本日のblogの難易度【★★★★】

 

連日の難易度高めのblogで失礼致します。

 

先日いらした方は、学生時代に頭をぶつけ、それから上下に眼がずれてしまうようになり、

その後斜視の手術はしたものの、依然姿勢が傾くように乱れ困っている。

そのご相談でした。実際に検査してみると11△(プリズム)ほどずれがあり、

今現在は、4△を矯正するのみでした。

 

するとどうしても体が真っ直ぐに立てずに傾いてしまうとお悩みでした。

これは良くあるケースなのですが、注意しなくてはいけないのは、

 

身体を傾けるという急場しのぎの対策にも二種類あるという事です。

 

皆さんも少しイメージしてくださいね。

 

眼が上下に大きくずれる人がいます。すると眼は下の左の図の様になります。

 

 

それを首を傾けて、右の図の様にする人がいるのです。

左では明らかに黒目の位置がずれていますが、

右ではその差が縮まりますね？

 

これが一つの斜頸や姿勢を乱れさせる一因です。

 

でも上の図とは逆に動かししまう方もいらっしゃいます。

それはその上下の眼の位置の差を広げてしまった方が

都合が良い場合があるからです。

 

その差を広げてまるで違う方向に目線を向けさせます。

 

するとまるで違う対象物を見てしまうと、その右目で捉えた像と

左目で捉えた像のどちらかを見たいと無意識に思えば、

主に利き目の眼で捉えた方を優先的に処理します。

 

すると利き目が右目であれば、左目の画像を見なかったことに

してしまう機能を脳は有しているのです。

 

それを抑制と言います。

 

利き目が右目のケースで

右目で〇を捉え、左目で×をとらえてしまった。

でも本来は〇を見たいと思えば、左目の×は消してしまうと

思ってください。別に眼を瞑っている訳でもないのですよ。

 

それでも不要な画像データーは要らない、と処理するよう

環境に適応しているとご理解下さいね。

 

左の利き目の方でしたが、最終的には

 

右にダウン方向4△

 

左にアップ方向4△

 

というプリズム処方値でした。

あれ？上の図は右目が上に、左目が下にずれていますね？

にもかかわらず、プリズムは右にダウン　左にアップと入れていますね。

おかしいと思いますよね？でもこれがセオリーで良くあるパターンだと

ご理解下さいね。ここは少しややこしいのですが、

 

左目にアップに入れると左目の安静位方向に眼は動きます。

安静位のままだと物がダブってしまうのをプリズムレンズが

焦点を合わせてくれるのです。

 

右目も同様です。

 

右目にダウンを入れると右目の安静位方向、上に眼は動きます。

それで左右の眼はリラックスし、緩んだ状態を作ることで、

眼はいざという時の力を蓄えることができます。

 

先ずはリラックス、そしてトレーニングというのが一つの流れになるのです。

パンパンに張った状態では余力が無いのです。

先ずは余力の整備が必要になるということです。

 

さて、このお客様にもご満足いただけるかな？

 

皆さんも、姿勢の乱れが気になったら？

若しかしたら眼のずれが原因かもしれませんよ。

 

その場合には、斜視や斜位に詳しい眼科医や

眼鏡店にご相談に行ってみてくださいね。

 

因みに眼鏡店に行くと、僕なんかは

ずれの有無はすぐに答えられますが、

でもすぐに眼鏡を作るという選択をせず、

 

一度脳神経外科や神経眼科に掛かって

MRIを撮って、脳に異常が無ければ、

眼鏡で矯正する事を考えましょうと

いうかもしれません。

 

それなら、最初から脳神経外科や神経眼科に

行けば良いのかもしれませんが、

姿勢が乱れたくらいで、どこかの大学病院に行くのは

気が重いと感じる方もいらっしゃいますよね？

 

その為、先ずは掛かりつけの眼科医や、

斜視や斜位に詳しい眼鏡店に行って

相談してみるのも一つの手です。

 

もしも大きなずれが見つかれば、今日ご紹介した方の様に

斜視の手術をするという選択肢と、そしてそれ程大きなずれで

無ければ眼鏡で矯正するという選択肢とございます。

 

その選別もしなくてはいけませんね。

 

このご報告がどこかのお店の

どなたかのお役に立ちますように。

 

それではまたこのｂｌｏｇでお会いしましょう。

 

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