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眼石祝応のBLOG

フィッティングって?

2017/04/09

皆さんは男性であればスーツは仕立てた事はありますか?

 

靴なんてのも最近オーダーメイドの価格が普及価格帯に降りてきたと言われています。

勿論眼鏡だって昔に比べれば、眼鏡を購入した時の金額なんてピークの半分以下だと

思います。

 

これは消費者にとっては喜ばしい事であるのは勿論ですが、

価格が下がる事が、実は業界にとっても悪い事ばかりでなく

 

良い点もある事を意外と業界内の方でも指摘する方は少数派なんです。

僕は、低価格店の業界参入はウエルカムと言っている立場の人です。

 

では、眼鏡の価格が下がる事でどんなメリットがあるのでしょう?

 

一つ目は、眼鏡に対するハードルというか、敷居が下がり、

気軽に人生初眼鏡を体験できるツールになれた事。

 

二つ目は、眼鏡が気軽に買えるという業界の変革は、

消費者にアクセサリーの様に眼鏡を掛け変えられる楽しさを知らしめた

という大きな効果があります。

 

ここ10数年、眼鏡業界の底辺は、物凄い勢いで膨らんでいるのです。

眼鏡初心者の方が急増しているという事です。後は一歩ずつ階段を上ってくれれば

以前より大きなピラミッドが構築されるでしょう。

 

ただし、ここで問題なのは、初心者とはいえ、しっかりと調整された眼鏡で

しっかり矯正するべき方も確実にいらっしゃいます。どなたでも激安店で

買ってはいけないよと指摘しているのです。

 

例えば、

 

①遠近両用レンズ等、しっかり調整が必用とされ高い技術が求められるケース

 

②視機能に異常があり、精密な検査が必用とされるケース

 

③骨格が独特な形状で、自分にピタッと合わせなくては痛みや不快感を強く伴うケース。

 

①は高い加工、検査、フィッティングの技術、いわば総合力が求められます。

 

②高い検査の技術、と深い知識が求められます。

 

③が今日のメインテーマですが、高いフィッティング能力が求められます。

 

ではフィッティングって、何をするのでしょう?

 

フィッティングの目的は

 

1)骨格をトレースし、極力その形状に合わせてフレームの形状を変化させる。

 

この1)については、多くの方がご存知だと思います。

 

でも知られていない事でも実は重要な事があります。

 

例えば

 

この写真

 

IMG_2334

 

オレンジのシールの中心がレンズの光学中心という位置で、ここと頻用目線を極力一致させることが

眼鏡の装用感を考慮すれば非常に大切なのです。でもこれは敢えてずれた状態で見せていますが、

どのようにずれているかは以下の写真でお確かめください。

 

IMG_2334

 

さっきの写真に赤い⇒で本来あるべき方向に⇒を書いてみました。

これを見ても分かるように、レンズの光学中心という物のレイアウトは

こんなにもずれてしまう事があるというだけでなく、ずれると何が問題か?

 

そこを消費者の皆さんに理解して欲しいのです。

 

ずれた場合のデメリットは、

 

①収差と言われる不要な乱視が発生してしまって理想的な見え心地にならない。

場合によっては狙った視力も出なくなってしまいます。ずり落ちた眼鏡が論外なのは

言わずもがなです。

 

②プリズムという度数が発生します。

 

この①+②が眼の疲れや、視力に悪影響を与えるのです。

 

そして上記の様なずれが生じないようにうちのお店では原則的に全ての方に

アイポイントと言って、眼の位置を測定しマーキングする事にひと手間かけています。

 

レンズを面として捉えれば、その中である一点を探そうとすれば、

それはX軸とY軸、この二つの位置を指定する事である一点が特定できます。

 

そしてそれは、右目と左目、面は二つあるのですから、片目ずつ測定する必要があります。

更に、そこまでやっても、実際にフィッティングする際には、それでも

このアイポイントがずれてしまっている可能性があります。

 

それを今日の本題でもありますが、フィッティングで調整する事が

上質な眼鏡を仕立てる上で非常に大切になることを皆さん

どうかご理解下さい。

 

多くの眼鏡屋さんではアイポイントの測定をせず、簡単に機械で測定した

両目の瞳孔間距離をそのまま左右に分けて眼鏡を作成してしまっているのですが、

 

実はこれは両目の間の距離であって、鼻を中心にして右に何mm、左に何mmと

左右差がある事を想定せずに同じ距離で作成します。

 

これでは、片目だけに不要なプリズムが発生したり、片目だけに不要な収差が

発生したり、いずれにしても機能的な眼鏡とは言えませんね。

 

でも、こんなこだわりも消費者の理解が無いと眼鏡屋さんも頑張ってひと手間かけようと

思えないんですね。ですから、皆さんどうか、

 

「あれ?アイポイント測定しないんですか?」

 

な~んて訊いてみてください。店員さんがは?って顔するかもしれませんし、

申し訳なさそうな顔するかもしれません。

 

でもそんなお客様が一杯来店したら、そのお店だってきっと考え直すでしょ?

 

最後は、僕のいつもいう常套句でしめたいと思います、

 

「賢明なる顧客が健全なる業界を育むのである。」

 

うちのお客様はそういった意味では常に僕に厳しく監視の目を向けてくださっています。

こんなにも頼もしいと思うことはありませんね。

 

ではまた明日。

 

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