アニサイクルレンズ(軸性の不等像視編パート2)
2019/07/28
本日のblogの難易度【★★★★★】
昨日は一日で書けるボリュームかな?と思ったら全然足りないというお話でした。
では今日は屈折性と軸性と二つの不等像視になる要因があり、
軸性の不等像視について簡易に解説致しますね。
先ずは眼軸とは?
というお話ですが、
眼の表面に角膜がありますね、その角膜から網膜までの距離をさします。
平均は25mm程度と言われています。よく言われるのは500円玉くらい
なんて説明致します。
でも、この軸の長さに左右差がある人が居るのです。
例えば、
右目の眼軸=25mm
左目の眼軸=23mm
なんて方がいらして2mmの眼軸長の左右差があったとしましょう。
この場合には、そもそものお話ですが、
眼軸が長い目の方が近視が強くなる(1mm=3D)傾向にあるのですが、
それはひとまず置いておきます。
こうした左右差が、後天的に発生してしまうケースと
先天的にこうなっている場合があるという事はご説明させて頂きました。
そもそも近視の量が眼軸長の変化で変動するというだけでなく、
近視の度数の決定要因に角膜と水晶体の屈折力の変化という要因も
あるので、一概に眼軸長の左右差が=異常だとは言えないのです。
ただし、一方的に片目だけ眼軸長が伸びてしまう事はやはり大きなリスク要因ですね。
こういったケースの多くは近視量が増大していくでしょう。
後天的なケースとしては黄斑前膜という網膜に膜が張ってしまう病気です。
これが末期になると視力が出なくなってしまうので、
最終的にはこういった黄斑前膜は手術が必要になります。
先日ご相談にいらしたA様(仮称)も二年前に相談にいらした時には、
黄斑前膜で不等像視にお悩みでご来店頂きました。
ただし、その時は、膜が張ってしまった為に、近視量が変化したのか、
以前お使いの眼鏡が過矯正になってしまっていました。
そしてそれを改善した眼鏡を作ると像の左右差は気にならないと
仰って頂けましたので、この時は普通に遠近両用レンズで作成し
ご満足頂きました。ただし、二年後にご来店頂くと、
また右目の方が大きく見えて深いだとご相談。
今回も度数の変化はありましたが、それを調整しても
この左右の像倍率の差は消えませんでした。
そこで今回はアニサイクルレンズの出番が来たのです。
使用したフレームはソリッドブルーS-196-4
アセテートとチタンのコンビネーションフレームで
今回はクラッチグラス(眼瞼下垂の方向けのツールです。)
との併用でもありましたので、
それが綺麗に隠れるシェイプを御所望でした。
そしてレンズはロハスセブン。
以前はアニサイクルレンズというと単焦点レンズ、
遠く専用、と近く専用と二本使いがマストでしたが、
便利になりました。一本である程度の作業がこなせる様になったのです。
はたして今回はどうなるかと戦々恐々でしたが、
フィッティングで上手く調整するとサイズ差が消えたと
言って頂けました。前から見るとこんな感じ。
それ程違和感なく掛けられるのではないのでしょうか。
掛けて頂くとほぼ問題なく使って頂きました。
レンズの中にある銀色の丸はスイッチマグ、
今回は一本で遠くも近くも見えるだけでなく、
サングラスとしての用途にも対応して欲しいというご要望でしたので、
KODAKのPolarMaxProでしっかり眼を守りたいというニースに応えたいと思います。
実際に掛けてみるとこんな感じ。
この様に、左目に近く調整し、右目には遠ざかる様に調整します。
これもアニサイクルレンズならではの調整です。
ですから眼鏡の取り外しを片手でやってしまうとこの調整が台無しですから、
必ず両手で取り外してくださいと念押ししました。(苦笑)
また、左目のレンズの方が厚みがあり、はみ出ていますね。これはレンズの発注と
加工の両方で像倍率を調整し、左右のサイズ差が減る様に工夫されています。
A様の暮らしがこの眼鏡で少しでも豊かになる事をお祈りさせて頂きます。
また、上からの写真ですが、顔出しに快諾して頂けたことに御礼申し上げます。
このご報告がどこかのお店の
どなたかのお役に立ちますように。
それではまたこのblogでお会いしましょう。
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