2歳、遠視と斜視

来店ご予約

眼石祝応のBLOG

2歳、遠視と斜視

2021/04/10

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は、計り忘れた(汗)

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は555人。

 

さて先日二歳のお子様を持つお母さまから

メールにてご質問頂きました。

そのやり取りを公開する事に許可を頂けたので、

共有し、皆様にも知って頂きたいなと願います。

 

(以下メールより転載)

(お母さま)突然のメッセージ失礼します。 2歳2ヶ月の息子が先日斜視と言われ、

遠視の検査をしました。 弱視等治療用眼鏡等作成指示書を渡され、

よく分からないまま眼鏡を作りました。

 

疾病名に弱視 弱視 両遠視と書いてあり、

視力(TACにて)右0.04左0.04と書いてありました。

 

日常生活で、小さなものを見つけたり、離れたテレビの文字を読んだりしているので、

視力が0.04と書かれていることも本当なのか分からず、

作った眼鏡を付けるのを嫌がり、好きなおやつを食べる時か

好きなテレビを見るときしか付けてくれません。

 

遠視であるなら、遠く(テレビを見る距離)は見えてるのでしょうか?

テレビを見るときに、その眼鏡を付けていてボヤけて見えたりするのでしょうか??

病院での説明は医師の淡々とした話と、看護師の事務的な説明だけで、

何を質問したらいいのかも分からず、眼鏡は作ったもののといった感じです。(以上転載終わり)

 

僕からの回答は以下の通りです。

(メールより転載開始)お問い合わせありがとうございます。

初めまして、店長の伊藤次郎と申します。

 

 ご質問には以下の通り回答させて頂きます。

 

Q: 遠視であるなら、遠く(テレビを見る距離)は見えてるのでしょうか?

A:多くのケースで幼少期の遠視は視力に害を与えません。何故ならピントの調節能力が

有り余っているからです。ですからお子様の視力が0.04かどうかは私には分かりませんが、

2歳というご年齢を考慮すれば、まだ視力も発達過程ですので、今後の経過を観察し

判断する必要があります。

 

Q:テレビを見るときに、その眼鏡を付けていてボヤけて見えたりするのでしょうか??

A:多くのケースでは遠視のメガネの掛け始めは、視力が出ずに見え難いと感じます。

それは無意識にピントの調節をしてみる「癖」がついているからです。

ですが掛け続けて慣れてくるとじんわり見えるようになったり、そういう事かと目の使い方を

装用者のお子様自身が理解すると途端に見える様になったりしますので、この過程では、

親御さんの、理解と、更に言えば、最初は見え難い事を察してあげて無理をさせない事も大切になります。

メガネが=嫌いという様になってしまうと、一生眼鏡を掛けてくれない可能性もあるので、

決して無理はさせない事です。

 

そもそも、何故遠視の度数を入れると斜視矯正眼鏡になるのか?

ここを理解する必要があります。遠視という眼の屈折異常状態では

眼は「無意識に」ピントを調節して遠くや近くを見ます。特にお子様の場合には

ピントの調節能力が先ほど述べた通り、有り余る程に豊富にピントの調節能力があるからです。

 

そしてピントをの調節を入れると人の眼は内側に入ります。

この状態を遠視性による調節性内斜視と言います。

この斜視状態を発達過程で放置しておくと一生涯両眼視という機能が育成されないという

説もあります。(注:僕はいくつになってもこの機能を獲得する事は可能だと考えています。)

ともかく、早い時期に両眼視を獲得するような環境整備をすることを私は推奨しています。

 

ですから、お子様の遠視が、若しも恒常的に存在するのなら、

処方箋通りの眼鏡を掛け続けさせる事は、装用者にとっては、

短期的にも中長期的にも利益があると私は思います。

 

問題は、処方箋がそもそもあっているか?そしてその眼鏡の加工精度やフィッティングは

合っているか?これらの条件が全て揃ってメガネは矯正メガネとして機能します。

そもそも処方箋が正しいのか?疑わしいのであれば、〇〇眼科が

小児眼科でも頑張っているので、そこに相談してみてはいかがでしょうか?

 

メガネをちゃんと仕立てているかどうか、そこが疑わしいのであれば、

多少価格は高くともちゃんと仕立ててくれる眼鏡屋さんに処方箋を持って

相談に行くべきでしょう。

 

2歳という年齢で理解なく、眼鏡を言われた通りに掛けられる方が

稀なケースです。親御さんが辛抱強く、粘り強く、掛けさせることを

しつけだと思って、そして眼鏡を嫌いにならないように、促す事が大切ですので、

どうか、叱るのではなく、2歳でも腑に落ちる瞬間がいずれ来ますので、

その瞬間を待つのが大事だと私は思います。(転載終わり)

 

とこの様に回答させて頂き、

その後ご丁寧にお礼のメールまで頂きました。

 

こういった多くのケースではお母さまがメガネを掛けていらっしゃらないか、

それとも近視の眼をお持ちだと、遠視と言われても「遠視?何だそれ?」と

理解不能な状況に陥ります。先ずは近視の眼鏡は慣れるかどうかはともかく

掛ければ多くのケースではおおよその期待通りの視力が出ます。

従って新調したメガネは前のメガネより見えやすいと即実感出来ますが、

遠視の場合には、初めての遠視メガネや、遠視の度数を強くした場合に、

装用当初はぼやっとぼやけるケースが多いのです。

 

それは眼の使い方の癖で、

遠視の未矯正や、遠視の弱矯正メガネだった方は

眼に力を入れてみる癖がついています。

 

この癖が残った状態では、遠くがぼやける傾向にあるのです。

そして力が抜けてくると遠くが見えてくる。

これが遠視を適正な状況で矯正した時の見え方になります。

 

この遠視と近視の掛け始め当初の差をどうか皆様にも

知って頂きたいなと願います。

このお子様もせっかくしっかり見て頂ける眼科と

ご縁があったのですから、

 

どうかしっかり遠視のメガネを掛けて

発達を助けてほしいなと願います。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。