不要必要。
2021/05/02
本日のblogの難易度【★★★★★】
今朝の体重は75.4キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は566人。
よっしゃ-!体重減って
チャンネル登録者数は増える。
最高の始まりだぜい!!
何かが増えて、何かが減る。
諸行無常の世の中ですが、
昨日いらした32歳の男性は、
必要な乱視をごっそり抜いて、
不要とも言える近視がたっぷり入っている眼鏡を掛けていました。
それが以下の度数です。レフケラの数値と合わせてご紹介します。
屈折 | SPH | CYL | AX | ADD | PD | 片眼視力 | 両眼視力 | |
他覚 | R | -4.00 | -1.00 | 170 | 33.50 | 0.05 | 0.07 | |
L | -4.75 | -0.50 | 174 | 33.50 | 0.06 | |||
角膜乱視 | R | -1.50 | 171 | 色覚特性 | 8 9 | |||
L | -0.75 | 69 | 5 2 | |||||
旧度 | R | -3.77 | -0.02 | 0 | 32.50 | 0.70 | 0.90 | |
L | -4.24 | -0.01 | 0 | 32.50 | 0.90 |
レフケラをパッと見ても、角膜にも乱視があり、
決して乱視を抜いて良いとは思えませんが、
実際に両眼開放屈折検査をして完全矯正値を出してみました。
両眼解放 | R | -3.75 | -1.00 | 170 | 67.0 | 1.5 | 1.5 | |
L | -4.75 | -0.50 | 10 | 2.0 |
乱視を入れれば視力は充分にでます。
それなのに、あ~それなのに、乱視を抜いたが為に、
期待される生活視力が維持出来ない。
だから近視を強めに入れましょうと
右目は近視の完全矯正値
左目は少し弱めにしたとしても、
本人としては弱めの眼鏡が良いと思っていたそうですが、
それ程弱めにも設定されていない。
この度数設定で0.9の両眼視力です。
では僕はどんな提案をしたのでしょう?
それが以下の度数です。
処方値 | R | -3.00 | -1.00 | 170 | 1.2 | |||
L | -4.00 | -0.50 | 10 |
一番強い状態から、三段階近視の度を弱めています。
これでも両眼視力は1.2出るのであれば、
無理して弱い眼鏡をしなくても良いのでは?
っと提案し採用して頂きました。
必要な乱視を抜いてしまうから
無理して近視を強くしている。
この矛盾に多くの方が気付くべきですが、
そもそも論として乱視悪者説があるのです。
乱視を強く入れると違和感が強く歩けない。
感覚がくるってしまう。気持ち悪くなる。
実際にこういった事を仰るお客様は一定数います。
ではその比率がどの程度か?
それは僕に言わせれば100人に一人もいません。
99%の人は乱視を入れたって大丈夫なのに、
1%のクレーム案件で心が折れてしまい、
何とかクレーム件数を低く抑えようとして、
この乱視悪者説が業界でも主流になりました。
ところが実際にお店では気持ち悪くて掛けられないって比率は
1%なんてもんでもなく、もっといると主張する人もいます。
そういった人に僕は聞きます。
「レンズの歪み取りはしていますか?」
「フィッティング時に視軸と光軸の一致を意識していますか?」
「プレフィッテングしていますか?」
「アイポイントの測定はしていますか?」
っと訊くと多くの方がNOと答えます。
実際には気持ち悪くなる原因は複数存在し、
その原因の特定は困難を極めます。
フィッテング一つ間違えれば掛け心地だけでなく、
見え心地にも悪影響を及ぼすのです。
にも拘わらず、乱視が悪者だと決めつけて、
僕に言わせれば根拠なく乱視を弱めたり、
時に乱視を抜いてしまったり。
こうして必要以上に近視が強いメガネが出来上がるのです。
今僕は根拠なくと申し上げましたが、
根拠はありますね。1%程度の乱視に対する
アレルギー反応が高く出るケースを防ぐ為。
これが根拠だとするのなら、
1%の為に99%の方が妥協を強いられ、
更にいえば、不要な強い近視度数を
入れた眼鏡を掛けているのです。
必要以上に近視を強くすると、
ピントの調節機能に負荷を掛けます。
これが、若年層であれば、
近視の進行要因ともなりうるのですし、
老眼世代であれば、より老眼の自覚を早めます。
今回のケースの様に老眼でもなく、成長期でもない人は、
近視の強いメガネでは害悪は無いのでしょうか?
勿論あります。
それはピントの調節に過度な負荷を与える訳ですから、
その眼鏡で近業作業を長時間すると眼が疲れてしまったりする事もあります。
そもそも、必要な乱視を抜いてしまっているのですから、
近見視力も最高視力は期待できなくなるのですから、
疲労云々だけの話でもありませんね。
この様に不要必要を僕に言わせれば安直に判断し、
必要な乱視を抜いてしまっているのが、
今の日本の眼鏡業界です。
情けない話ですが、
僕らは、その安直な業態の人達にしっかり負けているのですから、
言い訳のしようもありませんね。
消費者は低価格を支持しているのです。
そしてもう一つ重要な点は、
今市場は、自らの存在をアピールする
広報力で動いています。
僕らは商品力ではなく広報力の差で負けたとも言えるでしょう。
ですから僕らはもっともっと自らの存在をアピールする必要があるのです。
僕も大手に負けない小さな小さな眼鏡屋のおやじとして
頑張りたいと思います。
それではまたこのblogでお会いしましょう。