乱視の弱矯正の弊害

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眼石祝応のBLOG

乱視の弱矯正の弊害

2021/06/13

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は74.7キロ。

お、久々の74キロ台。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数は597人。

600人目前でござる。

 

今日の事例紹介は、25歳、PCを一日10h以上するという

パソコンのヘヴィーユーザー、何でも最近PCをすると疲れるようになった。

と訴えられています。お医者様に行ったら遠くに度数が合っているから、

近くに度数を合わせてみて、更に斜視もあるようだからプリズム度数も

入れてみては?っという提案があった様です。

 

早速検査に入る前に今使っているメガネの度数をご紹介します。

旧度 R -11.53 -0.76 180   33.00 1.00 1.00
L -10.48 -0.99 8   32.50 0.70

そしてレフケラの度数も出してみましょう。

屈折   SPH CYL AX ADD PD 片眼視力 両眼視力
他覚 R -12.00 -1.75 7   34.00 0.02 0.03
L -10.00 -2.50 5   34.00 0.02
角膜乱視 R   -1.50 180 色覚特性 8  9  
L -2.25 6 5  2

この時点であれ?左目の度数がおかしいな?と感じます。右は若干弱めに近視が入っていますが、

左目は近視の過矯正になっています。これは検査した時点では、このくらい近視があったのかもしれませんね。

 

 僕はこういう時に、訳知り顔をして、この度数は駄目だ、全然あってないね。

なんてお客様に説明している眼鏡屋さんの話を何回も聞いてきました。

それを聞いたお客様は、「あ、信頼していたのに裏切られた。」なんて

きっと残念に思うでしょう。なかには同じ街の眼鏡屋さん同士でお客を取り合うように

罵り合戦が始まったりします。僕はそういうのが大嫌いなので、

お客様の前仕立てていたお店の意見を否定するようなことはいいませんし、

自分が正しいなんて100%言いません。むしろ僕は自分のやっている事に

誇りをもってはいますが、自信なんてこれっぽっちもありません。

 

と正直に今の僕の心境をさらけ出します。

本当に自信がないのだから仕方がありません。

 

やればやる程に知らない世界が広がっていく感覚で、

僕は自分が無知である事を知ってしまったのです。

それをソクラテスは無知の知と言ったそうな…。

 

何しろ知識欲だけは衰えず、常に学びたいなと思える。

52歳のおじちゃまなのです。

 

脱線しました。さて今回のケースでは実際にどんな眼鏡を作ったのでしょう?

先ずは完全矯正値から、

両眼解放 R -12.00 -1.50 5   68.0 1.20 1.2
L -9.50 -2.25 180   1.20

そしてこれらから4段階近視を弱めた眼鏡を作りました。

処方値 R -11.00 -1.50 5       0.8
L -8.50 -2.25 180      

 以前の常識であれば、強い度数はもっと弱く、弱い度数極力強めを狙う。

これで左右の度数差が無くなり、像倍率が均一化に近づきます。

そんな処方が散見されましたが、これをやるとピントの調節バランスが崩れます。

結果として片目に偏った眼の使い方になるのです。これを僕は問題視していますし、

今回のお方も、左右の度数差はあるものの、像倍率には左右の差が無かったので、

左右共にそのまま度数を下げています。

ご参考までに以前よく他店で見られた方法だとこんな感じの度数になるとお見せしますね。

以前の方法 R -10.50 -1.50 5       1.2
L -9.50 -2.25 180      

 これだと左右差が減少しましたし、左目は完全矯正値で作れますから、

両眼視力は1.2とか出てしまいます。これでは焦点距離に合わせて使うという

考え方にはなっていません。これでは目は疲れてしまいます。

さてここで今使っている眼鏡をもう一度見てみましょう。

旧度 R -11.53 -0.76 180   33.00 1.00 1.00
L -10.48 -0.99 8   32.50 0.70

これだと左目は過矯正、でも視力が0.7しか出ていません。これは乱視の弱矯正が原因で、

これを何とかしようと、前回の眼鏡屋さんは、乱視を弱めた分、近視を強めたのかもしれません。

像倍率補正という観点、その一点から見れば、このやり方は悪くないとも言えますから、

答えは一つではなく、皆様にとって暮らしが豊かになるような、メガネ屋さんとのご縁がある事を

お祈りさせて頂きます。この乱視の矯正に関して動画で解説もしていますので、

ご興味ある方は、以下の動画もご覧になってみてくださいね。.

 

それではまたこのblogでお会いしましょう。 

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