間違った知識が…。
2018/10/18
今日再検査の為にいらしたお客様は、遠近両用レンズで作成し、更にケミストリー
というレンズで手元の25㎝に合わせるというかなり特殊な用途で作成させて頂きました。
お渡ししてから10日程、そろそろ慣れてくる頃ですが、
一向になれる気配がありません。早速再検査でご予約
頂きました。本日早速見させて頂くと
裸眼視力が
R=0.8 ➾ R0.8
L=0.1 ➾ L0.15
と左目は若干改善しているものの、誤差の範囲と捉えました。
では装用視力(眼鏡を掛けた状態での視力)
R=1.0 ➾ R=1.5
L=1.2 ➾ L=1.2
と右目は大幅に視力は改善しています。
それにもかかわらず何故このお方は
右目が見えないと感じてしまったのでしょう?
ここからは推測ですが、右目は遠視、左目は近視という
不同視(左右の眼の度数が±2.00以上)で慣らしの過程の感じ方に
左右差があること。これがご不満の一点だった可能性があります。
どういうことかと言えば、
遠視の右目は遠視の眼鏡を掛けてすぐには最高視力が出ません。
一方
近視の左目は近視の眼鏡を掛けてすぐに最高視力が出ます。
この語尾の「ません。」と「ます。」の差が
多くのケースでご不満を感じる要因となります。
近視の場合にはある程度のご年齢になっていれば、
それ程大きな調節の介入は考えにくいのですが、それでも近視の眼鏡を
掛けてすぐに遠くが見えないとしたら、近業作業後にピントフリーズして
しまっている場合です。ピントフリーズとは、近くにピントを頑張って
合わせるとその状態で固まってしまう場合なのですが、
今回は簡易に屈折異常量が測定出来る機械に当てると
右目の遠視には多少の調節は介入していましたが、左目はほぼ完全矯正値でした。
つまりピントフリーズしていない状態です。
この場合では左目は掛けてすぐに最高視力が出て、右目の遠視は
ピントの調節が抜けるまでは最高視力が出ません。
眼鏡を掛けてすぐに、この左右の視力差を敏感に感じたこのお客様は、
「あれ左右の視力差が大きい、右目の方が左より見えていない。
これはおかしい。度数が合っていないのでは?」
と思いこんでしまいました。僕は以前のblog
で間違った知識を最初にインプットしてしまうと
いつまで経っても、そのレンズや眼鏡に慣れないよとご案内しました。
今回も正しい知識
=遠視眼は掛けてすぐに視力が出ないから、しばらく掛けて様子を見る必要がある。
と冷静に考える必要がありました。ただしこんな知識をお持ちな方は
皆無に等しいですから、これをやはり僕らは逐一ご説明する必要がある訳です。
ご説明する労苦はなんてことないですが、お客様を不安な気持ちにさせてしまったり、
再来店をお願いしなくてはいけないのは、こちらとしては恐縮しますし、
申し訳ない思いになりますので、やはりこの僕ら眼鏡屋の当たり前は
ほんの一部でも消費者の方々に知って頂く必要があるなと
思い、毎日blogを書いています。
皆様も正しい知識を身につけて欲しいですし、
ご興味ございましたら本blogの過去ログはお時間のある時にでも
是非目通しお願いしたいなと思います。
このblogが皆様の眼鏡辞書になれると良いですね。
それではまたこのblogでお会いしましょう。
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