近視の左右差によるアニサイクルレンズ
2023/06/30
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眼石祝応の今朝のtweetVol-19
近視の左右差によるアニサイクルレンズ:昨日いらした方は、病院の研修医で、
アトピー性皮膚炎から左目のみ白内障が発症し左目だけ眼内レンズに変えた方だった。
その時に、右目に合わせて近視に左目も合わせてくれると良いなといつも思うのだが、
何故か多くのケースでは裸眼の最高視力近辺を狙っている。
結果的に左右の近視差が術後に突発的に生ずる。
ゆっくり片目だけ近視が進行したいわゆる不同視とはここが根本的に違う。
ゆっくりならかなりの不同視であっても順応しているケースが多いのだが、
この眼内レンズ術後の不同視は著しく生活の質を落とす。当然両眼視機能は消失し、モノビジョン化する。
これを僕は問題視しているが、お医者様の屈折軽視の弊害だとも言える。
こういったケースで、コンタクトが嫌で無ければ近視の残る右目だけコンタクトを推奨するが、
今流行りの使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズは、
一生お付き合い出来るものではなく、ピンチヒッター的に使うべきだとも思う。
ハードコンタクトを推奨したいのだが、そもそもの装着感が嫌いであったり、
涙液の量が足りない等、ハードコンタクトが使えない人も意外と多い。
今回の研修医の先生もそうだった。
そこでアニサイクルレンズの出番だったのだ。
僕も思案したが、結局遠近両用レンズのアニサイクルという答えに辿りついた。
近年増加傾向らしい黄斑上膜によるアニサイクルレンズではなく、
今回は屈折性の不同視であり、不等像視の事例だった。
結局左右のレンズを別々に発注し、フィッティングで角膜から
レンズの距離をコントロールすれば作製出来る計算だ。
医療の現場にいる方でも不同視や不等像視の弊害をご存知なく、
こういった無用なアニサイクルレンズが必要な目が生まれてしまっている現実を僕は無視出来ないし、
屈折矯正のエキスパートを国を挙げて育成する政策が必要だと心の底から思うのだ。
研修医の先生が、どこかで気づいて声を挙げる事を願う。
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別にアニサイクルレンズがあるからいいじゃん、そう思うかもしれない。
でもアニサイクルレンズを仕立てる事が出来る眼鏡屋は僕が知る限り、全国で片手程度だと思う。
一方あるお医者様の推測によれば黄斑上膜でお悩みの方はは推計で全国に400万人から800万人と予想される。
つまりアニサイクルレンズを普及させようと本気でアクセルを踏んで広報すれば、
全国の片手のお店はあっという間にパンクする。
だからたとえそんな普及のチャンスがあったとしても、それを声を大にしては言えないもどかしさがあるのだ。
だから不要なアニサイクルレンズは作らなくても良い方向に眼科医の先生も多少勉強して欲しい。
今回の事例では右目がS-4.00の近視、左目が遠視と近視性乱視で合算すればほぼ正視。
左右の度数差がS-2.00以上を不同視と定義するが、最低でもこれ以内に収めておけば、
今回の事例の様に不等像視で悩む事もなかった筈だ。
そうして皆さんに知って欲しいのは、こういった僕らからすれば当たり前で正論を言うと、
めっちゃ眼科医業界に怒られるという事実も知って欲しい。
あくまでもこの業界の権威は眼科医で僕らは、ただの眼鏡屋のおっさんだという事だ。
僕が今目指しているのは、この「ただの」を外して途轍もない眼鏡屋さんだと広く報せる事で、
いつの日か、眼科医の先生が眼鏡を学びたいと教えを乞う時代を作りたい。
勿論眼科医の先生が屈折矯正をしっかり学んで頂くのが最善のシナリオ、
でも、その為には今の診療報酬額では多くの眼科医の先生を動かすモチベーション足りえないと僕は思っている。
では診療報酬を上げるという政策的な選択あり得るのかどうかの議論が必要だ。
今のこの引き締め傾向の財政状況では、診療報酬の増額という形での政策転換も見込めないっとするのなら、
僕らは国民の眼鏡の受け皿として機能するべき。
難しい目をしたお客様は、中小零細眼鏡店へ、
眼鏡にこだわりが無い方は、プライスショップへ。
プライスショップだと安すぎて怖いという方は大手量販店へ。
こんな線引きがあれば良いなと思う。
現状は眼鏡屋と十把一絡げにしてプライスショップが幅を利かす時代に突入し、
棲み分けが機能していない。
これを僕は問題視している。ニーズに合わせて僕らは多様な業界を目指し、
顧客の趣味嗜好、生活習慣、目の状況に合わせて小売店をチョイスさせられる
プラットフォームを必要だと僕は何年も前から指摘している。
眼鏡版「食べログ」が必要だと言っているのだ。