第一次変動期に遠近両用レンズの有用性

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眼石祝応のBLOG

第一次変動期に遠近両用レンズの有用性

2021/09/04

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は77.5キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数696人。

 

今日は二回blogを書いて最後のアップの時点で

二度もblogがバグって消えるという

事件が起こり、長文を書く気力がなくなってしまいました。

従って簡易版でお届けします。ご容赦ください。

 

昨日いらした22歳のお客様が最初にいらした時は9歳、

おおよそ13年程眼を見続けさせて頂いています。

16歳までは一直線に近視は強度化してきました。

彼女だけでなく僕自身も、彼女の近視進行を何とかしなくちゃと

危機感を覚えていたことをよくよく覚えています。

 

ところが、16歳から22歳、この第一次変動期の末期に

更に近視が強度化すると思いきや、今回は近視の進行をミニマムに留め、

作製する眼鏡は若干弱度化する事さえ出来ました。

それをご報告致しますね。

【6年前に作った眼鏡】

旧度 R -6.00 -1.50 177  
L -5.75 -2.00 2  

【今回作った眼鏡】

暫定度数 R -6.00 -1.75 171
L -5.50 -2.25 180

簡単にまとめると

 

近視が減って、

乱視が増えて、

近視の左右の度数差が変化した。

 

というのが結論です。

では僕はここで何をしたのでしょう?

それは遠近両用レンズを16歳で初めて提案し、

受け入れて頂き使ってもらった事です。

 

この遠近両用レンズを若年層に使用する事の効果の有無に

関して、僕は結論めいた事を言うべきではなく、

まだ検証段階だと思っています。

 

では10代を中心として若年層に遠近両用レンズで

眼鏡を仕立てるとメリットばかりなのでしょうか?

リスクはないのでしょうか?

 

近視は完全矯正値で作製するべきだという考え方があります。

それは近視の弱矯正や近視なのに裸眼でいる状態では、

調節性輻輳が衰えてしまい、寄り眼やピント調節が

上手く機能しなくなるという考えに基づく考えでした。

 

ここから先は推論ですが、そもそも人が近くを見る時には

調節性輻輳と近接性輻輳という能力を合算して近くの視物に目線を合わせています。

調節性輻輳と近接性輻輳の量には個人差があると僕は予想しますが、

一方僕の卒業した学校では、調節性輻輳と近接性輻輳を

分けて測定する術が無いと教えていました。

 

 

僕はそこで何とか二つの輻輳を分けて測定出来ないかと工夫し

今も試行錯誤中とはいえ、ぼんやりと調節性輻輳と近接性輻輳を分けて

測定する方法を模索しています。そしてそれの答えはあくまでも、

裸眼とか、近視傾向の方に調節性輻輳が少なく、近接性輻輳の方が多いと

測定される傾向にあるか?と測定値に基づき推論を組み立てています。

 

現段階の結果では、近視の弱矯正は、調節性輻輳を弱め、逆に近接性輻輳を

強める測定値になっています。これは推論通りでした。

後はこの測定法が明確に僕の求める各種輻輳量の差になっているかどうかの

検証で、それに時間を掛けているのです。

 

ここで調節性輻輳と近接性輻輳の言葉の定義を簡易にご紹介します。
 

調節性輻輳:ピントの調節と連動する寄り眼の事。

近接性輻輳:対象物が近づいた時に発生する寄り眼の事。

 

弱矯正にする事で近接性輻輳が増えて、

調節性輻輳が減少するという仮説は

ご理解頂けましたでしょうか?

 

では逆に完全矯正値で作製する事によるリスクは無いのでしょうか?

これがあると思っています。

 

それは近視進行を招く可能性と

 

スマホ老眼

 

スマホ斜視

 

完全矯正値でこうして近くを見るとこの

調節性輻輳を過度に働かせてスマホ斜視になったり、

20㎝程度まで近寄ってスマホを見ているとピントの調節能力が

悲鳴を挙げて、老眼の様に霞目になってしまうというリスクです。

 

つまり、遠くと近くの斜位量の変化を深く理解していて、

更にその被検者の目の癖を測定し理解しておかなければ、

若年層に遠近両用レンズを作製するのは危険だとも言えます。

 

遠くと近くの斜位の関係、

そして二つの輻輳の関係、

度数によって発生する調節効果。

そもそものピントの調節能力。

その他諸々…。

 

これらを全て網羅して作ってピタッとはまると

今回のように近視の進行抑制にたいして

プラスに働く事があるのでしょう。

 

ただし、今回たまたまだった可能性も否定できないから

推論だとも言っています。

ただし詳細な視力測定をした上で、10代の若者に

遠近両用レンズを使用した場合には、

おおよそ6~7割程度の方にはプラスの効果があったと

手応えを僕は感じています。

 

つまりこれはもっともっと検証を続けて

精度を高める必要があるというお話です。

誰の為に報告しているか良く分からないのですが、

今日は何しろ難しいお話で、きっと眼鏡屋さんでも

理解出来ない方が沢山いらっしゃるお話です。

 

一般の消費者レベルでは、

若くともスマホ斜視やスマホ老眼のリスクがあり、

更に近視の進行抑制に対しても若年層に遠近両用レンズは

一定の効果が見込めるという様に理解して頂ければ充分だと思います。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

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