遠近両用レンズを使いたくない人達
本日のblogの難易度【★★★★】
今朝の体重は77.0キロ。
ふむ、昨日は悪戯しなかったから、
体重は少し減少、よいぞい♪
先日いらした方は、ルディーのカーブフレームに
度付き眼鏡でお作りしたいというご相談の方でした。
早速フレームを拝見すると
6カーブのフレームでした。
ここで一つ解説が必要ですね。
カーブの前の数字、
〇カーブ。
この〇の数字が大きくなると曲率が高くなり、
フラットに近い状態から、ハイカーブまで
この曲率で湾曲する度合いを表現します。
更に正確に言えば、このカーブには
表カーブと裏カーブとあるのですが、
多くのレンズは表に対して裏のカーブの曲率を変えて、
度数をつけます。これは以前に解説した気がしますが再掲載。
例えば、
表カーブが2カーブのレンズの
裏のカーブが6カーブだとすると、
6-2=4
答えはS-4.00
という近視のレンズになります。
表カーブが2で、裏も2だとすれば、
2-2=0
答えは度無です。
今回は近視でおおよそS-4.00の度を入れる必要があったので、
表が6だとすると裏が何カーブで
S-4.00の度が入れられる設定になるでしょうか?
…
…
…
…
10-6=4
ですから裏が10カーブになる訳です。
さて、ではハイカーブの意味や意義というのは
色々あるのですが、今日の主題はそこではなく、
このご相談にいらしたお客様は
54歳で、仕事の内容が事務が半分、運転が半分。
という使い方を想定したメガネが欲しいと
ご要望を頂きました。
54歳であれば当然、老眼になっていますし、
実際の測定結果も老眼という答えになりました。
では老眼の方が遠近両用レンズを使わずに
運転も事務作業もこなせるのでしょうか?
答えはYES。
ですが、どちらも中途半端な度数設定になる事も事実です。
具体的に言えば、
遠くの度数に+1.00足して、
S-4.00+1.00=S-3.00
になります。
S-4.00で視力が1.5程出ると仮定すると、
S-3.00では視力が0.8程になると予想します。
0.8という遠見視力はどの程度の視力なのか?
っといえば、普通自動車免許の必要視力が0.7ですから、
その基準は満たせることになります。
ところが人は、常に基準や物差しは過去の自分です。
このお方も今使っている眼鏡は1.2の視力の眼鏡を使っていました。
1.2の視力の方が、ある日突然0.8の視力で運転しなさいと
言われれば、それはとうぜん困惑するでしょう。
実際にその0.8の視界で運転出来ますか?
と聞くとやはり少し戸惑っている様です。
そこで僕は遠近両用レンズはいかがですか?
と聞いてみました。
すると
「いや、遠近両用レンズって、眼の下に別のレンズがあって、
いかにもお年寄りが掛けているレンズって見える奴でしょう?」
と僕に言わせればお決まりのご反応。
ところが、事実関係をまとめれば、
レンズの下部に小玉と言って老眼用の度数が入っている
レンズをバイフォーカルレンズといいますが、
弊店実績で言えば、2019年一年間でバイフォーカルレンズで
販売した実績はゼロでした。過去10年間を振り返っても
年に1組売ればいい方で、年々そういったご要望は減っていきました。
つまり、今普及率が19%に過ぎない遠近両用レンズではありますが、
その主流は小玉や境目が外からは見えない累進レンズ。
これがとっくに主流になっているんですよ。
っと言いたかったのです。
それなのに、世間の常識はなかなか上書きされません。
それはメガネという商材の購買サイクルが長いという特質と、
眼鏡が文化として認知されずにレンズやフレームに
対するこだわりが反映されるようなマーケットが
生まれていない事が原因だと僕は思っています。
余程眼鏡好きのニッチな層が、勉強してフレームやレンズを
選んで楽しまれていますが、そんな事は多くの人は
面倒くさいとお店任せや、同伴の人に任せて自分では
上手にメガネを選べない人が圧倒的多数です。
だから日本では、価格、だけで比較するマーケットや
お店ばかりになってしまったのです。
別に低価格のお店を全否定している訳ではありませんよ。
ただ、健康に関心があって、価格なりの違いがあるのなら、
ちゃんとしたメガネを作る為に相応の代金は支払って良い
と思っている層に対しても、僕らの様なこだわりの眼鏡屋さんの
存在が情報として届いていない事。
それにより、そういった方々でもどこに行って良いか分からずに、
テレビでCMをうっているお店で眼鏡を作っています。
それは勿論無理解が故ですが、
その無理解な消費者を生み出したのは
僕ら眼鏡業界の業界人である事を
誰より僕らは知り、そして反省する必要があります。
だから僕はうちのお店では検査の最中もフレーム選びの最中も
説明を極力省かないようにしています。
それは理解のある消費者を育むことが
業界の発展のために必要なだけでなく、
国民の暮らしぶりの改善に直結し、国益である。
と感じているからです。
皆様の眼の環境を整える事で、
皆様が眼に課せる仕事量は増えるし、
情報処理能力も向上するでしょう。
つまり国を挙げて国民の目に投資をすることで、
僕に言わせれば劇的に、皆様の感覚でも多少でも、
労働生産性が改善する事を僕は示唆しています。
遠近両用レンズの普及率を上げる。
これも僕のライフワークの一つですが、
もっともっと大きな目標は、
国民の暮らしを僕らが縁の下の力持ちとして
しっかり支えられる業界に改革し、
最終的には国家資格化も含めて法改正していく。
これが僕の目標です。
勤勉な日本人が、その勤勉さをフルに発揮すれば、
もう一度アジアの盟主に返り咲く事が可能なのでしょう。
僕が生きている間
(一応細木和子先生に倣い、120歳まで生きるのだとすれば、
調度後70年。70年後の世界はどうなっているのかな?本当に楽しみ。)
に何かしらのアクションを
行政や国民の皆様が起こしてくれたら幸せだな~
っと思うコロナ騒動真っただ中の僕なのであ~る。
何しろ遠近両用レンズは、外から見て遠近バレは先ずないですよ~。
っと言いたかったのが今日の一番の主題だったのですが、
ついつい脱線する悪い癖があります。
あれ?今日は一気に書いたら2700文字に迫る勢い。
それではまたこのblogでお会いしましょう。
note始めました。ここで前回のセミナーの内容が
画像データーとしてご覧になれます。
是非ご興味ある方はご一読くださいませ。
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