計のセレノという観点で比較すれば合点がい
く。
【装用感・揺れ・上下】CD=5 セレノ=4~この揺れは CD でレガリアと同程度、セレノはレガリアに
も負けた。ただしどちらのレンズも充分に装用に耐えうる性能だと把握している。
【装用感・歪み】CD=4 セレノ=3~どちらもやはりレンズの端では歪むが、セレノの方がより鼻
側で像の破綻が大きかった。これが後の装用感の総合評価にも大きく影響している。やはり明視
域を広く取ろうとすればする程に、どこかにそのしわ寄せが行くということだろう。
CD はその皺を巧みに明視域にも含ませて全体として大きな皺を作らせないように設計している。
どちらが優れているというのではなく、好みの問題だと思える。
例えとしてよいのか分からないが、セレノはエンジンの設計をピークパワー重視にピーキーに設計し、
CD はアイドリングからレッドゾーンまで一定のカーブを描き上昇していく、安定はしているが、
ドラマティックな楽しみは無いというような性格だろうか?
【収差領域の谷の深さ】CD=4 セレノ=3~ここでも当然上記の流れからすれば CD の方が谷が
浅いと予測されるが、その通りでセレノの方がより深い谷が有ると言ってよさそうだ。
【収差領域の谷の変化するスピード】CD=5.5 セレノ=4~CD の流れの緩やかな感じはレガリア
を凌ぐほどだった。この価格帯としては素晴らしい。だがセレノもここは一気に変化しているように
も感じず、多少レガリアより落ちるという程度だった。
【装用感総合評価】CD=3 セレノ=3~揺れの少なさを装用感とするのなら、CD=5 セレノ=2
だが、明視域の広さに重きを置くとセレノ=5 CD=2と逆転するこの為ここは同点とさせていた
だいた。とにかく運転等でサイドミラーまで広くみたいという方には間違いなくセレノが良い。
だが多少の慣らし運転に時間が掛かる設計であることは理解して選ぶべきだろう。
また運転に今までモニターしたレンズで一番不向きだと思われるレンズが今回の CD だと僕は思った。
HOYA もそこは当然分かっていて、そういった遠用明視域を広く取りたい方には
サミットプロというレンズを品揃えしている。だがこのレンズは累進帯が 14mm、
グラシアスの基準からすると
14mm×2+4mm=32mm
つまり天地幅 32mmのフレームが必要になる。
だがセレノなら 11mmでもサイドミラーまで見や
すい。これは一つの個性で売りだろう。
価格帯は一緒、累進帯も一緒、それでもこれだけの性格の
違いがある。ちなみにセレノで先ほど計算をしてみると
11mm×2+4mm=26mm
これなら余程天地幅の狭いフレームでなければ遠近で作成出来る。
車は明らかに文化でお国柄がある。
文化になれば消費者の好みやニーズは多様化する。
だから徳大寺先生のような評論家がいらっしゃる。
ワインで言えばソムリエ無しに自分の希望や好みの
ワインにたどり着ける方は余程の愛飲家だろう。
多くの方がレストランでソムリエに自分の嗜好を
伝え選んでもらう。(ちなみに僕はお酒を痛風の為に断っている。)
では現在消費者の方々で眼鏡屋の店員の説明抜きで
自分の好みの遠近両用レンズにたどり着ける方々はどれ程いるのだろうか?
僕は限りなくゼロに近いと思っている。何故ならメーカーや
商品毎の個性を説明出来る眼鏡屋の店員でさえ皆無に等しいのが現実だからだ。
だから僕はまず自分がモニターレポートした上で
せめてお客様を案内したいと思ったのだ。
少なくともレンズメーカーの方々はどうやって競合他社のレンズと
差別化しようかと日々研究されている。
そのせっかくの商品開発の努力を僕ら小売店の販売員が
僕も含めて台無しにしてはいないのだろうか?
僕はそれを危惧している。
眼鏡を文化に。
僕はこのブログで何度も繰り返している。
だがその為にはまず業界内の僕らが徹底的にこだわり、
フレームやレンズメーカーのこだわりをしっかり代弁し
説明できる知識とスキルが必要だと思う。
そしてそのメーカーのこだわりや想いに共感し
ユーザーはそのメーカーのファンになる。
先日のHOYA のセミナーで講師の先生が嘆いていらした。
「これ程メーカーや銘柄の指名買いの少ない業界も少ない。」
と眼鏡業界を評していらした、
れはメーカー毎の企業文化や商品に対するこだわりを僕らが
「どうせ消費者に説明しても分からないから...。」
とその手間を省いてしまったことで、
この消費者にレンズは厚いか薄いかという程度にしか
こだわりを持たせなかった事が一因であると僕は分析している。
こんな不況の今だからこそ、(僕もそうだが)
消費者は買い物に感動や衝動を求めている。
逆を言えば、動機の無い買い物に臆病になり、
その理由を求めている。
そんな今だからこそ、僕らがきっと一役かえることがある。
僕は今回のモニターでもそれを確信したのだった。
最後に総得点と寸評で締めたいと思う。
総得点 CD=48 点 セレノ=46 点~僅差で CD が勝ったが、
これ程性格に差が出るとは思わなかった。
これから僕は間違いなくお客様のニーズに合わせて提案するだろう。
【寸評】~手元重視なら CD、遠用重視ならセレノとはっきりと
差別化できたことが僕にとって何よりの収穫だった。
また装用感重視なら CD、明視域の広さならセレノともいえよう。
opteria-Glassias(オプテリアグラシアス)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-21‐1F
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