遠近両用レンズの度が強い?

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眼石祝応のBLOG

遠近両用レンズの度が強い?

2023/05/31

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遠近両用レンズの度が強い?:昨日いらした方の使っている眼鏡の度数を見て軽く絶望し、その経緯を聞いて更に絶望した。

【今お使いの眼鏡の度数】

RS±0.00 C-0.25 AX98 ADD+1.50

LS±0.00 C-0.25 AX90 ADD+1.50

【レフケラトメーターの数値】

RS+0.50 C-0.25 AX51

LS+1.25 C-0.25 AX11

この時点で明らかに両眼遠視、当初作った遠近両用が違和感が強いので眼科に相談に行ったら

遠視が強いから弱くして再作成しなさいと指示をされた。それで今の眼鏡になった経緯があった。

 

遠視が強すぎるから違和感、違和感が仮にあったとしても遠視の弱矯正をそんなに簡単に決めて良いのだろうか?

このお方は右目を使うと刺す様な目の奥の痛みがありお店にいらした当初は眼帯だった。

それでは検査にならないと裸眼にして頂き視力測定を始める。

 

当初は目を開ける事すら出来ず右目が辛いと訴えられていた。

実際の屈折異常量は以下の通りだった。

RS+1.50 C-0.25 AX80 

LS+2.50 C-0.75 AX30

この眼鏡をつけると僕が何も言わずとも両目がしっかり開き右目を使い始める。それは感動的な一幕だった。

 

ご本人も驚いていたが今回は53歳というご年齢を考慮して敢えて弱めの遠近両用レンズに度数設定をした。

それは上記の屈折異常量=遠視を弱くするのではなく加入度を弱度への調整だった。

加入度を初心者向きにセットし、外斜位と上下斜位もあったので、その調整でプリズムという度数も組み込み、

テストレンズをセットし仮枠で店内を歩いて頂くと何の違和感もなく、快適だと答えられた。

 

本当に眼科医の先生が遠視を弱くなんて指示をするのだろうか?若しかしたら勘違いの可能性もある。

いずれにしても、遠近両用レンズを初めて作った時、違和感という主訴の多くは加入度を強め過ぎている事で、

作った眼鏡の違和感が強いなんて場合には、加入度を弱めるというのが真っ先に考えるのが

眼鏡屋としては常識とは言わないまでも、ファーストチョイスになる事が、少なくとも僕のお店では多い。

 

ここで眼鏡作りの初歩の初歩、原理原則を皆様にも知って頂きたいのでご案内させて頂く。

①近視メガネの度数調整の原則

=最高視力で最弱度

②遠視メガネの度数調整の原則

=最高視力で最強度

いずれも最高視力が原則で、近視が最弱、遠視が最強と

原理原則が真逆になる事を知るべきだと僕は思う。

 

結局どんな度数?

 

それは以下の通りだった。

RS+1.50 C-0.25 AX80 ADD+1.00 

プリズムベースイン1.50△(プリズム)右アップ1.00△

LS+2.50 C-0.75 AX30 ADD+1.00

プリズムベースイン2.50△

 

まとめると遠視の度数は極力しっかりと矯正、

遠近両用レンズの加入度は程々に。

が答えになる。

 

遠視眼は日本では立派にマイノリティ、だからギリで近視は「なんとなく、遠くが見えなくなるんでしょ?」

なんて認識の方が多いのだけど、遠視は?と聞くと、「え、遠くが良く見える目でしょ?」って答える人が殆ど。

 

正解は遠くを見る時にも目に力を入れて見るずれがあり、近くを見る時にはもっと近くを入れて物を見る。

でも弱度の遠視だったら視力には難が無い人が殆どだから、

そういった方は、遠くも見えているしと眼科にも掛からず、そして眼鏡屋に相談に行く事も無い。

 

辛うじて、手元が見えなくなったら老眼鏡が近視の方より自覚が早いので老眼鏡を掛ける。

でも遠くは視力に難が無いから放置する。何度でも言うけど、遠視眼は視力が良いから問題が無い訳ではなく、

 

今回の事例でも

右目の裸眼視力=1.5

左目の裸眼視力=0.6

両目の裸眼視力=1.2

で少なくとも両目で1.2も見えていれば問題が無いとご本人がジャッジしても不思議ではなく、

むしろ日本では多くの遠視眼が放置されていると言って差し支えない。

僕はこの間違った認識を変えなきゃいけないよと思っている。

 

少なくとも僕は遠視は近視よりも怖い。自分が若しも遠視眼か、

近視眼を選べるならどちらを選ぶと聞かれれば、間違いなく近視の一択だと思う。

少しでも皆様の暮らしが豊かになりますよう、眼鏡屋のおっさんは願うのだ。

 

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