夜間視力と夜間近視
2021/12/24
本日のblogの難易度【★★★★★】
今朝の体重は79.2キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は841人。
むむむ、少しずつ太ってきておる…。
自制せよ自制せよ。
いくら自制しても近視が進むときは進みます。
近視の進行をコントロールするって意外と難しいのです。
これが簡易に出来るのであれば、地上から強度近視の方なんて
とっくにいなくなっていますね。
今日のお話は、そんな近視の量についてのお話です。
近視が一日の中で増えたり減ったりしているとしたら?
皆さんどう思いますか?
実は視力の変動という意味では原則昼間視力よりも
夜間視力が2割減というのが相場らしいのです。
例えば
昼間視力:1.2
の人は
夜間視力:1.0
になるというのが相場です。
ではなぜそんな事が起こるのか?
仮説を交えて論説してみます。
①夜間は散瞳する為に、乱反射しやすくそれにより見え難くなる。
②夜間は散瞳する為に、乱視の影響を強く受ける可能性がある。
③夜間は散瞳する為に、角膜周辺の屈折力が中心と異なり、近視が強めに出る。
大きく分けて
①乱反射
②乱視の強度化
③近視の強度化
だと推察されます。ではどこが推論なのでしょうか?
それは③の角膜の屈折力についてです。
それは定説では、
角膜中心部の屈折力よりも、周辺部の方が扁平で、
屈折力が弱いとされているからです。
周辺部の方が屈折力が強いのでは?
と述べている点が仮説なのです。
この仮説を検証する為には、
数百万円する機械を購入する必要があります。
これはいつかは買わないといかんなと気合を入れなおしました。
その仮説に基づく説明図が以下の通りです。
この図を信用すれば、中心と周辺で角膜の屈折力が変化している事になります。
散瞳したことにより、この周辺の近視の影響を強く受けて近視量が変化するという仮説です。
実際に昨日いらした方の昼間近視と夜間近視を比較したのが以下の図です。
また昼間近視に合わせた際の夜間視力の変動後の視力も合わせて掲載いたします。
昼間近視 | R | -4.50 | -0.75 | 90 | 66.0 | 1.0 | 1.5 | |
L | -5.00 | -0.50 | 90 | 1.5 | ||||
夜間近視 | R | -5.00 | -0.75 | 90 | 0.9 | 1.2 | ||
L | -5.50 | -0.50 | 90 | 1.2 | ||||
夜間矯正視力 | L0.7 | |||||||
R0.7 | BE0.7 |
少しわかりにくくて申し訳ありません、
上記の図からわかることは、昼間より、夜間の方が近視が二段階強めて最高視力。
因みにこれ以上入れても視力は1.2のまま向上しませんでした。
また昼間近視に合わせたままで夜間視力をとると上記の表のように、
両目でも0.7しか視力が出ませんでした。
これをお客様が主訴として訴えていました。
この時にお客様は夜間視力に合わせて作り直せばよいではないか?
っとおっしゃります。ではその夜間近視に合わせた状態で、
近くのパソコンやスマホを見させるとどうなるでしょう?
答えは、今までは見えていたデスクトップパソコンのモニターが
夜間近視に合わせた瞬間に見えなくなりました。
手元も当然見え難くなります。
ここで僕は三つの選択肢で提案しました。
④夜間近視に合わせたメガネに作り直し、今はそれ程掛け変えていない
手元用パソコンに頻繁に掛け変える。
⑤昼間近視に合わせたメガネのままで、その上からマグネットや
フリップアップで二段階近視の度を入れたレンズを前掛けタイプで夜にだけ使用する。
⑥夜間近視に合わせた専用眼鏡を仕立てる。
と三つの提案をしました。
結局⑥になりそうですが、
ただでさえ高額な眼鏡ですから、
少しでもコストは落としたい。
その場合には
⑥-1:遠くに合わせた単焦点レンズで眼鏡を新調する。
⑥-2:遠くと近くに合わせた遠近両用レンズで新調する。
と二つの選択肢がそこから生まれます。
僕のオススメは勿論⑥-2ですが、
一方ご予算のある話ですから、
無理強いはいけません。
お客様は数日検討してみると言われて帰られました。
僕は「ここ数日で夜間近視に合わせたメガネで何を見たいか、
移動中に何を見ているかをチェックしてください。」
とお伝えしました。
これを踏まえて早速カルテを作り替え、
夜間視力を測定し、夜間近視に合わせたメガネも
作成できるようにマニュアルを変更しました。
今回の様にドラスティックに変化する人もいれば、
翌日の朝、朝一番のお客様は、
昼間近視と夜間近視で視力差は皆無でした。
これもまた極端な事例ですね。
何しろこうして皆様個々に違う目や脳の使い方に
合わせて作れるお店だけが専門店としては生き残るのでしょう。
量販店、プライスショップで作製している眼鏡とは
別物っといえるだけのクオリティを提供するだけでなく、
今回の事例を見てもわかるように、未だ僕の視力測定法は
完成していないのだと言わざるを得ないのです。
日々精進致します。
それではまたこのblogでお会いしましょう。