メガネと料理の共通点
2016/09/02
僕の職歴は何の脈絡もなくて、メガネ業界の前は牛丼業界で店長職を5年程勤めました。
ファーストフードと馬鹿にするかもしれませんが、その立場なりに少しでも美味しい食を
提供しようと日々、創意工夫したのを覚えています。
そんな別の業界からメガネ業界に飛び込んできた僕がメガネ屋にいて日々思う事は
「あれ?料理とメガネ作りって似てるな~。」
と思うんです。それはどちらも素材が大切ですが、その素材を活かすも殺すも
その調理師(眼鏡士)次第だなと思う事です。
魚沼産のこしひかりも炊き方を間違えたら台無しで、もしかしたらプロの調理人が
炊いた無名の古米の方が美味しいかもしれません。
メガネも一緒です。お米の様に素材としてのスペックの違いはあったとしても
それをきっちり活かしてあげないとお客様は満足致しません。
ではその料理にしろメガネにしろ、その素材を活かす為に何が必用なのしょう?
それは
①素材を活かす知識
②素材を活かす技術
③素材を活かす手間
この三つが良いメガネ作りの為には必用になるのです。
①の知識ですが、お客様が何を欲しているか、ここは調理師というよりもワインのソムリエに近いかもしれません。
お客様のご要望に対して、それに合うワイン(フレームとレンズ)をお見立てするのです。これにはレンズの種類が
頭に入っているだけでなく、その特性も頭に叩き込んでおく必要があります。そして正確にお客様のニーズと好みを
聞き出す能力までも求められますね。
②の技術ですが、ここは簡単に言えば、度数を決定する検査、そしてレンズを枠にはめ込む加工、そしてお顔に
合わせて形状を合わせていくフィッティングです。これらをきっちり作業しないと、その素材は性能を発揮できないのです。
お寿司で言えば握り方かもしれませんし、焼き物であれば火加減であり、タイミングですね。
③の手間ですが、これは単純に料理で言えば、下ごしらえかもしれません。レンズであれば、完璧に歪みが取れるまで
削る手間、そしてレンズレイアウトを決める為にアイポイントの測定、検査に使う仮枠のフィッティングなんてものも
ひと手間ですが、仕上がりに明らかに差が出る手間なのです。ここは技術ではなく、単純に人の手を動かす時間を
使うかどうかの違いなのです。
うちのお店は安さを売りにはしていませんが、それはこうした手間を惜しまず、技術を習得するために日々研鑽し
更に、新しい知識を得る為に勉強していること、これらが全てコスト要因になってきます。これらが複合的にあいまって
トータルでの製品としての眼鏡が完成し、その完成度を僕ら眼鏡士は競っているのです。
ミシュランガイドで三ツ星のお店や食べログで4点以上のお店を回ってらっしゃるグルメな方々は、その食べ物の旬であったり、
どこに行けば美味しい物が食べられるか、その情報収集に日々余念がない筈です。
実はメガネ業界にも、そんな技術を競い、トップを目指している人がいる。そんな世界があることは知って頂きたいなと
僕は思うのです。
ただ僕はファーストフード(メガネで言えばプライスショップ)は否定しません。簡単便利、そしてその分、割安な価格が
消費者に与えているインパクトは間違いなくあるからです。
またファーストフードに働いている人でも知識も技術もある人もいるでしょう。
でもお店を回す為に手間をかけていられない業態としての
限界を前職の牛丼屋さんで僕は学びました。
量販店との差別化に悩んでらっしゃる方は、知れば明日から出来るこのひと手間を今から始めればよいのです。
取り敢えず明日から全ての眼鏡の作成時にアイポイントを取るだけでもお客様の反応は変わると思いますし、
「今までの眼鏡屋さんではこんな事やってくれなかった。」
と驚かれた方も少なからずいらっしゃいましたよ。
ではまた明日。
opteria Glassias
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