幼少期の内斜視について
2020/09/17
こんにちは、今朝の体重は75.8キロ。
今朝のYouTube動画チャンネル登録者数は298人。
いよいよカウントダウンの段階ですね~。
一歩一歩の大切さを噛み締め日々動画のネタを考えています。
さて今朝のニュースは、表題の通りお子様の斜視矯正に関してについてでした。
本文は以下のリンクよりお読みください。
1歳や2歳の斜視のお子様に僕の方で何が出来るかと言えば、
正直何も出来ません。せいぜい、処方箋に基づき眼鏡を作る程度です。
ではお子様の眼はお医者様に任せておけばオールOKなのか?
っと言えば、私の僅かばかりの経験で言えば、本当に幼少期の時に眼鏡を作る事は
良いと思いますが、あまり早い時期に斜視の手術はお薦めしません。
ここでいつもの表を思いだしてください。変動期や安定期云々という例のあれです。
このグラフの通りなら、多くのお子様は生まれて間もなく遠視のケースが
数多くあります。そしてその遠視は成長に伴い弱度化していくというのが
正視/遠視系の幼少期の変動傾向です。
そもそもお子様で斜視のケースというのは、
多くのケースで調節性内斜視になっているケースが多数派です。
ここを圧倒的多数ですと言いたいのですが、
私はその根拠が無いので控えめに多数派という言葉を使っています。
では調節性内斜視というのはどういった時に発生するのでしょう?
それは遠視を放置して裸眼で居る状態で目は内側に入ります。
これのメカニズムを説明すると難しいのですが、
言葉で言えば調節性内斜視、それはピントの調節に伴い、
眼が内側に入る自然な反応なのですが、本来はピントの調節は
近くを見る時にするものです。でも遠視の方は遠くを見る時でさえ
ピントを調節します。更に言えば、ピントの調節力は子供のころであれば
ふんだんにあります。すると遠くを見る時でさえ
「無意識にピントを合わせてしまいます。」
ところがピントを合わせようとすると、両目共に内側に入ります。
それでは遠くのどこにも目線が合っていないので、片目だけ内側に入ります。
これがすんごく簡単に解説した調整性内斜視の発生メカニズムです。
内側に入った眼は遊び癖がつくだけでなく、
発育時には大切な両眼視という機能が発達しなくなります。※
※:諸説ありますが、以前は3才までに両眼視を体得しないと
その後いくら両眼視をさせようとしても両眼視をしなくなるという説が有力でしたが、
少なくとも僕はそれに否定的で僕はいくつになっても両眼視という眼の使い方を習得出来ると思っています。
これを問題視して幼少期の子供の斜視眼を眼鏡で矯正するのですが、
なかには、斜視の手術をしてしまうケースもあります。
遠視を放置して斜視の手術はしても、寄り眼のメカニズムはそのまま残りますから、
すると最初は良くともしばらくすると内側にはいってきてしまいます。
ですから遠視の潜伏による調節性内斜視の対策は
先ずは
①遠視の完全矯正値を測定する。
これが第一で、それを抜きにして手術をしてしまうと
結果的に内斜視なのに寄り眼が出来ない眼が出来上がってしまう場合もあります。
ですから、①が大切になるのですが、厄介なのは、
遠視の完全矯正値を測定するのには手間も時間もかかるという事です。
例えば身長の測定をしようとしたら、ふざけて膝を曲げて、性格に測定出来ないお子様がいると
しましょう。お子様にはありがちですね。すると身長測定の変動要因として真っ先に考えられるのは、
膝の屈伸です。お子様であればある程に、この膝の様に自由に慎重を変えられるとご理解下さい。
そしてそれを無自覚無意識に遠視を少なめに見せてしまう傾向にあるのです。
それを嫌って散瞳剤という眼薬をしたり、雲霧という方法で力を抜かしたり、
小児眼科の先生は様々な方法でこの遠視の炙り出しに苦心されているのです。
僕はお医者様ではりませんから、この小児の遠視の炙り出しに関して
散瞳剤を使えないというハンデがある事を理解していますので、
原則10才になるまでは小児眼科の専門医に掛かってからご来店くださいと
伝えています。
遠視の度数決定に時間が掛かる事はなんとなくご理解出来ましたか?
次は、斜視の手術を幼少期にしたお子様が、
大人になるとどうなるのでしょう?
先ほど示した図の様に遠視は減っていきます。
では遠視が減るとどうなるのでしょう?
遠視が減ると内斜視のずれの量は減少傾向に変化します。
そして最悪な状況では外斜視になってしまうケースもあるのです。
何故ならば寄り眼の力をそぎ落とすように筋肉量を手術で調整するからです。
ですから僕は幼少期の斜視の対策は早いに越した事はないと思いますが、
真っ先に手術というよりも今回ご紹介した事例の様に先ずは眼鏡で遠視を炙り出すという
ステップを踏むことを推奨します。
このご報告がどこかのお店の
どなたかのお役に立ちますように。
それではまたこのblogでお会いしましょう。