モノビジョンと不同視と白内障

来店ご予約

眼石祝応のBLOG

モノビジョンと不同視と白内障

2021/04/03

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は75.9キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は550人。

 

僕は毎回毎回100人単位に目標設定していますが、

今回もこれで折り返し。まだ果てしない旅は続くので、

一息はつけませんが、一区切りですね。

 

区切りと言えば、左右の度数差が±2.00以上の開きがあるのを

境、いわば区切って僕ら眼鏡屋は「不同視」と捉えます。

ひと昔前の考え方では2.00以上の開きは像倍率の開きが大き過ぎて、

両眼視を阻害すると言われていました。

 

僕は昨年?一昨年?(もう記憶が怪しい)​​

の春に眼鏡学校を卒業したばかりですが、

 

今は、眼鏡屋の入り口、

眼鏡学校でも±2.00以上の度数差があった場合には

どの強い目(近視であれば)の度を弱めに

調整する必要があるとは教えていません。

 

ところが、現実のお店では、

その知識がなかなかアップデートされていない様です。

 

昨日いらした方もそんな状況でお困りでした。

先ずはいつものように「レフケラ」の数値からご紹介します。

他覚 R 0.25 -0.75 108   35.50 1.50 1.50
L -3.75 -0.50 79   35.50 0.05
角膜乱視 R   0.00 0 色覚特性 8  9  
L -0.50 84 5  2

この状態では、見ての通り不同視だと考えます。左右の度数差が±2.00以上ありますね?

実際に僕が視力測定してみるとこんな感じでした。

両眼解放 R 0.25 -0.50 108   71.0 1.5 2.0
L -3.50 -0.50 25   2.0

そして他店で近用に調整されたメガネの度数を見てみましょう。

旧度 R -0.02 -0.33 59     1.20 1.20
L -2.34 -0.47 63     0.50

これを見て分かる通り、右目は遠くにピントが合う、遠視の弱矯正、本来は遠視も入れて欲しい気もしますが、

このお店で検査した時点では遠視は検出されなかったかもしれないので、誤差の範囲だと言えます。

でも、左目だけ、一方的に度を弱めて作成されています。

 

結果的に左右の眼の視力で視力差が生じています。

 

不同視を問題しする方は、この視力差は問題視しないのでしょうか?

 

それはそうだとも言えます。

こういったメガネの作成方があるからです。

 

それを

 

モノビジョンと言います。

 

今回の処方では、

 

右目で遠く、

 

左目で近く、

 

と役割分担をします。

ご高齢で両眼視をどうやっても獲得出来ないと判断した場合には、

このような役割分担を促す度数調整は有りえるのです。

従ってこの度数を僕は間違いだと言うつもりはありません。

 

ところが、今回のケースでは両眼視を獲得したい、

物事がダブって見えて辛いだからなんとかしれくれ。

 

といったご要望だったのです。

 

今回のご持参頂いた眼鏡は残念ながら

そのご要望にはお応え出来なかったようです。

では僕はどんな度数を提案したのでしょう?

 

先ずは前提条件として、ご年齢や右目が眼内レンズである事を考慮しても、

単焦点レンズでは視界の質は改善出来ない。

と僕は判断して遠近両用レンズで提案する方向だと説明して

ご納得頂きました。今回は職場のパソコンはノートパソコンだというので、

遠近両用レンズとの相性が良いと判断したからです。

 

そこで僕はこんな度数で提案しました。

処方値 R 0.75 -0.50 108 1.50     1.0
L -3.00 -0.50 25 1.50    

 これにプリズムを水平は左右合算10△、上下に左右合算で6△入れて提案しました。

これで装用テストの段階では随分改善したと自覚があった様です。

 

今回は水平のずれは勿論、上下のずれがかなりあった事に驚きましたが、

これは右目を眼内レンズに変えてから、複視の自覚が出始めたという事なので、

報告という形でご紹介致します。

 

今回のケースがそれに該当するかどうかの判断は

タイムマシンでもない限り正確なジャッジは出来ませんが

 

眼内レンズを入れた時に、上下斜位が発生する。

若しくは上下にずれすぎて斜視になるという事例は、

眼鏡屋仲間では当たり前の様に事例を紹介されるケースで、

よくあるパターンだと言えるようです。

 

そもそも、白内障の手術の時に度数を左目に合わせて近視よりにしておけば

不同視にはなっていないのですから、

右目を近視よりに眼内レンズで調整していれば

もう少しシンプルに眼と向き合えたとも思います。

 

今回は白濁したレンズを交換してスッキリ見えるようになったが、

 

ダブってしまった。

 

このダブりを解消する提案がなかなか他の眼科や眼鏡士からは

ご提案が無かったようです。

 

僕もモノビジョンで行くか、

それとも両眼視を獲得を目指すかは当初は迷いましたが、

斜視を矯正するプリズムレンズを入れると途端に改善したので

これは行けると手応えを得て提案させて頂きました。

 

このメガネで少しでも生活の質が良くなったり、

労働生産性が上がり、プライベートが充実したり、

そんな事が起これば良いな~っとぼんやり思いながら。

視力測定をさせて頂きました。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。