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眼石祝応のBLOG

過去の敬意(経緯)

2017/09/16

ホカ弁のハンバーグ弁当のハンバーグの下に敷いてあるパスタがハンバーグの味が

染み込んで旨すぎると舌鼓をうった次郎さんですが、皆さんいかがお過ごしですか?

 

今日は敢えてタイトルを誤字に命名してから書き始めています。

 

昨日の記事で僕は個性溢れる眼鏡屋さんっていいな~ってな意味で文章をしたためたのですが、

今日は、眼鏡屋さんが日本におよそ13000店舗もある現状って、皆さんどうやって眼鏡屋さんを

選んでいるのかな?ってちょっとだけ不思議に思ったんで、記事にしようと思います。

 

んだば眼鏡屋さんの個性を細かく分けるとどうなるの?

 

って自身の興味本位で記事にしようと思ったんだけど、その前に日本の眼鏡屋さんの過去の経緯を

ざっくりとお伝えして、その上で、今ある眼鏡屋さんの中から、上手に自分にあう眼鏡屋さんを

選んで欲しいな~って思ったので簡易に日本のメガネ業界の歴史をご説明しますね。

 

先ず、日本の眼鏡業界はしばらくの間、中小零細企業の独壇場の時代がありました。

ある意味眼鏡屋さんは護送船団方式というのか、他の業種の参入を想定せず、

自由に値付けも出来ましたし、ある意味やりたい放題だった時代だとも言えます。

 

心無い一部の眼鏡店は、お金持ちには高いレンズを必用あろうとなかろうと売りつけるし、

値段の基準が曖昧だったとも言えます。左うちわで黙っていてもお客様がお店に入ってくるので、

当時の眼鏡屋さんは儲かったし、努力せずとも何も困らないという状態は、バブル期にその傾向に拍車をかけます。

 

当時は、お医者様よりも年収が良かったお店も少なくなかったと言います。

 

ところが、検査と加工の機械の進化は、検査技師と加工技術者を長い年月を掛けずにメガネが出来るという

新しいビジネスチャンスを生みだし、時代の寵児としてメガネドラッグさんが登場しました。

メガネドラッグさんの参入で、この業界はがらっとその構造を変えることを迫られました。

ドラッグさんは、今ではチープな眼鏡屋さんというイメージとは程遠いのですが、

 

当時は眼鏡=高級品

 

だった時代に、価格破壊という流行の先鞭をつけたと言えます。

 

定価販売が当たり前だった当時の眼鏡屋さんにチェーン店のスケールメリットを活かし、

メーカーには一杯売るからもっと値引きしなさいと迫った訳です。そして価格の低さを

売りにして一時代を築きました。

 

今では当たり前のこの値引き交渉は当時としては異例でしたので、業界では賛否両論でした。

また今後の価格競争の流れを作ったという意味でも消費者にとっては有意義でしたね。

 

これで専門店の方々は慌てます。一店舗でボチボチやっていても何も問題なかった業界に

強烈な競合相手が発生したのです。今まではチェーン店が存在しなかったので、

チェーン店との比較は存在しなかったのです。ではチェーン店のメリットとは何でしょう?

 

①スケールメリットを活かし価格を下げられる事。

 

②多店舗展開することで、わざわざ遠くまで行かなくとも近場のお店で調整や

レンズ交感を頼める。これは引っ越した時も同様ですね。

 

この①と②に対応する為に、一部の専門店もその流れに追従し、全国に数店舗(5~10店舗)の

チェーン店網をもつプチチェーン店が出来ました。そしてそれはスケールメリットを活かす

企業が乱立しただけでなく、今まではメーカー側が価格を決める力の優位性があったのですが、

メーカーの価格交渉力も奪っていく結果になりました。

 

そしてその行く末が眼鏡産地の今と言っても良いでしょう。

 

店舗網の構築がひと段落したとしても、次には会社としての成長を常に求められる企業が

出てきました。いわゆる上場企業です。今までは顧客の顔だけ見ていればよかった職業が

今度は株主の顔色を伺う業種に改革する必用が出てきました。

 

回収率と成長率とか、パッとしたててサッと渡す。チェーン店も眼鏡一式を

仕立てる手間を競うというよりも無駄を省いて

少しでも高く売る。それが至上命題になっていきました。

 

最初は経費の削減からしていった事でしょう。ですが大手のチェーン店は人件費にも

手をつけました。正規雇用をへらしパートタイマーさんでも作れるメガネを目指したのです。

そしてそれに愛想を尽かした眼鏡士は他の業界に行くか、若しくは独立するか、

または専門店に移籍するかを迫られたのです。

 

この時代には新聞のチラシに一式いくら、なんて謳って低価格のチラシで集客し、

その一式単価のままでは儲からないので、どうやって単価アップをするかに企業として

注力していきます。接客トークで高いレンズを販売する、オプションは全て必要性を説き、

ご納得頂ければつけて頂く、まるでマクドナルドでポテトいかがですか?

 

と言わんばかりです。そこまでやらないと企業は成長し続けられないのです。

 

ですから、単価アップが出来て、一番売り上げの立つ社員がもてはやされますし、

経営陣もそういった人材を評価していました。顧客満足ではなく、会社に利益を

どれだけ出したか、それが評価の最重要項目になってしまったのです。

 

よく大手でも顧客を見ずに上(上司)ばかり見ている会社は衰退すると

言われますが、一時期のメガネ屋は業界を上げて、顧客そっちのけで売上競争をしていたのですから

ある意味衰退して当たり前とも言えますね。

 

ともかく、この単価アップという戦略も適度ならまだ良いのですが、

それも度を過ぎていれば、顧客は不審に思います。

 

「あれ、高いレンズにしたら薄くなるって言ってたけど、あまり変わらないや。」

 

「あれ、高いレンズにしたら脳に優しいって聞いたから、それにしたけど、

見え心地変わらないや、いやむしろ前より中心がぼけて見えるや。」

 

なんてクレームが頻発しましたし、そのクレームの数倍の不満が眼鏡という

マーケットに渦巻いていたとも言えます。でもこの時代もそうは長く続きませんでした。

顧客の低価格指向に対して歯止めがかからないどころか、拍車がかかりました。

 

先ずは、大手の日本のメーカーが市場からの要求に応えるために中国に工場を

移転し始めます。ただし、今でも中国で継続的に自社の資本で眼鏡工場を持っている

会社は数社に絞られます。多くの会社は、他の業種でもそうであったように

散々な目にあって中国から撤退を強いられます。つまり技術だけ盗まれて、

そして技術を覚えたらポイ捨てされるようなことが頻発したのです。

 

そうなると今度は中国資本の眼鏡工場が出来てきます。

そしてそれらは日本のマーケットにも進出してきます。

 

それに象徴されるのが、ZOFFさんの登場です。ZOFF自体は中国資本ではありません。

今は知りませんが、当時は中国製100%のフレームで低価格化を実現しました。

 

5千/7千/9千円の分かりやすい価格帯で、消費者の心を掴んだのです。

でも不思議ではありませんか?5/7/9なんて安い価格で本当に満足の行く

眼鏡が仕立てられるのでしょうか?作ってみたらやっぱり駄目だったという方も

勿論いますが、それが大勢を占めていれば、今のプライスショップの隆盛はあり得ない話でしょう。

それだけ機械の進化は日進月歩とも言えます。

 

多くの消費者は満足したのです。そこで今度はプライスショップの誤算がありました。

プライスショップの目論見は単価を劇的に下げれば、3年に一回買い替えていた方々は

単価を10分の1にすれば購買サイクルも10分の1に縮まると計算したのです。

ところが、そうはいきませんでした。バブルも弾け、消費者の財布の紐は固くなって

いきましたし、本来日本人の勿体ないという精神性からは、次から次へと

使わなくなるゴミの様な眼鏡を増やす事に耐えられないメンタリティーが存在したと

僕は推察しています。ですから5.000円の眼鏡であろうとも多くの方は大切に

扱ったし、ZOFFさんが思ったよりも長く使っていたのです。

 

慌てたのは過去の主流であり、王道であった量販店です。今までは価格破壊を繰り返し、

マーケットに王者として君臨していたのに、その量販店から顧客は一気にプライスショップに

流れました。そして他社に流れるくらいなら自社でプライスショップを新設して

ZOFFに対抗しようとしました。ですがこの状態はタコが自分の足を食べているに

等しい状態で、一時期1兆円を目指せとしていた業界も最終的には

4千億を割る市場規模に減退しました。これはある意味必然とも言えるでしょう。

 

では何故専門店から量販店、そして量販店からプライスショップに多くの顧客は流れたのでしょう?

 

ここには四つの要因が存在します。

 

①景気後退の波と一致した。

 

②左うちわだった専門店の方々が研鑽せず、結果的に量販店と大差ないものしか作れなかった。

 

③専門店の方々が、価格設定に対し、自身に甘く消費者から搾取している方もいた。

 

④専門店の方々が御用達の商売に終始し、違いの分かる顧客を育ててこなかった。

 

この様に複合的な要素が絡み合い、消費者に専門店は見限られました。

 

多くの消費者がこう思ったでしょう。

 

「今まで訳も分からず高いメガネを買わされていたけど、あら、安いとこでも十分見える

じゃない、レンズだって高いレンズと厚みだって、見え心地だって変わらないし、

これなら私はこれで充分だわ。」

 

と思ったのです。

 

これが、普段から研鑽して圧倒的にクオリティーの違う眼鏡を作り、その品質の違いを説明し、

無駄な物は売らずに必要なレンズだけを販売していれば。

 

今となってはもう遅いのですが、上記の対策をしていれば、別に競合が出てきても

何も問題なく、自分の商売を貫けたでしょう。実際に数少ないのですが、当時から

圧倒的に品質の高い商品を作っていた眼鏡屋さんは今でも顧客との太いパイプを

維持し、上手く経営出来ています。

 

僕は④の御用達の商売に関しては、顧客に私に任せれば安心だよ、あなたは何も

勉強しなくても良いから任せて下さいというのは顧客にとっても良いサービスだと思いますが、

一方、その戦略には高いメガネと安いメガネの違いが分からない顧客を量産してしまうという

リスクがあることは認めなくてはいけません。少なくとも僕は今、自分のお店で

自身の拘りを常に情報発信しています。それはこんな僕のポリシーを体現しているのです。

 

「賢明な顧客が健全な業界を育む。」

 

僕らも人です。残念ながら魔がさす事もきっとあるでしょう。

でも、もしも僕が苦しい時にポテトいかがですか?と始めた時に、

そこに嘘が存在するのなら、顧客にその嘘を見破って頂ければこんなに頼もしい事は無いと

思います。少なくとも僕が従業員を雇ったら、僕の休みの日に従業員が会社に利益を

落とそうと良かれと思って、不要な単価アップをしてしまうかもしれません。それを未然に防ぐのに

お客さまが一役買って下されば、それはきっと弊社にとっても皆さんにとっても良い事でしょう。

 

専門店、量販店、そしてスリープライスショップ。

 

こう流れてきましたが、実はここ数年でもう一つのトピックがありますが、それが

弐萬圓堂に始まり、眼鏡市場が追従したワンプライスショップという形態です。

スリープライスショップが5/7/9であるのに対して、弐萬圓堂は20.000円、

眼鏡市場は当初18.000円で遠近両用も薄型も選べるようにしました。

 

この業態も爆発的にヒットしました。過去の専門店の顧客でも、5.000円の眼鏡は

怖いわ、と我慢していた方々も、18.000円ならもう少しちゃんとしたのが作れるのかしら

と期待したのです。実際に僕の友達でも眼鏡市場の方もいらっしゃいますが、

実際にすごく立派に勉強していらっしゃる方もいますし、他のチェーン店にも

立派な先生はいらっしゃいます。ですから社名だけをみて、その方の技術レベルは

計れないというのが実情だと思いますが、

 

では、その社員さんの誰もが凄腕かと言えば、そんな事は残念ながら

あり得ない様です。凄腕の社員さんを育て、そしてその方に一生の仕事としてもらうために、

必用な報酬をあげられる訳もないからです。

 

ですからチェーン店の弱点としては、

 

この人の知識/技術レベルの差を克服できないという構造的な問題を常に抱えています。

実際にイワキさん等は、この問題を承知して従業員の成長を待ってからゆっくり出店しています。

また僕より年配の眼鏡士もお店を覗くといらっしゃいます。この事から終身雇用とは言わずとも

一生の仕事として働ける環境を整備されている事が分かりますね。

 

ともかくワンプライスショップの出現は、専門店から量販店への勢いを増す

大きな起爆剤となった事は間違いのないことでしょう。

 

そしてやはりここにも競合の大手他社は一部追従したりしましたし、一回ワンプライスショップ

に業態を変えて、上手くいかないと見るやもう一度戻した大手小売店さん等は、苦戦しているようです。

ファーストフードの価格の上げ下げもあまり激しくしてしまうと価格に対して説得力が

なくなるという意味では外食も眼鏡も同一と言えるようです。

 

では今は、どうしているのでしょう?

 

メガネスーパーさんは検査のメニューを再構築し、有料の視力測定メニューを

用意し、新しい顧客のニーズを掘り起こしている様です。

 

つまり、価格競争は行くとこまで行ったので、次の段階に今の日本のマーケットは

突入したと言えるのです。そしてこれからの眼鏡業界は多様な顧客のニーズに

対応出来るように、多種多様なサービス競争をする事でしょう。

 

そして僕は、両眼視機能検査とプリズムメガネという自らの武器と、

そして今ではキクチ眼鏡専門学校に通い、新たにビジョントレーニングという

サービスも一つ上の段階に行こうとしています。

 

僕も前述したような圧倒的なクオリティーの眼鏡を提供し、

顧客に喜んでもらいたいし、その顧客満足の結果が自身の

お店の発展だと信じてもいます。少なくとも僕は過去の歴史に学び、

過去の経緯に「敬意」を示しているのだと伝えたかったのが今日一番

言いたかった事です。皆さんそれぞれの立場で懸命であることは

疑いようのないことだと思うからです。

 

振り子は行き過ぎれば戻ってきます。今日本の眼鏡業界は低価格という

流行から、多様化という方向にそのベクトルを変えているようです。

 

さて皆さんは、どうやってお店を選びますか?

 

今日は大手のお店の解説に終始しましたが、明日は時間があれば、

では中小の専門店の人達は今どうやって自身の居場所を作ろうと

企業努力されているのか、それを簡易に解説したいと思いますね。

 

ではまた明日。

 

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