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眼石祝応のBLOG

ハードかソフトか?

2016/12/23

今日のタイトルを見て何かのプレイかと思った方には残念なお話ですが、

今日は遠近両用のレンズの設計について、何となく解説したいとおもいます。

 

僕の言っている事が正しいかどうかは不明ですが、正しいとすれば遠近両用レンズは

お子様から、おじいちゃん、おばあちゃんまでどの世代にでもニーズがあると僕は過去の記事で

言ってきました。つまり老眼になったから遠近両用レンズや老眼鏡を掛けるという時代は

もしかしたら古い考えになる可能性があることを僕は指摘しているのです。

 

そして日本のマーケットで、今主流になっている遠近両用レンズの設計はどちらかと言えば

ソフト寄りの設計が支持されていて、それは世界の流れからすると特異な事例だと以前に

聞いたことがあります。ここでその遠近のソフト設計とハード設計の違いを大雑把に

説明します。

 

①ソフト設計の特徴=揺れゆがみが少なく、快適な装用感が得られる為、初心者向けと言えます。

反面、明視域の鮮明度がハード設計に比較し劣り、更に明視出来る範囲もハード設計に比べると狭くなります。

 

②ハード設計の特徴=揺れゆがみは比較的強く出るので、慣らしに苦戦する方が多く、

どちらかと言うと上級者向けになります。そして歪みは強くとも明視出来る範囲は広く、

見えている世界もパきっとクリアーに見えます。見えないとこはとことん見えないっつ~事です。

 

この様な設計の特質があり、今多くのメーカーの高価格帯のレンズは、このハードかソフトか?

の設計を消費者が選べるように品ぞろえされています。

 

では世界的にみていくと根強く支持されているハード設計が何故日本のマーケットでは不人気なのでしょうか?

 

ズバッと回答出来る知識は持ち合わせていないのですが、ここは推論であるとおことわりした上で解説します。

まず僕は以前の記事で日本において眼鏡学や検査理論は顧客の発する「違和感」という言葉にレイプされている

と言ってきました。その言葉を出されたら最後、僕らはその解決法を提案する義務があり、いくら最初の提案が

正しい度数だったとしてもそのファーストチョイスを却下し妥協案を出していきます。

 

これがお医者様なら、

 

「あなたの眼はこうだから、多少の違和感くらい我慢して慣らしなさい。」

 

と背中を押せるかもしれません。ですが僕らの業界は12年前の僕もそうでしたが、

 

「僕は眼鏡屋です!」

 

って手を上げれば誰でも眼鏡屋さんになれる世界なんです。そんな技術レベルの標準化には程遠く、

そして行政の後ろ盾も無い僕らは、自分のだした度数に絶対の自信が無い限り、

 

「あなたの眼はこうだから…。」

 

とは言いにくい事をどうか皆さまご承知ください。ちなみに今の僕は12年前よりももっと知らない

世界が広がり、更に自信が無くなっています(苦笑)

 

そしてクレームを回避しながら顧客満足度を上げようとして、意識的にも無意識的にも

顧客の慣れの早い設計を薦めてきた歴史があり、その結果としてソフト設計主流のマーケットに

なっていると僕は推測します。

 

でもね、もしも絶対慣れるって分かっているのなら、僕はソフトよりハードを設計を売りたいと

思っていますよ。だって車の運転でサイドミラーまで目線の移動だけで見られたら幸せだし、

文庫本程度しか見える範囲が無いよりもA4見開き見られた方が幸せなのは間違いないじゃないですか?

 

少し前のNIKONやカールツァイアスのレンズのハードに振った設計の見え心地って

本当に素晴らしかったと思いますよ。その代わり慣らしは多少の苦労は伴います。

 

一方、SEIKOの目一杯ソフトに振って、全体がぼんやりしてるんだけど、どこで見てもそこそこ

見えるって視界にも価値があるとは実際思いますけどね。これは掛けてすぐ歩いて帰っちゃう人も

いるくらいでした。

 

ただこの間記事にしたように、累進ネイティブ世代が大人になってくると今後は、

そんな揺れゆがみになんてどんとこい何て新人類が雨後の筍のように湧いてくると僕は予想しているんですね。

 

ですからメーカーさんにお願いしたいのは最低限、設計を選べる余地は残しておいて欲しいし、

スーパーハード設計だって掛けこなしちゃう人が今後遠近両用レンズが各世代に普及していけば、

そんじょそこらでお見掛けする筈なんです。

 

だからドMの方がひ~ひ~言う程のハード設計レンズも

開発の視野に入れてみてはいかがでしょうか?

 

↑結局下ネタかい!?

 

ではまた明日。

 

$RW3SYVS

 

 

 

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