老眼鏡の代わりにならない遠近両用レンズ

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眼石祝応のBLOG

老眼鏡の代わりにならない遠近両用レンズ

2021/05/17

本日のblogの難易度【★★★】

今朝の体重は75.4キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は575人。

 

さて昨日いらしたお客様は、72歳、人生初の眼鏡が

上下斜視を矯正するプリズム入り眼鏡。

 

①遠く限定ユースで作製するか、

それとも②遠近両用レンズで作製するか、

更に言えば、③遠く用と近く用の二本お作りするか。

 

悩ましい事例でした。

 

それぞれのパターンで作った時に発生する

メリットとデメリットをご紹介しますね。


①遠く用(メリット):遠くだけに焦点距離を合わせているので、当然遠くは裸眼視力より改善します。

①遠く用(デメリット):ですが、ご年配が72歳ですから、

当然しっかり老眼になっていらっしゃいます。遠く用メガネを掛けたまま近くは見えませんから、

眼鏡を掛け変えてお手元用メガネに掛け変える必要があります。

この掛け替えを面倒と感じる方が多いのです。

 

②遠近両用レンズ(メリット):若しもこのお方が既に遠近両用レンズユーザーなら、

しっかりお手元と遠くに焦点距離を合わせて快適にお使い頂けるメガネが作製可能です。

ところがこのお方は老眼鏡は作った実績はあるものの、

遠近両用レンズどころか遠く用メガネのエントリーユーザーです。

そのエントリーユーザーに72歳の方向けの遠近両用レンズは多くのケースで掛けられません。

ですから今回は手元はサポート程度に調整された老眼を助ける度数を入れます。

具体的に言えば+1.00Dという加入度です。この初心者向けの遠近両用レンズでも、

レストランのメニューや、スーパーマーケットに行けば、商品の正札の価格くらいは見えますし、

スマフォも文字を大きく設定してあれば、充分にメールくらいはご覧になれます。

 

まとめに入ります。つまり手元用度数を弱めた遠近両用レンズでも、

それ程細かくない字であればご覧になれるので、

生活の質は上がると言えそうです。これがメリットです。

 

②遠近両用レンズ(デメリット):例え初心者向きに度数設定された遠近両用レンズでも遠近であり、

累進レンズといって度数が変化するように作られています。従って慣らしの時期は必要になります。

慣らし当初ではクラクラするとか、返って眼が疲れるとか感じる事も多分にあります。

また、レンズの価格が高くなるのもデメリットです。

更に、この緩く調整された遠近両用レンズは老眼鏡の代わりには決してなりませんから、

結局老眼鏡も斜視を矯正した眼鏡でもう一本作る必要があります。予算的にも大変ですね。

 

③遠用/近用単焦点レンズでの二本使い(メリット):どちらも遠くと近くにばちっとあっていますから、それはそれはその作業だけをするのであれば快適です。例えば遠くであれば映画館で映画を観る時とか、文庫本程度の細かい文字を見る読書とか。この様に一定の距離だけを注視するスペシャリストと言えますね。

 

③遠用/近用単焦点レンズでの二本使い(デメリット):逆にあっちやこっち、目線を移動して、二つや複数の視物を見ようとした途端にこのメガネは弱点をさらけ出します。例えば先ほどの映画鑑賞でさえ、開演前にパンフレットを見ようと思うと、まるで見えないので結局老眼鏡に掛け変えます。例えば、パソコンと手元の資料を交互に見るなんてシーンでも目的距離が変わればどちらかがぼけます。手元に合わせた場合は手元の資料は快適でも、モニターがぼけると理解してください。

 

さて、この①~③を皆さんは何の説明も無しにご自分一人で選べますか?

 

安直に遠くが見えればいいや、で終わっている方が弊店のお客様だけを見ても圧倒的多数です。

そこで眼鏡屋の店員さんが、このメガネを作ったらこんな暮らしになるよと

ビジョンを見せる必要があるのです。

 

先日のお客様は、その①~③、どらが良いのかをしっかりご説明したつもりですが、

ご理解頂けたのでしょうか?それが少しだけ心配ですが、

今回は②遠近両用レンズでお作りする事になりました。

 

喜んでくれるお顔をイメージしながら眼鏡を作りたいと思います。

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 


 

 

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