遠視の潜伏の炙り出しとレンズ交換

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眼石祝応のBLOG

遠視の潜伏の炙り出しとレンズ交換

2021/09/19

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は76.7キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数712人。

 

さて昨日いらしたお客様は過去最高記録くらいに

レンズの再作成を繰り返したお客様でした。

 

何度作り直しをしても、ご満足頂けず、

今度はこれでどう?なんて事をおよそ10カ月繰り返しました。

勿論95%以上の方は一回で度数を合わせてご満足頂けます。

残りが5%いるかいないかだと思いますが、その殆どは

一回か二回レンズを作り直しをすれば、ご満足頂いていますから、

 

今回はいかに異例である事がご理解頂けると思います、

今回の事例では僕も勉強になったし、

お客様も僕を信じてよくぞついて来てくださいました、

っと僕は伝え、心から嬉しかったと御礼申し上げました。

 

では何を苦戦したのでしょう?

このお方は、遠視系の眼をされていました。

本人も自覚があったそうです。

ですが、遠視でも視力に難が無ければ問題なし

だと当人も思っていましたし、

眼科医の先生も同様な見解だったそうです。

 

ところが40歳を過ぎた頃から眼精疲労の自覚があり、

その後プライスショップで遠視の度数を10回くらい変えて

使っていたが、満足出来ず、満足出来ないだけでなく、

その後会社では、(眼が疲れたばかり言って)仕事の出来ない男と

レッテルを貼られ、結局転職したそうです。

 

こんな悲しい事がありますか?僕はご縁を頂いた当初から、

こんな方にご満足頂けるメガネを作ってみたいな~。

それこそ僕だって何回レンズ交換したって、

損得抜きにして眼鏡を作りたい。

 

って心底思えたのが10カ月前、

そしてついに、何回かのレンズ交換を経て、

やっとご満足頂ける状態になりました。

 

そして試行錯誤の連続に対して、諦めなかった僕と、

僕を信じた結果、改善に結びつけた自分に対するご褒美でしょうか?

以前に仕立て眼鏡はPC用でしたが、今度は遠くが見えるメガネが欲しいと

仰られ、眼鏡をもう一本作ってくださいました。

 

僕の思いが実った瞬間です。

 

僕は創業する時に自らに課した事があります。

決して逃げない事。お客様がお困りの状況があり、

それを解決するのに、自らに策がないとしても、

工夫する余地がある限りは、逃げ出さずに、

トライアンドエラーを繰り返そうと試みます。

 

ところが、多くのケースでは、

最初に上手くいかなかったり、違和感が強く出たりすると

僕に対する信用が無くなり、また他店に行くという事を考える方も

当然ですが、いらっしゃいます。今回もそうなってもおかしくは無かったのですが、

本当に先ほど申し上げた通り、僕を信じてついて来てくれたのです。

 

僕はただただそれが嬉しかったのです。

 

では実際に度数の変化を時系列毎に出してみましょう。
​​​​​

【最初のメガネ】

  SPH CYL AX プリズム
R 2.75 -0.50 110 0.75 BI2.00△    0.6
L 3.00     0.75 BI1.00△  

【二回目のメガネ】※赤字が変えた部分です。

R 2.75 -0.75 13 0.75 BI2.00△   0.3
L 3.00 -0.75 9 0.75 BI1.00△  

【三回目のメガネ】

R 2.75 -0.50 10 0.75 BI2.00△   0.3
L 3.00 -0.50 10 0.75 BI1.00△   

 【四回目のメガネ】

R 2.75 -0.50 10 0.75 BI2.00△    0.3
L 3.00 -0.50 10 0.75 BI2.00△  

 【五回目のメガネ】

R 3.25 -0.50 10 0.75 BI2.50△   0.4
L 3.50 -0.50 10 0.75 BI2.50△  

【六回目のメガネ】

R 3.50 -0.50 10 0.75 BI3.00△   0.2
L 3.75 -0.50 10 0.75 BI3.00△   

結局六回度数を試して、最後の度数に辿りつきました。

若しも最初からこのメガネに辿り着ければ

お客様にもこんな辛い思いはさせずに済んだのに、

メガネ作りで、特に遠視の潜伏を炙り出そうとすれば、

どうしても段階を踏む必要があるのだと思わざるを得ない事例でした。

 

最初から今回は腹をくくって何回掛かってでも

満足させたい、でもお客様がついて来れるかな?

これが心配でした。でも何度も繰り返しますが、

本当によくついて来てくれたと思います。

 

ついて来られないお客様が悪いとかじゃなく、

むしろ何回もレンズ交換をするメガネ屋さんは

腕が悪い、だから、そんな眼鏡屋では作りたくない。

 

皆さんはそう思いませんか?

でも、グラシアスに集まってくるお客様って、

本当にお困りの方か、本物志向のお方です。

 

本当にお困りの方は、大概レアケースで

教科書通りの結果にはなりません。

 

そうするとどうしてもレンズ交換をしながら

手探りで最適解に辿り着く必要があると僕は思うのです。

また、これをご覧になっている皆様も、

どうか理解して欲しいのは、僕はこういったケースで

一番容易いのは、

「これは僕の限界です。これ以上やれる事はありません。」

って逃げ出すようにして、お客様を突き放した方が

余程思考もシンプルで、お店の経営も圧迫しないと思います。

 

原則として、レンズ交換の費用はうちのお店負担だからです。

でも、若しも僕が逃げ出したり、突き放したりしたら?

その方々は、次に行くところがあるのかしら?

 

それを思うと僕は逃げ出したくないし、

今回の様に、根気強く継続する事で

光明が射す事もあるし、それが自身の成長に繋がると

僕は思っているのです。

 

こんな僕ですが、どうかよろしくお願い致します。

今日は、感動を頂きながら僕自身の存在意義とか価値ってあるのかな?

なんて思いながらblogを書き始めて、

うん、こうして逃げ出さずに試行錯誤するって

立派に存在意義じゃない?って普通に思えたのが収穫でした。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

 

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