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眼石祝応のBLOG

滅茶苦茶な度数が眼を壊し、壊れた眼は心を蝕む。

2018/12/14

昨日いらした方は中心性網膜症を患い、それ以降、左目の像が

右目に比較し小さくなってしまった方の眼を見させて頂く機会がありました。

 

いわゆる不等像視という状態が発生していましたが、

実際に今掛けている眼鏡の度数をチェックすると

随分と今日時点の度と度数が変わっている様でした。

 

更に言えば、将来に対する不安で、

精神薬や睡眠導入剤も服用するようになり、

精神科にかかるようになってしまいました。

 

検査の過程では、確かに当初は右目の像が大きく、

左が小さい状態が続いていました。

 

ところが、ある時を境に左右の像のサイズ差が無くなったと

仰いました。この様なケースは多々あるのですが、

要は、今までの眼鏡だと両眼視を阻害していた状態で、

それを放置することにより、両目の像を重ね合わせる融像という

眼の機能を使っていなかったのです。

 

そうするとどうなるか、左右の眼の像倍率の差は多少であれば、

脳みそで補正を掛けてサイズ差を整えてくれる機能を人は有しています。

ところが、眼鏡の度数があっていない状態だったので、

 

そのサイズ差が補正出来ていなかったのです。

 

では実際にどんな状態だったのでしょう?

 

今使っている眼鏡は、

 

R=0.9

L=0.9

 

両目でも=0.9

 

という状態でした。視力的には揃っていますよね?

でも調節バランスはまるでダメな状態でした。

 

このお方は二本の眼鏡を強弱と使い分けしていましたが、

そのどちらも左右の近視は同度数、かつ過矯正でした。

 

ですが僕が検査すると、

 

先ずは

 

完全矯正値下で、左右の視力に差がありました。

 

右目=1.2

 

左目=0.9

 

という左右差が出てしまっていました。

これは中心性網膜症の影響かと思われますが、

それなのに、今までの眼鏡は無理やり視力でバランスを

取ろうとしたのです。

 

エンジンで言えば、

 

視力の出る右目はエンジンの回転数を落とし、

 

視力の出にくい左目はエンジンをフル回転させていると

 

イメージしてください。これは左右の目をシンクロ

させようと思っても無理がありますね。

 

では僕の作った眼鏡はどんな視力なのでしょう?

 

僕の作った眼鏡では

 

右目=1.0

 

左目=0.8

 

両目で1.0程。

 

このくらいに合わせてあります。

敢えて左右の視力差は放置しました。

これは近見の調節バランステストという検査で

調整しましたが、それに加えて

調節近点(どこまでピントの調節をして近づけるかというテスト)

の測定という方法でもバランスを確認しております。

 

その結果左目は二段階度数を弱くする必要性がありました。

 

ですが乱視は

 

右目で三段階

 

左目で二段階強くして作成します。

 

以前の眼鏡と比較すると

 

近視を大きく弱くして、

乱視を強くします。

 

別の言い方をすれば、

 

以前の眼鏡は必要の無い近視を必要以上に入れて、

必要な筈の乱視を落として、

更に近視の強弱は左右の調節バランスを無視して

視力で揃えた事に無理があったと言えます。

 

これも

 

視力至上主義の弊害と言えますね。

 

本来このお方はアニサイクルレンズという像倍率補正の

眼鏡を掛ける気満々でいらしていたのですが、

検査の過程で、その左右差が無くなってしまうと

きょとんとされていました。

 

それはそうだとお察しします。

だって、今まで散々お医者様や眼鏡屋さんに

相談してきて、どうにもならなかったことが、

特別な手法に頼らずとも、普通の眼鏡で像倍率補正が

出来るようになってしまったのです。

 

僕は、人が本来持っている機能は最大限に活かすべきだと

思いますし、

 

今回は、

 

両眼視という機能をフルに発揮する為に、調節バランス

を考慮して度数決定してしまえば、アニサイクルレンズに

頼る必要性が消えてしまった事例です。

 

これは本当によくある事なので、

僕も注意したいといつも思います。

 

アニサイクルレンズに関しては、

本当に困った人にとっては良いレンズだと思いますが、

一方、製作にかなりの条件が発生します。

 

それこそ、昔はアニサイクルレンズで遠近両用レンズは

作れなかったのですが、近年のレンズの進化により

一部の度数ではそれも可能になりました。

 

ですが、今後このお客様とお付き合いしていくなかで、

アニサイクルレンズを今の段階で取り入れることは、

カードゲームで言えば、僕の手札を複数枚奪われることになります。

 

それを僕は避ける為に、今回もアニサイクルレンズは

採用しないつもりです。一度アニサイクルレンズになってしまえば、

一生涯アニサイクルレンズになってしまうからです。

 

僕はプリズムを入れて眼鏡を作ることにこだわっていますが、

プリズムも入れなくてよいのであれば、入れない方が良いと思っています。

それでも直近のお客様に対しては9割近くプリズムを入れているのです。

それだけ近年のPCとスマフォの普及は人の眼に負荷を掛けていると思っているからです。

 

皆様も左右の目で捉えた画像にサイズ差があるな、

と思った時に、ひょっとしたら、

眼鏡の度数が合っていないだけかもしれませんよ、

なんてことを今日は一番言いたかったことなんです。

 

そして合っていない眼鏡で精神科に掛かってしまうなんて

最悪のシナリオまで現実に起こっているのですよ

という意味では警鐘を鳴らす意図もありますね。

 

皆さん、ご自分を、そしてご自身の眼をもっともっと

大切にして頂きたいと心より願うのです。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

無題

 

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