皆さんは自分でレンズの設計を選べますか?~その2~
2016/11/14
昨日のお話は、皆さんがレンズを上手に選べないのは当たり前、だって僕らが説明してこなかったんですから、
というお話しでした。でも少なくとも僕のお店では極力説明する様にしています。その方が消費者にとっても
そして僕の所属する眼鏡業界にとっても利益なのです。と説明したのです。
では昨日の続きからです。量販店主流の時代になったのは、それはそれで要因があります。
そこはまた別稿で解説致します。量販店がメインになってから、次のステップでは
今度はどんなレンズを選んでも価格が一緒という業態が主流になりました。
こうなると益々レンズの設計について消費者の方々の学習機会が減ってしまいます。
次々とこだわりなくカジュアルに眼鏡を選び、それは知識は深まらない事を意味しています。
僕はこれを危惧しています。時に無知はその責任は他者になすりつけようとします。
「せっかく良いレンズが同じ価格だからと一番薄型レンズにしたのに、何か今までと見え方が
違って気持ち悪い。これなら前のレンズの方がよかった。」
と高いレンズに変えた事を後悔し、そしてその説明が無かった販売員を責めます。
ではこの販売員はどうすればよかったのでしょう?
まずこの時点で僕がいえる事は高いレンズが価格は高いかもしれませんが、
決して高い=高機能と言えないところにレンズ選びの難しさがあります。
例えば弱い近視でずっと近所の専門店で買った球面設計のレンズを使っていました。
レンズの表面に傷も目立ってきたのでそろそろ買い替えかな?と思っていたら
近所にテレビでも見る様な量販店が出来た。ふむふむチラシやネットで調べると
価格は今までの所より安く作れるらしい。では言ってみるか。
フレームを選び、レンズを決める段になり、店員さんは得意げに言っています。
「当店は超薄型でもプラス料金が発生しません。ですから自由にお選びください。」
すると消費者心理としては今までは高いレンズ何て勧められたことが無かったけど、
きっと高いレンズにすれば見え心地がよくなるんだろうな?もしかしたら薄くなるかもしれない。
「では追加の料金負担が無いレンズで一番薄いのにしてください。」
ここまではきっとどこの量販店でもある風景だと思います。
さて幸いにも店内に在庫があったので30分で仕上がるというので、お店で携帯をいじって待っていました。
「お待たせしました。」
思ったよりも早く25分程度で仕上がってきました。
一通り調整を終え、店員さんから確認が、
「見え心地はいかがですか?」
当然
「うん、今までよりずっと良いや流石超薄型だ!」
という答えを待っているのですが、
ではこう言って帰る方ってどれくらい居るのでしょう?
他所はしりませんが、少なくともうちのお店では皆無に等しいです。
逆にうちのお店ではレンズの設計を変えた時には
「どうです?多少気持ち悪くないですか?」
と訊きます。ここがポイントです。レンズの設計を変えた時にはアップグレードした時も
ダウングレードした時も多少の違和感がつきものだと思ってください。
ここにレンズの設計選びの難しさがあります。
では多くのケースはどんな風に感じているのでしょう?
①見え方に違和感を感じる。
②周辺が歪まずに見やすくなった。
③周辺が見えにくくなった。
④中心部のフォーカスが甘くなった。
⑤慣れない。
多くのケースではこんな答えが多いのです。つまり②以外はネガティブに感じます。
これはアップグレードでもダウングレードでも違和感が発生するという意味では共通です。
では何故この違和感が発生するのでしょう?実はこの説明だけでもまた別の記事分くらいの
ボリュームがあります。いずれまた違和感の原因というタイトルで記事は作りたいと思います。
ここで一つ覚えておいて欲しい事は、設計の変更は慎重に。そして今使っているレンズの
設計は必ず覚えておいてください。次に買う時に
「今使っているレンズは〇〇設計だから、度数が変わっていなければそれと一緒が希望です。」
と言えるのが望ましいのです。では明日からはレンズの設計とは?と非常に難解なお題目を
あくまでも一般ユーザーに分かるように書いてみたいと思います。
ではまた明日。あ、明日は北海道に出張に行ってきます。更新も北海道からですね。
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