テレワークと寄り眼
2020/11/14
本日のblogの難易度【★★★★★】
今朝の体重は74.4キロ。
おお!多分過去最低に近いかと。
そして
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は363人。
着々と400人に向けて頑張っております。
さて今朝いらした方は36才女性で
最近左右の視力差が出てしまい、
眼も疲れるようになった。
っというご相談内容でした。
早速以前の眼鏡の視力をとるとこんな感じ
旧度 | R | -4.00 | -0.50 | 15 | 31.0 | 1.20 | 1.00 | |
L | -4.00 | -1.00 | 15 | 28.0 | 0.90 |
左右に視力差が出てしまっていました。
一方、屈折異常量としては変わっていたのでしょうか?
以前の完全矯正値と言って、一番強くいれて最高視力が出る度数は
両眼解放 | R | -4.25 | -0.50 | 15 | 56 | 1.2 | ||
L | -4.25 | -1.00 | 15 | 1.2 |
今回の完全矯正値は、
両眼解放 | R | -4.00 | -1.00 | 10 | 55.0 | 1.2 | 1.5 | |
L | -4.00 | -1.50 | 20 | 1.2 |
この様に近視が減って、乱視が増えた。
これが今回の視力の変化の大きな特徴ですね。
ここまではそれ程騒ぎ立てる程の事でもありませんでした。
ところが斜位の検査をしてみるとおかしい、
以前は外斜位といって眼が外にずれる方で、
それが自然なずれだとこのblogでは定義していますので、
自然な目の位置にリラックスさせるとずれるお方でした。
ところが、今回は、どんな視標を使っても
内斜位方向にずれます。
ここで焦ってベースアウト方向にプリズムを入れるのは
今回に限っては望ましくないと僕は考えます。
それよりも何故寄り眼になっているかの分析の方が大切です。
今回は(ここから難しくなる)
ピントを合わせようと手元を見る時に寄り眼し過ぎてしまう状態でしたが、
普通の人は、ピントを合わせようとすると寄り眼に自然となります。
これを専門用語で言えば、調節性輻輳という名前で定義付けされます。
今回は、調節性輻輳の数値をグラシアスでは自動計算で二つの方法で測定していますが、
ヘテロフォリア式では7.5D
グラディエント式では6.00D
っと少し強めの調節性輻輳の力を有していました。
計算がややこしいのですが、
何しろ近くを見る時に寄り眼の力が
平均値より強いと理解してください。
こういったケースでは、
近視であれば弱矯正が有効です。
今回もテレワークでデスクトップパソコンから
ノートパソコンに変化し、目的距離が60㎝から、40㎝に
距離が変化しました。
詳細な計算ではないのですが、60㎝を注視するのに
必要なピント合わせの力は1.66D(ディオプター)
40㎝では2.5D必要になります。
これで先ほどの調節性輻輳のグラディエント式の数値を採用して
近くを見ると、
60㎝:1.66×6=9.96(約10△(プリズム))
40㎝:2.5×6=15△
という調節性輻輳量になります。
つまり10△から15△に寄り眼量が増えた事になります。
ここで近視の度数をコントロールして、正位(斜位が無い状態)
にもっていこうとすると2.5Dもの近視を落とす必要があります。
ところがその状態では今度は焦点距離が合わなくなるのです。
これ2.5Dも落とすと明視出来るエリアは40㎝よりも内側に来てしまいます。
これでは不自然な姿勢を強いられます。
従って今回は、極力近視を弱めながら、40㎝のPCモニターで
最高視力が出る度数を探っていく手順になり結果としては、
完全矯正値から、+1.25だけ度数を落とした以下の度数に決定しました。
暫定度数 | R | -2.75 | -1.00 | 10 | 0.5 | |||
L | -2.75 | -1.50 | 20 |
視力は0.5しかでていませんし、これでも内斜位傾向にずれてしまいますが、
元々は遠くも近くも外斜位だった方ですから、
このメガネを使う事で、過度なピントの調節を避けて、
寄り眼の仕事量が減少し、本来の外斜位方向に改善してくれたらいいな~。
っと思いながら視力測定をしていました。
このテレワーク化により、モニターが小さく、更に近づき、
環境が変わる事により、眼鏡を変える必要があるという事を
もっともっと啓発する必要性があると強く感じ、
今日のblogにまとめさせて頂きました。
それではまたこのblogでお会いしましょう。