国民の視野に入っていない我々

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眼石祝応のBLOG

国民の視野に入っていない我々

2021/01/17

本日のblogの難易度【★★★】

今朝の体重は、75.0キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は427人。

 

女性が選ぶ「眼鏡販売店」ランキング発表! Zoff、眼鏡市場を抑えて利用率第1位となったのは?

(出展元 ウーマンリサーチ)

 

僕が本blogで何度か言っているように、

僕ら中小零細企業は8000店舗弱で2割のシェア、

大手は5000店舗で8割のシェア、つまり多くの国民は

量販店やプライスショップの中で、どれにしようかを

選んでいて、僕らの様な小さなお店は視野に入っていないと

お伝えさせていただしていました。

 

悲しい事ですが、まさにそのリサーチ結果を

今日はネットニュースから突き付けられたのです。

 

またその中でこんなコメントをしている方がいらっしゃいました。

 

「オレは眼鏡技術者なんだが。この業界にはもう居場所はない。
JINSなどの台頭で眼鏡の販売単価が短期間で急激に下がった。

それまでの眼鏡チェーン店も右にならえで単価を下げ、正社員の契約社員化が進んだ。


長年眼鏡の仕事をしてきたが、JINSなどは単なる雑貨屋に過ぎないので、

店員などは若いお姉ちゃん達で充分でありベテラン技術者などは不用である。オレなど初めからお呼びでない。


愛眼などの過去のチェーン店ではJINSの真似事をするしか能がないため、

単価ダウン=人件費ダウンとなり、最低水準の給料しか貰えない。


今は、他業種でかつて働いていた業界の凋落ぶりを眺めております。」(ヤフーニュースコメント欄より)

 

と既に同士だったはずのお方は転職されてしまい、

眼鏡業界の凋落ぶりを眺めていると…。

なんて悲しいコメントでしょう。

 

でもこれは氷山の一角に過ぎません。

志が高く、技術のある人程今の業界では

居場所がなくなっていますし、

せっかくの技術の腕を振るう場所が無くなっているのです。

 

この人材の流出は業界の損失で、

これに歯止めを掛ける必要があると僕は言ってきました。

一番簡単なのは僕の会社が大企業になって技術の高い人を

抱えてもしっかり人件費を払える会社になる事ですが、

僕は創業以来10年程は、パパママストアーだから出来る事に

フォーカスして店舗経営してきました。

 

2~3年前から、それでは自分は生き残っても業界は枯れていくと

感じ、僕はギアを一つ上げて、会社の規模を大きくする方向に

スイッチしました。理想は職人が集まるプロ集団。

 

このコメントをしていた方の様に、

技術は有ってもその技術を評価してくれる会社がなくて、

絶望して転職したり、場合によっては廃業している方がいらっしゃいます。

 

僕はその方々の受け皿になれないまでも、

先ずは、人材流出に歯止めを掛ける必要性を感じているのです。

そしてその想いが「メガネ開業アカデミー」に繋がっています。

 

ではコメントをされた方の様に腕を振るう場所がないのは

本当ですし、事実ですが、僕らの技術は無駄な技術なのでしょうか?

僕はそうではないと思っています。

 

ただただ僕らは宣伝戦に負けたに過ぎない、

そしてそれが致命傷だったと思っています。

 

それを僕は差別化だけでは生き残れない

 

と表現しました。差別化なんて顧客の単価が変われば当たり前、

会社の数だけ個性的なサービスが存在するべき。

ところが1億総中流時代は没個性でも物が売れたのです。

 

そしてその時代からいち早く脱却し、今の地位を築いたのが、

ZOFF,JINS、そして眼鏡市場だったのです。

 

そして未だに没個性のままに、

中間層を狙っている会社は苦戦を強いられているのです。

 

つまり僕ら中小零細は、明確な差別化要因はある。

これが前提になり、更に存在をアピールする事に

企業努力を求められているのです。

 

今まで何十年も眼鏡屋やっていて、

大手と変わらないクオリティの品しか作れないのであれば、

それは怠慢であり、御退場も止む無し。

 

これが正直な僕の思いです。

淘汰は必然と僕は言っているのです。

 

では上手に商売すれば僕らはもっともっと大きなマーケットシェアを獲得出来る。

これが本当だとするのならば、その根拠が必要でしょう。

その根拠は僕のお店が今より数倍の繁盛店になる事です。

ただし売り上げというのは一朝一夕には上がりません。

お金を掛けて上げようとすれば上がるのかもしれませんが、

それは一時期の間限定の売り上げになります。

 

ですから僕らは地道に企業努力を継続します。

この途方もない長い道程を見ると気がくらみそうになりますが、

そんな中でも僕にはわずかな希望の光が射して見えています。

 

先日千葉の中学生とYouTubeでこんなやり取りがありました。

 

中学生「とてもいい動画ありがとうございました。ジャックデュランの眼鏡を買おうと思っているんですけれど、どこの眼鏡屋さんにいってもレンズを入れることはできますか?なにせ眼鏡初デビューなので知りたいです。自分でもレンズをデモレンズにかえたりサングラスにしたりできるものですか?」

 

眼石祝応「お褒めのお言葉本当にありがとうございます。原則取扱店で度付きレンズをいれるべきですが、構造的にはそれ程難しい加工ではないので、フレーム持ち込みでレンズ加工をしてくれるお店もあります。若しもお近くに取扱店があるかどうか分からなければ、調べてご連絡しますので、お住まいの都道府県を教えてください。自分でレンズの入れ替えは極力止めてください。レンズやフレームの破損の原因になります。」

 

中学生「丁寧な返信ありがとうございました😊

実は私は中学生で春にコンビニなんて愚か町もなんもないような県外の高校に行くので自費でメガネを買おうと思ってじゃあ坂本龍一さんのつけているメガネをかけたいし、高いものは長持ちすると思って買おうとしていると伝えたところ。怒られました。理由は顔の形が変わってきたり疲れたりするかもしれないから最初にそんな高いものを買うなんてありえないということでした。ネットで調べると平均の値段は20000ぐらいだったのにも関わらずそれは高いものを売りたいからだと3000円のものでいいと言われました。違い教えていただけませんか?初回の買い方も教えてください。

 

眼石祝応「それは責任重大ですね。真面目に答えます。初めての眼鏡でジャックデュランは確かに突拍子もなく僕も感じます。でもどこで作っても良いとも思えません。眼鏡は誰に仕立てて貰うかが本当に大切です。例え素材が一緒でも上手な人が視力測定すれば度はまるで違う物になってしまう事もいくらでも事例があります。例え視力測定が上手くとも顔に合わせてフィッティングしなくては台無しです。レンズの加工も、商品知識も、フレームのお見立てだって上手い下手があります。因みにジャックデュランの506ですが、ファッション的に男性に合わせれば難易度が低く、女性に合わせると難易度が極めて高くなります。

 

ですから、その高難易度なフレーム一本に絞ってフレームを探すのはリスクがあります。ですから店員さんに相談しながら選ぶのがリスク回避の為には大切です。 そうなるとオススメは小さなお店で個人経営してそうなお店が親身に相談にのってくれて良いかもしれませんね。県庁所在地まで行けばどんな県でもお洒落な眼鏡屋さんは一軒二軒はあると思います。眼鏡は眼鏡好きになれば成る程にエスカレートしますから、最初は無難なタイプからスタートした方が良いのでは?と思うのはご両親と一緒です。良いご縁がありますようにお祈りします!」

 

中学生「本当に丁寧にお答えしてくださりありがとうございます。たしかに最初は突拍子もないものより無難な方ですよね。千葉に住んでいるので眼鏡市場とかありますが大手なのでがんばって小さいお店を探してみようと思います」

 

この後に僕は僕の推奨する眼鏡屋のポータルサイトのリンクをご案内してやり取りは終わりましたが、この中学生の女の子は、これからお母さまやお父様と戦うのではなく、世間の常識と意見を戦わせることになります。世間の常識は安い物で充分と思っているからです。

 

自分の目だから、ちゃんとした物をかって長く使いたいという自分の娘に、3.000円の眼鏡で充分だと僕に言わせれば世間の間違った常識に流されて思考停止しているご両親に、この子はどうやって抗うのでしょう?僕にこの中学生のご両親の心境を察する事は出来ませんが、少なくとも第一次変動期に入る10代中盤は下手をすると近視の強度化のリスクが大きいのですが、それに対して親は、仕方がないと言うつもりでしょうか?

 

自分の目のことだからと興味を持った子供のサポートをしてあげるのが親心だと僕は感じますし、初めて作る眼鏡だから=安い物で良いという世間の常識は、少なくとも眼鏡屋の僕からすれば明らかに事実誤認だと言えます。

 

そして僕らは、この中学生の様に経験も持たずとも、本質に辿り着けるエントリーユーザーをサポートする必要があると思うのです。こんな事を僕一人でつぶやいても、何も変わりません。では10店舗では?10で駄目なら100店舗では?それでも駄目なら8000店舗の中小零細企業が、消費者に対して本気で啓発活動をしたら?

 

僕は間違った常識を塗り替える事だって決して不可能だとは思いません。

少なくともこのblogの読者の皆様はたかが眼鏡とは言わない、いや言えないでしょう。

 

眼鏡を正しく仕立てる必要性を理解しているからです。

地道に見えますが、こうして一人一人の業界人が自分の周りの

人々に言い続けるのが大切なのです。

 

そして僕は若しも業界のベクトルが最大公約数的に一つに一致すれば、

広報活動を業界の総力を結集してするべきだと提言しています。

そしてその旗印としてメガログという物を提言しています。

 

このメガログが出来れば、上手にメガネを選べる教育ツールにもなりますし、

眼鏡屋選びにこまった今回の中学生の様なケースでも「道標」として機能するでしょう。

文字通り目の肥えた消費者が大量につくられるのですし、

作らねばこの業界は今のままでしょう。

 

僕は僕の一生を捧げて、この啓発活動を続けてみたいと思っています。

一人の男が一生を捧げて何かしらの事を続けたら、それはきっとさざ波くらいはたつでしょう。

今日は思いのほか超大作でした。それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

 

 

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